第2話 超えた先

「優真、何かな?」


君がこちらを向いて言ってきた。

その表情は少し微笑んでいるように見えた。


「僕は...僕はずっと君のことが...ずっとずっと羽奈のことが...!好きでした!!!」


目をつぶって恥ずかしながらも全力で僕に今ある精一杯の思いを伝えた。


「優真はすっごく成長したんだね!!!」


その言葉に涙が出そうになったがこらえた。


あまりにも感慨深い言葉で、とても重みを感じる言葉で...


だけどすごく報われた。


ずっと追いかけてきた君に言ってもらえることができてうれしかった。


そして弱かった自分から抜け出せたような気がした。


今まで自分の前に立ちはだかる壁から何度も何度も逃げてきた。

逃げて逃げて逃げて逃げて運命から避けようとしてきた。

けど今はもう、そんなんじゃない

僕は前を向くんだ。向けたんだ...!!!!


「君のおかげだよ、ありがとう」


僕は笑顔でそう答えた。


すると彼女の瞳から涙が流れていた。

それはとても尊くて美しいものだった。




「優真!私もずっとずっとあなたのことが大好きでした!!!」




そう言ってくれた。



あぁなんて幸せなんだ。


僕がこんなに幸せになっていいのだろうか


嬉しくて仕方がなかった。


そして気が付いたら足が動いていた。


僕は彼女のほうに駆け寄り抱き着いた。



「く、苦しいよ..!優真!!」


「ご、ごめん。嬉しくてつい......」


「私ずっとずっと待ってたんだよ...!!!優真がいつ振り向いてくれるかなって!!私ずっと!!」


「ごめん、遅くなって、今まで勇気が出なかったんだ。君との関係が崩れてしまうんじゃないかって怖くてずっと言えなかった。けど、その勇気を君がくれた。だから僕は今ここにいるんだ。ありがとう」


「こちらこそありがとう...!!!ずっと思っていてくれて...!!」


そして離れてしまった距離をもう一度近づけた。


手を握ったとき君の暖かさを、優しさを感じた。



「これからもよろしくね!!優真!!!」



「僕のほうこそよろしくお願いします。」



「じゃあ!!帰ろっか!!」




僕は運命との死闘の末に勝利することができた。


これが最初で最後の一番長く感じた5分間だろう。


そして一番嬉しくて幸せな5分だ。



そしてこの先の新しい未来が僕を照らす



この先喧嘩や食い違いがいろいろ起きるかもしれない。


何が起こるかなんて分かりやしない。


けど僕は君を思い続けると誓うよ



どんな時でもどんなとこでもすぐに駆け付ける。



君が僕にしてくれた優しさを


今度は僕が君に返すよ






僕は君のことが







羽奈のことが大好きです!!











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君と僕との恋心 立花レイ @coppepan

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