4月 1/3
おはようございます。私です。
平原の雪はすっかり融け、森の中も日当たりの良いところは地面が顔を出してます。
いよいよ春です。
私の方は、工房の建物自体は完成しました。
おうちづくりの時と比べたら、めっちゃ作業早くなってる。
まあおうちと違って、レンガ積むだけだからね。
外観は、赤レンガの屋根はムー○ンハウスっぽいんだけど、外壁が青じゃなくてベージュ色。
ちょっと砦とかの尖塔っぽい。
青い塗料なんて、めっちゃ高額なんだから仕方ないんだよ。
玄関や窓でかわいらしさを出してるから、まあ、それなりの出来です。
屋根は落雪事故防止のために、雪止め付き。
軒先には、万一の落雪破損対策で、断面がS時に近い雨樋付けてみた。
屋内は、地下一階、地上三階建てプラス屋根裏部屋。
地下はスライム式浄化槽と材料倉庫(実は隠し扉で地下通路と繋がってる)、階段ホール兼薪部屋、ランドリースペース。
一階は玄関兼階段ホール、魔道具工房、工作室、事務所兼私室。
階段は内壁に沿った螺旋式で、階段下にトイレと洗面台。
二階はキッチンとリビング・ダイニング、階段ホール。
キッチン以外壁なしなので、広々。
三階はツインの客室二つにサニタリー、階段ホール。
屋根裏部屋へのアクセスは、螺旋階段だと屋根に頭がつかえるので、暖炉煙突横の壁に設置したはしご。
屋根裏部屋は現在用途未定。
全室個別床暖房付き。
一、二、三階は、中央煙突横の暖炉あり(逆流防止弁付き)
工房と倉庫がおうちから引っ越し出来たので、おうちもツインの客室が二つになったよ。
地下の元倉庫は…ちょっと用途考え中です。
工房の建築途中にレンガが足りなくなって、西の庭の地下にも四部屋(崩落が怖いので分割して壁で補強)出来てしまった。
ここも用途が決まってない。
今はせっせと工房棟(ムーミ○ハウス)の備品家具類作ってます。
ベッドは全部空気層魔道具のマットレスだー。
浴槽はバームクーヘンを四分の一にカットしたような形で、五人一度に浸かれるぞ。
トイレは当然、温水洗浄乾燥機能付きだ。
事務所兼私室には両親が使ってた家具を運び込んだ。
今までは材料入れなんかにしちゃってたけど、これで家具本来の用途に戻せたね。
客室には小型冷蔵庫とドライヤー、湯沸かしポット、加湿器、冷温風機、ハンディ掃除機、ローテーブル、ベッドスタンド。
クローゼットや机、小型洗面台も付けた。
ランドリースペースには洗濯乾燥機とアイロン、ミシンもあるぞ。
キッチンはオールステンレストップで大型魔道具オーブン、魔道具コンロ六口、冷温水機能蛇口とシンク各二個、大型冷凍冷蔵庫付きのシステムキッチンだ。
調子に乗ってノリノリで作っちゃったけど、こんなキッチン、何に使うんだ?
…ものづくり欲求、抑制すると反動がひどいな。
世間様はね、まず鉄橋が架かりました。
地上で作った鉄橋を、みんなでわっしょい渓谷に押し出したの。
先に補助用の金属レール渡してあったんだけど、途中でたわみだした。
鉄橋が押し出されるにつれて先端が魔法を使ってる人から離れていくから、先端部に重量軽減魔法が届かなくなったんだね。
転落事故防止のために鉄橋には誰も乗ってなかったから仕方ないんだけど、崖の反対側でロープで引っ張ってる人がズルズルと谷側に滑り始めたの。
私は5mくらい離れた丸太橋の上から街のみんなと見物してたので、こっそり魔法で手助けしました。
鉄橋の先が無事に谷を渡ったら、見物人全員から拍手喝采だった。
後でソードくんから、『やっぱりお嬢呼んどいて正解だった』って言われた。
うん、やっぱり重機扱いだ。
鉄橋は、左右に小さめの凱旋門みたいなのを建てて、夜間は鉄格子で閉鎖するんだって。
今は、せっせと門づくりしてる。
領ざかいになるので、兵士さんが常駐するそうです。
そして鉄橋の北西、森の手前にお屋敷の建築も始まってます。
なんとマギ君の別荘なんだって。
別荘建てるってことは、ちょくちょく来るってことだよね。
でも、あんなとこに別荘建ててどうするのかな?
近くには森とスライムダンジョンしか無いぞ。
今度会ったら、抱えられないように注意しよう。
街で作ってた王家用の自走車は、下部構造が出来上がって、先日街を発ちました。
領主様やソード君、姉妹ちゃんに兵士さんたちが見送ったらしいんだけど、シャーシの上に無理やり椅子を固定して運転してたから、めっちゃみすぼらしくて笑いをこらえるのが大変だったとは姉妹ちゃんの談。
まあ、走行テストも兼ねてるんだろうし、上部構造は王都で作った方が立派だろうからね。
そして、姉妹ちゃんの自走車も完成した。
ボディがホワイトチークの圧縮材なので、かなり明るい色。
頑張って丸みを作ったらしく、かわいい外観に仕上がってた。
前列は一人用ソファーが二つ、後列は三人掛けソファーの五人乗り。
ガラスは全部はめ殺しだけど、サンルーフが木製の開閉式になってた。
乗り心地は、未舗装の街道でも、馬車なんかよりよっぽど良いそうだ。
そっか。私は馬車に乗ったことがないから、前世の普通車と比較しちゃってるんだ。
うん、前世を基準にするのはやめよう。
姉妹ちゃんは、出来たからって真っ先に私に見せに来てくれたんだ。
試乗テストの途中だからってすぐに帰っていったんだけど、帰り際にしこたまお礼を言われた。
私に出会って半年もしないうちにここまでこれたって感謝されまくった。
でも、頑張ったのは姉妹ちゃんたちじゃんって言ったら、涙ながらに抱きしめられてしまった。
うん、自分の努力が実るって、いいよね。
自走車は、他にも色んな種類が走り始めてる。
定期便は木製ワンボックスの現金輸送車っぽいし、シャーシの上が箱馬車のまんまなのも見かける。
車輪にゴムタイヤを使ってるのは姉妹ちゃんの車だけだけど、馬車の車輪がそのまんま付いてるのも見かけた。
あれで時速30kmも出したら、中身シェイクされるんじゃないか?
みんな根性で耐えるのかな?
街では南側の拡張工事も進んでる。
壁がだいぶ出来上がってきて、下水路も掘られてる。
圧縮水晶やレンガ作成水晶、ならっしー君なんかが活躍してるみたいで工事が早い。
ソード君曰く、拡張する南側は商業区になるらしく、商店街と宿屋を建てるんだって。
今の南側の壁と門はそのまま残し、商業区との出入りは検問するそうだ。
外来者を出来るだけ商業区に留め、製造工程のある北側には、怪しい人物が入らないようにするって言ってた。
鉄橋は街の北西にあるからどうするのかと聞いたら、なんと街の南西にもう一本橋を架けるらしい。
この橋は圧縮レンガ造りの上路アーチ式で、王家の出資で架けるんだって。
鉄橋は、領主様の許可証を持った人しか通れなくするそうだ。
ソード君は、圧縮レンガが売れるって喜んでたよ。
でも、商業区の建材にも使うんだよね?足りるのかな?
あ、忘れるとこだった。
領主様がステンレスの供給寄与(プラス賢者からの技術の引き出しだけど内緒)で伯爵に、ソード君が自走車などの魔道具開発で子爵に陞爵されるんだよ。
領主様の領地はそのままだけど、この領、元々辺境だから伯爵領くらいの広さが有るんだって。
ソード君には領地拝領の話も有ったらしいんだけど、自分が新領地に行ったら魔道具開発が滞るからって断ったそうだ。
王家も魔道具開発の停滞は困るらしく、即座に受け入れられたって言ってた。
マギ君からの情報では、自分の領地の一部をソード君に分け与えて魔道具関連の製造拠点を取り込み、甘い汁を吸おうと画策した上位貴族がいるみたい。
でも、王様から魔道具開発が滞らない策があるのかと問われ、すごすごと引き下がったらしい。
大勢の貴族の前で問いただされ、まともに答えられずに大恥を掻いたんだって。
魔道具関連技術は秘匿されてるから、知らない人がいくらいても、まともなサポートなんか出来るわけがないよね。
ソード君が領地につられてホイホイ行っちゃうとでも思ったのかな。
考えが浅はかすぎるよ。
ソード君を見くびんな!
会ったこともない貴族に腹が立ったけど、大恥掻いたらしいから良しとしよう。
さて、今日は客室のカーテンやスリッパづくりしなくっちゃ。
ランドリースペースには、ミシン用の作業台も取り付けてある。
工房にも大きな作業机や材料棚、そしてキャスター付き回転椅子。
工作室には作業台の上に旋盤やグラインダーが取り付けてあるし、大型掃除機も完備。
今までは一つの机で全部こなしてたから、準備や後片付けが頻繁だったの。
今では、入室即作業開始。
工房棟、めっちゃ便利。
ルンルン気分でスリッパ量産してます。
【みゃーん】
ん?ネージュ、どしたの?
このイメージは…ダンジョンの入り口だね。
ああ、そうだった!
うちのダンジョン、核補充しに行くんだった。
ものづくりにハマって、すっかり忘れてたよ。
ネージュ、ありがとね。
今日はパルクールしないで、中央の森から西の森に廻ってダンジョンに行きます。
そろそろ森の巡回も再開する時期だからね。
でも、中央の森と東の森は巡回しなくて良くなったんだよね。
兵士さんがスライム溜まるのを待つ間、暇だからって巡回始めちゃったの。
元々森の巡回警備は兵士さんの仕事だから、薬草摘み以外では巡回しなくていいよって隊長さんに言われた。
うちの薬草畑、ポーション用も通常薬用も、薬草わんさかなってるし品質もいい。
正直、森の薬草は摘む必要ないんだよね。
だから兵士さんのいない、西の森の巡回だけすることにしたんだ。
今日はスノーバイクでお出かけ。
魔法でこっそり空気層作って浮かしてるから、スキー板は減らないよ。
しかもエアクッションだから、乗り心地もいいんだ。
探知全開で走ってるから、見られる心配もないしね。
西の森はあちこちに雪が残ってるけど、ちょこちょこポーション用の薬草反応あるね。
まあ、摘んでもおうちに戻るまでに劣化しちゃうから、摘まないけどね。
通常薬の素材は、まだ育ってないね。
春が始まったばかりだから当然か。
見回り終えてダンジョン入り口に到着。
岩の上に登ると、おうちの屋根がちょこっと見えるね。
スノーバイクで直線なら、おうちまで五分かからない距離。
ダンジョン入り口をトラップ化しとけば、兵士さんたちも利用できるよね。
うーん、やっぱり地下通路掘ろうかな。
今度領主様に会ったら相談してみよう。
一応ダンジョン内もチェックしたけど異常はなかったよ。
水晶ランプの核補充して、さっさと帰ります。
おうちに着くまで二十分くらいかかった。
やっぱ大回りすぎだよね。
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