第4話 改正された過去



追っ手を全て片付けた大男がノロノロと動いている。


「バッテリーが限界領域です。初期状態に戻りスリープモードのに入ります…ピガー」


そう言うと再び両手を広げた状態で道に立ち塞がると、それから二度と動く事はなくなった。



そんな大男の背から、小さな何かが空へと昇って飛んでゆく。


その戻ってきた小さな機械を回収しながら、男はのんびりとした口調で話し出す。




うーん…とりあえずやってみたものの、これはどうだろうね?。


人の気配がないので大丈夫だと思うが、明らかに死体が暴れまわっただけだね…いわゆるゾンビパニックだな!。


でも、こんな場所なら誰が見てるわけでもないし、問題になる事はないと思うが、これを人前で大っぴらにやるのは問題があるかもしれないね。


とりあえずいいデータは取れたので、私は元の時代に戻るとするよ。


これをもとに、より良い歴史への介入を探っていく事を約束しよう。


あっそれと、私とここで会った事は必ず内緒にしてくれよ?。



お?、下から新しいジェームスがやって来た様だね。


君も彼と一緒に天へと昇って行ってはどうだい?。


こんなところでぼんやり見ているだけというのは、なかなかに退屈だろう?。


それでは、また機会があったら会おう、えーっと…ボブ!。




好き勝手言うだけ言うと、その飛行機とは明らかに違う不思議な乗り物に乗った男は、フッと姿を消し、そこにはしんしんと降る雪の音だけが響いていた。

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