君と僕との恋心
立花レイ
第1話 緊張と勇気の5分間
今日、僕はずっと好きだった人に告白をする。
この思いを、今までの思いをすべてぶつける。
5分後に...
僕と君は昔からの腐れ縁 幼馴染だ。
小さい頃から一緒に遊んだりご飯食べたりいろんなことをしてきた。
そして物心がついたときにはもう君を追いかけていた。
好きだと気が付いたのは中学生に入ったころだった。
あまりクラスになじめていない僕に君はいつも手を差し伸べてくれていた。
ある日、調べ学習をすることになった。
そしてそれは二人以上で調べ事しなければいけないという条件付きだった。
いつも一人だった僕は誰にも相手をされずグループになってくれる人がいなかった。
それも当然。話したこともない人とグループなんかなりたくないだろう。
僕だってそうだ。なりたくないとまではいかないけど何を話したらいいのか分からないし、それどころか緊張してしまってまともにコミュニケーションがとることができない。
僕は君のほうへ視線をおくった。
すると目が合ってしまった。
君は僕のことを心配して見ていてくれていた。
そして近寄ってきて言ってきた
「一緒なろう!まだ決まってないでしょ?」
僕は罪悪感に襲われた。
君はすでにグループを作っていた。
それを僕は引き離してしまった。
君は優しいから。
優しいから僕を放ってはおけなかったんだ。本当は友達となりたかっただろうに..
僕がこんな性格だから。僕が弱いから。
だから僕は君に言った。
「心配しなくていいよ、自分で何とかするから。それにもうグループ決まってるでしょ?友達に悪いからいいよ」
僕は君から逃げるようにそう言って離れようとした....
しかし...
君は僕の手を握り...
「まってよ...!!誰が一番優真のこと知ってると思ってるの...?やることなんか分かってるよ...!!!」
僕は何も言い返すことができなかった。
そう。僕はこういったグループ関連の授業の時はいつも休んでいた。
それを君は見込んで言ってきたのだろう。
「優真はさあ...私のことを”自分なんかを気にかけてくれているから申し訳ない”っておもってるでしょ?けどね優真。それは私が好きでやっていることだからさ!!優真がそんなこと思わなくていいんだよ...。私がやりたいだけだから」
「そんなこと......」
「これ以上は話すの禁止!!!それにまた休もうとしてたでしょ!!そんなことしてはいけません!!」
「じゃあどうすれば...!」
「もっと私のこと頼ってよ...優真は困ってること誰にも話さないからいつも一人で抱えてる...優真が人と接するのが苦手なのは知ってる。 だからこそ..私にくらいは言ってほしいな..」
僕はこの言葉に心を奪われた。
この言葉で好きになるのは少し変かもしれない。
けど僕にとっては支えでしかなくてとても嬉しくて
そして胸に響いた。
もうあれから月日がたち5年 僕たちは高校2年生
僕は5年の年月を経て.....
僕は君が好きだ。
優しい君が好きだ。
笑っている君が好きだ。
僕は君のその優しさと笑顔に何度も救われたことがある。
僕が体育の授業で怪我をしてしまったとき、真っ先に来てくれたのは君だった。
僕が風邪をひいてしまったとき、お見舞いに来てくれた。僕が目を覚めた時、いつもそばにいてくれた。
僕が落ち込んでいるとき、励ましてくれたのは君だった。
僕が誕生日の時お祝いしてくれた君、毎年ケーキも買ってきてくれた。
僕がコンテストで賞を獲得したとき僕よりも笑顔で喜んでくれた。
そんな素敵な君をずっとずっと追いかけてきた。
どんな時にでも駆けつけてきてくれた君をずっと...!
ふとした時に君のことを考えてしまう
君だったらどうするんだろう
君とこの店行ってみたい とかいろいろ
そんな君とずっといられたらどんなに幸せなんだろう
ついそんなことを考えてしまう。
君と話しているだけで楽しくて嬉しくてそして心が揺れる
君が僕のことをどう思っているかは分からない
ただの幼馴染かもしれない
ただの友達かもしれない
ただのクラスメイトかもしれない
けど
そうだとしても
僕は君に伝えたい...!!!
怖かった。
僕は怖くて何もできなかった。
僕が思いを伝えることによってこの関係が崩れてしまうんじゃないか、なかったことになってしまうんじゃないかと。
僕は君との関係を壊したくなかった。
僕のせいで崩れてしまったらと思うと勇気が出なくて不安で仕方がなかった。
そして何より自分に自信がないから
だからいつまでたっても成長できなかった。
だけど!その勇気を与えてくれたのは君だった。
ふとした時に君の言葉を思い出した。
勇気がなくてやる前から諦めていた僕にいつも言っていた言葉
「挑戦しないと分かんないよ!」
いつもはあんまり意識していなかったけど今思うととても感慨深い言葉
いつも僕を励ましてくれていたんだと実感する
僕はその時に決めた。
もう迷わないと
自分から逃げたりしないと
弱くて何もできなかった今までの自分から卒業すると
そう決めた。
僕は今から告白をする
この思いを今!君に伝える
君が僕にくれた勇気を
君に送るよ
するとガラガラと教室の扉が開く音がした。
僕は目を閉じ頬を軽く叩いた。
さぁ!運命 !勝負だ!
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