神なる空想の存在を、秩序の権威とし続ける事の是非

現実のポル・ポト体制を彷彿とさせる独裁国が崩壊の後、プロパガンダの為に「理想郷」で養育されていた女性が、新体制下で迫害を避ける為、かつて粛清された人々の遺体発掘と改葬に従事する。
状況設定がとても興味深い。
そして、体制崩壊で世界の状況や多くの犠牲者の存在を知り、新たな社会に順応しつつも尚、冷めた目で「宗教」を否定する主人公のあり様。
旧共産圏では、弾圧されていた事もあり、伝統的宗教にアイデンティティを見出す者が多いと聞く。一方、旧体制で説かれた無神論を維持し続ける者も少なからずいる様だ。
この作品では、その様な現実の社会情勢を想起させられた。