第2話 見知らぬ家



うー、あづいー。布団かけすぎだよー。




ピイーヨ、ピイーヨ、ピロロロロロロロウ



なにこれ、楽器の音?誰かいるの?



でも昨日の部活で疲れてる。まだ

寝かせてね。




なんかやけに布団狭くない? 右に転がったら壁があるよ。あ、左にも。



なんなのよ! もう!



私は目を開けた。すると———ありえないものが目に映った———白い壁だ。いや、今私は仰向けになってるから天井だね。



天井?!


いやいや、幻覚かも。あ、夢か。夢だね。夢、夢。



なんとなく、頬をつねってみた。







ギュッ








イタアアアッッッッ!



こ、これは痛いよ...



これが夢ではないとしたら、やっぱり幻覚なのかな。部活の疲れだ。先生ひどいっ。



ゴンッ


痛っ



え、待って、これがもし幻覚なら目の前の天井には触れないよね。でも、先生を殴ったふりをしたら拳が思いっきり天井にぶつかったんですけど?! (先生、ゴメン!)



混乱した私はとりあえず、この謎の布団....ベッド?から出ることにした。



??んん?


出るとこなくない? 横は低い壁だけど、覗いたら下は床でした。


あ、足元に梯子がある。 



ベッドを降りてみると白い壁の部屋だった。

今私がいたベッドは昔流行っていたと言われる二段ベッド。昔といっても、令和時代ぐらい昔だ。それも、木でできている。


最近はAIの特別な素材で布団やベッドを作りだしたり消したりできる。今の時代できや布を使ったものはない。よっぽどオールドファッション好きの人じゃないとね。


私がいる部屋はなんとも奇妙な部屋で、最近は見ないような素材でできたものや、デザインのものがたくさんあった。


まず、部屋が広い。多分10畳ほど、1Kくらいで、一人が使う部屋としては結構大きい。


そして、置いてあるものが派手だ。二段ベッドの一段目は、ベッドではなくて、机になっている。机には英語の教科書らしきものと一緒に黒いものが芯の木の棒や、プラスチックの棒があった。プラスチックの方は、おそらく’ペン’だろう。これも昔のものだ。’ペン’はたくさんの色のものが布の袋に入っていた。他にも小さなおもちゃや化粧品のようなものが机の上に散らかっていた。


そしてやけに、赤、白、青の組み合わせのものが多かった。



一体、ここは、どこなのだう? 明らかに自分の家とは違う。

誰かがAIを使って悪戯してるとか?



梯子の下にはラグが引いてあって、その横には低い棚がある。


そして部屋には3つドアがあって、一つは他に部屋へ続くものだろう。



いつまでもここにいないで、外に行ってみて、ここがどこか確認してこよう。誰かがいるかもしれない。もしかしたら元の場所ーーー私の部屋ーーーに戻れるかも。



ガチャ。



外には誰もいない。


外と言っても家の中で、前は2、3mほどの廊下、左は短い階段で、廊下の右側にはドアが1つと小さい戸が1つ、左側に1つあった。正面にもドアがある。


どれを開けるか———まるで異世界に迷い込んだファンタジーの主人公みたい———迷う。まあ、とりあえず正面のドアを開けよう。


私はドアの前に行ってゆっくり戸を開けた。残念、誰もいない。洗面台とトイレ、風呂が一緒になっている部屋だった。


小さい戸には日用品もろもろがたくさん入っていた。


右の部屋には大きいベッドで女の人が寝ていた。長い金髪の美人さんだった。なんだか、寝ているのを邪魔しないほうが良い気がしてそっとドアを閉めて、後ろの最後のドアを開けた。


そこにはカーペットの階段があった。登ると二つベッドがあって、幼稚園児くらいの男の子と、男の人が寝ていた。


その部屋はどの部屋よりも一番広かった。壁には大きなクローゼットが3つ、部屋の奥には洗面台とトイレと風呂がある部屋とそっくりな部屋。


窓が2つあって、覗くと綺麗な芝生とそれを囲む数本の大きな木。

木の後ろにある柵の向こうは他のうちの家だろうか、たくさん家が見えた。

中にはピンクや黄色など、少し目立つ家もある。








なんだか見知らぬところに、寝ている間にトリップしてしまったようだ。















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