3月 3/3  (2023.7.17誤字修正)

おはようございます、私です。


今日は超久々に、雨が降りました。

朝起きた時は雪だったんだけど、日課してるうちに雨に変わってました。

もう、春はすぐそこだね。


おうちの周りも除雪したので、うちは春準備万端です。


でも、除雪時にショックなことが…。

せっかく作ってあった除雪機、幅が2mもあるから狭い場所に入れない。

まあ、これは作成段階で分かってたから、狭い場所は自力で除雪したの。


で、魔法使って雪を押しやってみたら、なんとブルドーザー以上に除雪出来てしまった。

押しやった雪も、余裕で5m四方くらいの塊を浮かせられたよ。


どうやら、レベルが上って魔法の干渉領域が大幅に広がったことが原因みたい。

思えば昨シーズンに雪かきした時は、レベル6だった。

今、レベル13だもんなぁ…。


……除雪機要らんやん!!

せっかく作った除雪機がもったいないので、こっそり領主様に寄贈しました。

寄贈理由を話したら、ソード君が笑いながら『お嬢にしてはめずらしいドジだな』って笑われた。

ちくせう。


あと、かける君も夏バージョンに仕様変更しました。

当初は大きなベアリング付けて車輪化する予定だったんだけど、よく考えたら、小さな車輪では未舗装の道はくぼみに嵌りそう。

かといって大きな車輪にすると、車高上がりすぎて傾斜地で横倒しになる危険が高くなるよね。


で、冬仕様では圧縮木材製だったスキー板を、ステンレス製に変更しました。

多分削れるの早いだろうけど、横倒しよりはましだと思う。


それと、置時計も作ったよ。歯車作るの大変だったけどね。


ネージュとお昼寝してると、起きた時に曇ってると時間がさっぱりわからないの。

ソード君や姉妹ちゃんと約束あると、時間わからずに待たせるのも悪いしね。

回転の水晶で歯車回してるだけなんだけど、水晶使ってるからなんちゃってクォーツ時計だよ。


ソード君に依頼してた通信魔法の実験は、思った以上に汎用性が低かったよ。


現状わかったのは――

・レベル7以上で、しかも魔力制御がかなりうまくないと習得出来ない

・習得者同士でも、友人関係以上じゃないと繋がらない

・伝達距離が魔力制御の良し悪しで変化するし、魔力消費量も魔力制御次第

・複数伝達も可能だけど、やはり親しくないと伝わらない

・姉妹ちゃんなら、中央奥のダンジョンと領主館でも届く

・伝えたい相手を特定すると、近くに他の習得者がいても通話は漏れない


といった感じ。


今後は、使うのはいいけど他者には秘密にする事になった。

領主様は、一応王家にだけ、習得条件の厳しい激むず魔法として報告するらしい。


今、通信魔法を使えるのは、領主様、隊長さんと副長さん、ソード君、姉妹ちゃん、従者さん、ソード商会員二名と私だそうだ。

私も、商会員さんに繋ごうとしたけど無理だった。

私が繋げられるのは、ソード君、姉妹ちゃん、隊長さん、副長さん、従者さん。

領主様には、私からの一方通行。

私以外からでも、一方通行の人はいるみたい。


うん、かなり人を選ぶ魔法だね。

まあ、ソード君や姉妹ちゃんと連絡しやすくなったから、私としては文句ないんだよね。


街の方は、冬ごもり終わって通常活動になってるの。

メインストリート、圧縮レンガ舗装が始まってた。


地下道掘削で出来たレンガが大量に余ってるらしく、作った部屋の半数がレンガ置き場になってるんだって。

レンガ消費するために、舗装だけじゃなくて、南側に街を再拡張することも決まったって。

早いよ!去年拡張したばっかじゃん!


地下道は結構大きな鉄鉱石の鉱脈に当たったらしく、露鉱の掘削はやめるんだって。

鉱脈は南北に伸びてるから、今は北に本道を掘り進め、子道もいくつか掘ってるそうな。

鉱脈に沿って掘ってるから露鉱なんかより断然効率がよく、産出量が跳ね上がってるらしい。


クロムも結構出てるから、鉄として出荷するのをやめ、全部ステンレスにして出荷するからクロムの抽出要員の育成が急務だって、領主様がいい笑顔で話してた。

この前なんてソード君に拉致られ、鉱石保管部屋のクロム鉱石が無くなるまで抽出させられた。

クロムインゴットが山盛り出来ちゃったけど、私の魔力量、どうなってるんだ?


アルバイト料としてクロムいっぱい貰ったので、うちの鉄ストックと合成すれば、当分ステンレスには困らないよ。


それから、渓谷にある丸太橋のすぐ横で、鉄橋の工事が始まった。

なんとトラス桁橋。

橋の上部側面が三角の組み合わせみたいになってて、よく電車が通ってるやつね。


圧縮レンガの上道アーチ橋だと工事が大変で時間がかかるからって相談されたんだけど、いろんな構造の橋の模型作って渡したら、トラス桁橋が採用された。


採用理由聞いてびっくり。

平原で作っちゃってから押し出して渓谷に掛けられるからだって。

なんて無茶な工事計画…。

押し出す時は、見物客のふりしてこっそり魔法で手伝ってくれって、最初から私が当てにされてたよ。

まあ、事故なんて見たくないから手伝うけどさぁ…。


街では王都からの正規の自走車作成メンバーも到着して、自走車作りも始まってます。

正規メンバーさんたち、なんと天然ゴムを持って来てくれました。

天然ゴムはだいぶ前からマギ君に頼んでたんだけど、やっと使用に耐えられるのが出来たみたい。

私も別便で結構な量、貰いました。

うん、これでまた色々作れるよ。


自走車づくりは姉妹ちゃんがメインで講師になってるんだけど、姉妹用の自走車も作ってるみたい。

デザインを相談されて、カリ城に出てくるフィ〇ット500っぽいのを描いてみたら、姉妹ちゃん大うけ。

丸み作るの難しいよって言ったんだけど、めっちゃかわいいから絶対作るって言ってた。

車輪が小さいとへこみに嵌る可能性あることも話したんだけど、万一嵌っても魔法で何とかするからデザイン優先だって。


めっちゃ楽しそうな姉妹を見て、私ももう一台作りたくなっちゃった。

かける君は冬用にして、夏用はス〇ル360っぽいのとかいいかも。

でも、私とネージュの移動なら、キックボードって手もあるな。

いっそのことスノーバイクを少し浮かせれば、乗り心地いいし接地面での摩耗も無いな。

でも、浮かせるとソード君に怒られるかな。


うーん、ソード君の余暇のために封印してた制作意欲がむくむくしてきたぞ。

キックボードくらいなら大丈夫かな?

おっと、今日は両親のお墓、雪かきしいに行くんだった。

四ヶ月以上雪に埋もれてたから、しっかりきれいにしてこなきゃね。

ネージュ、お墓参り行くよ―。


ネージュを肩に載せ、スノーバイクで両親のお墓にやってきました。

うん、結構雪が残ってるね。

では、雪かき開始。それー。

お、ネージュもお手伝いしてくれるの。偉いぞ―。



雪かき終わった。早いな。

私とネージュがいたら、重機要らないんじゃないかな。

よしネージュ、お墓掃除してお参りしようね。


お墓参りを終え、お昼を食べてからしばしまったり。

あ、ネージュはお散歩行くの?気を付けてねー。


うず。

うずうずうず。

だめだ。一人になっちゃったら今まで我慢してた分、ものづくり欲求が抑えられない。


………

……


ソード君すまん!

エアボード、出来ちゃった。てへぺろ!


いや、最初はキックボード(自走式)作ったんだよ。

でも、未舗装の道だと乗り心地が悪いんだよ。

それで緩衝機構を色々考えてて、エアクッション作ろうとしたの。

天然ゴムで細長いゴムボール作っていろいろ試したんだけど、実験中に何度も破裂しちゃった。


エアシリンダも作っては見たけど、気密性がいまいちでクッション効果が薄かったし。

いっそのことホバークラフトにしてみるかと考え、送風の変換水晶取り付けてみたんだけど、パワー不足で浮かなかった。


で、魔法で圧縮した空気層を作ってみた。

これがびっくり。

透明なビーチボールみたいなのが出来た。

見えないけど、押すとポヨンポヨンした感触があるんだよ。


当然のごとく、いっぱい実験してみた。

結果、圧縮空気層の形状、圧力は任意に変更可能。

大きさも魔力量次第で増減可能だった。


この魔法、魔道具化したらマットレス代わりになるな。

座布団みたいな形状をイメージして、足裏から魔法を発動したら浮けた。

自分では柔らかいクッションに乗ってる感じだけど、見た目は浮いてる。


で、自走式キックボードに乗って魔法使ってみた。

魔法の発動位置と大きさ、方向の調整は慣れが必要だけど、これは使える。

かなりクッション性が高いし、スノーバイクでジャンプした時より操作性がいい。

まあ、見えないクッションで接地してるんだから、操作性が安定するのも当然か。

少しだけ浮かせて走行すれば、ぱっと見は普通のキックボードだ。

にしし、これなら街に乗って行けるぞ。

あ、ネージュ、おかえりー。


翌日、昨日のキックボードづくりでものづくり欲求が再燃してしまい、日課の後で工房建築始めてしまった。


まずは建築予定地の除雪。

さっくっと終わりました。

下の段に雪を落としただけだからね。


予定地横の崖の中、事前に堀り進めてあった資材置き場からレンガを運び出します。

予定地に円形に並べ、下方向に圧縮しながら結合します。

直径15mの円形。これで地盤工事は完成。


次に作るのは、なんと円錐状の屋根。

いや、屋根無いと雨の日作業できないし、中が濡れるじゃん。

だから最初に屋根を作って、中心の煙突部と外壁を嵩上げしながら建てるの。

まるでたけのこのように、建物が成長していくんだよ。

え?ソード君の鉄橋工事計画とどっこいどっこい?

うん、そうかもしんない。


「みゃーん!!」


あ、ネージュさんお昼ですね。はいはい、すぐ作りますよー。

傘みたいな屋根の構造材作ってたら、お昼過ぎてたみたい。ネージュに叱られてしまった。


サクッと昼食、サクッと作業再開。

まったり休憩がない?だって作りたいんだもん。


夕方までかかって、なんとか屋根は出来た。

レンガを変形させて屋根材にして、一枚づつ貼り付けるのに時間取られたんだよね。

途中からネージュが屋根材作ってくれなかったら、一日じゃ終わらなかったな。

ネージュ、ありがとね。




翌日は日課済んだらソード商会へ。

ポーション納品したら、丸太注文です。

いや、発作的に工房づくり始めちゃったから、木材足りないんだよ。


どうせ雪があるうちは注文しても納品されないからと、計画では工房づくりは、もう半月ほど後の予定だったんだ。

しかもネージュと私、作業効率がとんでもないことになってるから、早く木材来ないと床と内壁が張れなくて工事がストップしちゃう。


「お、丁度いいな。うちの倉庫の木材、三十本くらい持ってってくれ。自走車のシャーシ置き場に困ってたんだ」

「ソード君、いきなりだね。お出かけ?」

「いや、執務室にいたらお嬢が来たの分かったから降りてきた」

「おお!魔力感知もうまくなってるね」

「まだまだ範囲が狭いけどな」

「使ってるうちにどんどん広がるから、もっと便利になるよ」

「おお。それで、丸太はどうする?」

「欲しいけど、自走車の上モノの材料はいいの?」

「自走車の注文がとんでもない量になってるから、下部構造だけ作って納品して、後は相手が好きに上モノを取り付けてもらうことにしたんだ」

「なるほど、座席部分は箱馬車作ってるところでなんとかなるか」

「デザインが気に入らないって言われなくて済むしな」

「それもそうだね。丸太は欲しいんだけど平原の雪がだいぶ融けちゃったから、かける君に重量物は載せられないんだよね」

「ん?雪がないとまずいのか?定期便はまだ雪上車だぞ」

「地面だと摩擦が大きくて、すぐにスキー板が減っちゃうんだよ」

「げ、早いとこ自走車に替えないとまずいな」

「うん、替えるまではスキー板はしっかり点検してね」

「おう、わかった。…それじゃあ、丸太は有料配達するぞ」

「有料は当然だけど、配達してもらえるの?」

「去年出稼ぎに来てた奴らが雪解けで戻って来だしてるんだ。まだ仕事割り振ってないから丁度いいぞ」

「おお、助かるよ。じゃあ、お願いするよ」

「あの、でっかいトンガリ帽子みたいなとこにか?」

「あそこまでは道がないから、トンガリ帽子の下の平原まででいいよ」

「了解。手配しとく」

「うん、ありがとう」


ラッキー、丸太ちゃんが予想外に早く手に入りそう。

これで工事を止めなくて済むね。


おうちに戻って昼食摂ったら、さっそく基礎づくり。

基礎は積雪対策で1m上げます。

東の庭の地下を拡張した時に石が大量に出たので、その石を使って基礎づくり。


まずは屋根を持ち上げて、基礎部の四箇所だけ積み上げて屋根を載せ、浮かせた状態にします。

この屋根、多分十トンくらいあると思うけど、割と楽に持ち上がっちゃうんだよね。

私、ほんと重機並みになっちゃったね。

次に円形に石を並べ、隙間はレンガを変形させて埋めます。

基礎部分なので空間断熱構造にはせずに、厚さ30cmの一枚構造です。


続いては、大黒柱代わりの煙突部の基礎。

これも石とレンガで固めます。

直径1m、中身も詰まってます。


基礎部が出来たら今度は一階の外壁。

これも四箇所を先に積み上げ、屋根の支えにします。

あとはアーチ式の玄関部を作り、外壁の高圧縮レンガを並べて融着させて行きます。

次はセンターの煙突。

こちらも高圧縮レンガで作っていきます。


一階の半分くらいまで外壁が出来たところで、本日の作業は終了です。

夕方までは少し間があるけど、もう脚立じゃ届かないんだよ。

かと言って、一階の床を張るには時間が足りない。

ネージュに怒られないうちに作業終了しよう。

ネージュ、おうち帰ろう。

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