第3話 繋ぐ繋がる

 披露宴が始まると呼んだ友達や親と話しながら時間はゆるりと進んでいった。

「あっ、お義父さん、お義母さん。」

「よっ、久しぶり〜仁也くん。」

「久しぶりね〜仁也くん。元気?後、娘が迷惑かけてない?」

「いや、カエデは何も迷惑なんてかけてませんよ。むしろ僕の方がかけてるかもしれないですしね・・・。」

と、少しだけ僕は遠い目で空笑を見せると

「いやいや!そんなことねぇだろ!お前さんはしっかりもんだ。あのカエデが唯一認めた男だ!俺らは迷惑かけてるなんて思わねぇよがハハッ!!」

と、お義父さんは豪快に笑い飛ばしてくれた時僕は少しだけ自信を取り戻せた気がした。


 「ふふっ!」

「どうしたの?カエデ?」

「いやさ、高校の時の仁也はもう少し根暗だったな〜って」

「ちょ!?いきなり何言っちゃってんの?」

「おまけにコミュ障でね〜碌に会話もできなかったよね」

「・・・少し言い過ぎじゃ無い?」

「あはは〜ごめんね〜・・・でも今は・・・」

と言って彼女は

「昔から仁也のことを1番に愛してるよ。」

「っ!?!?」

僕は声にならない叫びで悶えて顔を俯いた。


 そして、披露宴はゆっくりと流れてブーケトスのために僕たちは式場の外に向かうためにお色直しをして外へ繋がる扉で落ち合った。

「いよいよ、これが最後かぁ〜」

「そうだね。意外に早かったね。」

「私としてはもう少しだけ長く続いて欲しかったな結婚式。」

「僕も、この時間が長く続いたらな〜なんて思うよ。」

そんな会話だけが今、続いていって僕たちの最後のブーケトスへの扉が開く。

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