ごきげんよう!
誰もが涼子様を案じている、そして無茶をさせたくないと思っているし、助けたいとも思ってる。個人として、組織人としての立場が、それぞれせめぎ合うというのは、もう……!
板挟みですよね。
ハッティエンさんが堪らず口にしたように、誰もが彼女を殺したくなんかない。
でも彼らは会社員じゃない、軍人なんですよね。
その職務を考えると、単に危険だから、という理由も簡単には通じない。
彼らもそれぞれ自覚していて、だから苦悩してるんですよね。
それにしても、サム先生、別れたとはいえ想う男の為に矢面に立ってあげるのは格好いい。一度は気心知った相手だからこそ、心情を察してそれとなくアシストしてみせるのは、好い女性だなぁ、格好いいなぁ、と何故だか悔しく思ってしまいました(笑)
作者からの返信
ごきげんよう、海雀さま。
いつもたくさん、丁寧にお読み下さり、温かくお優しい応援やコメントを、本当にありがとうございます。
はい、海雀さまが本当に的確に読み取って下さっている通り、彼等は涼子への愛情、心配と、それぞれの立場、任務のダブルバインドで、それでも軍人としての任務を最優先にしなければならないのでした。
サマンサさんは、医師として涼子の身の安全遠図る事が最優先ですが、同時に軍人でもあるわけで、だからこそ敢えてきつい言葉を投げる事で彼等を救いたいと考えたのだと思います。
けれどサマンサさん自身が、今度はダブルバインドに苦しめられます。
救わなければならない患者は、今も未練を残す昔の男の、恋人。
それでもちゃんと彼を気遣える彼女は、本当に素敵な、大人の女性なんです。
引き続きお楽しみ頂けますなら、こんなに嬉しいことはありません。
ご機嫌よう、お邪魔致します。
軍人と医師、個人と職業人のせめぎ合いが
痛々しいほど相手と、あるいは自身の中で
もんどり打っているのが文字から見えますね。
大人達が怒りをぶつけ合っている場合ではないのに、
それも上手く抑えられないほど。
作者からの返信
ごきげんよう、水棲虫。さま。
いつも丁寧に、じっくりと深くまでお読み下さり、温かくお優しい応援やコメントを本当にありがとうございます。
サムの苦渋の胸の内を察して下さって、本当に嬉しいです。
仰る通り、職務と個人の感情の板挟みで苦しむサムですが、それでも、ハッティエンが同じように板挟みになりつつも職務をゆうせんしなければならない苦しさを、すこしでも解放してあげようと、わざと喧嘩を吹っ掛けた彼女の優しさ。
かえって、艦長さんの方がもう(彼には公式に、直接的には本件には関係がないのです、恋人だと言う個人的理由以外に)弱ってしまっていますよね。
サムはこの後、主役を食う勢いで活躍します。
その活躍は、常に、彼への想いと、涼子への嫉妬と、涼子の心の健康への心配と、自分の職業倫理に雁字搦めになりつつという、苦しい活躍となります。
この物語の登場人物で、実は私が一番好きな人物、それがサムです。
私がこの先、どんな人生を歩もうと、どんな経験を積もうとも、けっしてそうはなれない、素敵な、優しい、大人の女性。
引き続きお楽しみ頂けますならば、こんなに嬉しいことはありません。
それぞれの立場と涼子さんへの想いが交錯していたお話たちでしたね。とても苦しいやり取りでした。
しかし、私が思っていたよりも病状が進んでいてビックリです。確かに思い返せば涼子さんの言動は回を増す毎に怖くなってましたね。
あと一回……あと一回だけでもこれが起きてしまえば…そう思うととても恐ろしいです。今は何とかギリギリの所で持ちこたえている状況ですものね。心配しております。
作者からの返信
ごきげんよう、花音さま。
いつもたくさん、丁寧にじっくりと深くまでお読み下さり、温かくお優しい応援やコメントを、本当にありがとうございます。
仰る通り、周囲の人々の、涼子という個人に対する想いと、それぞれの立場、任務、そして地球を守ると言う重大使命の狭間で、みんなが苦しく圧し潰されそうな中で繰り広げられた会議でした。
涼子は地球で現任務に異動してきた前年4月までは、宇宙で空母に乗って戦っていました。つまり周囲は全て涼子が信頼し、心許せる仲間ばかり。
地球へ戻って来て初めて、顔も知らぬ人々の様々な想いに晒されるようになったわけで、それもあって病状が徐々に悪化、そしてこのロンドンでの一連の事件で急速に限界まで追い詰められた、ということなのでしょう。
任務と立場に雁字搦めだった幹部達も、ようやく重い腰を上げました。
涼子を守る人々と、ストーカー犯(加えて、まだ残っているかもしれないテロ組織)とのチキンレースです。
引き続きお楽しみ頂けますならば、こんなに嬉しいことはありません。
艦長の心の脆さが出てしまいましたねぇ。
立ち直る立ち直らないは別として、艦長って直面している負の局面に「やれやれ」と思うタイプだったんだなぁと意外な一面を見る事ができました。
そりゃあ、サマンサも悪態をつきたくなりますな☆
作者からの返信
ごきげんよう、愛宕さま。
いつもたくさん丁寧に、深くまでお読み下さり、温かな応援やコメントを、本当にありがとうございます。
艦長さんは、社会人、組織に属する中間管理職として、長年の間、ご無理ごもっとも、酸いも甘いも噛分けながら渡ってきた、その意味では世俗の垢に塗れたおじさまとして設定しています。その意味では、ご指摘の通り、厄介ごとは目を瞑ってみなかったことにしたいタイプでもあるんでしょうね。
けれど今回ばかりは、年齢と立場を言い訳にして足踏みしていた涼子との関係を、勇気を振り絞って一歩進めた、その己の行為でやっぱり避けて通れないことを悟ってしまったのだと思います。
その点、職業倫理と恋心のダブルバインドで苦しむサマンサ先生とは似た立場ではあるんでしょうね(苦しみや悲しみ、切なさはサマンサさんの方がもっと厳しいでしょうけれど、だからこそ艦長に腹を立ててしまうのでしょうね)。
ドラマや映画のように、スマートに、クールに動けない、格好の悪い、けれどリアルな社会人が描けていればいいなぁ、なんて思いつつ書いていました。
引き続きお楽しみ頂けますなら、こんなに幸せなことはありません。
編集済
お偉方の苦渋の決断がまた痛々しい。彼らだって涼子さんを失いたくないはず。しかし職務上どうしても彼女を外せない。最終決断に私情を挟まず、事後対策を提案したのはせめてもの慈しみ。誰も彼もが悲しむことになっている。その原因を作った叔父は当然許せませんが、ストーカーというか軍部の裏切り者も許せないですね。
しかし知能犯ですか。彼女の周囲に頭の良さそうな人いたかなと自問自答。全員そこそこ頭は良いと思いますが、そんな変態的な奴はいなかったはず。仮面を被っているのでしょうが、そうだとしても尻尾すらつかめない。どこかにヒントがあったのか、私は何かを見落としてしまったのか……。
作者からの返信
ごきげんよう、悠木さま。
いつもたくさん、丁寧に、深くまでじっくりとお読み下さり、その上で温かい応援やコメント、本当にありがとうございます。
結局、後味の悪い、遣り切れない想いだけが参加者全員の胸に降り積もったような結論。
全員が、それぞれの任務と立場に拠るしかない、プロの職業人としての腹の括り方が問われる会議でした。
ストーカー犯捜査に関してマクラガンさんは一旦預かると仰いましたがどうするつもりなのか、それによって涼子の運命が決まりそうです。
色々と犯人についてご考察頂いて、もう作者としてはこんなに嬉しいことはありません。
仰る通り、涼子の周辺の職場の連中は、統幕本部勤務の幕僚というエリートばかり、全員おつむの方は「デキる」ひとばかり。そう簡単には尻尾は掴ませてくれなさそうで、だから変態っぷりも表面化はしていません。
どうやって犯人を絞り込み、洗い出すのか。
引き続きお楽しみくださいますならば、嬉しい限りです。
編集済
そういえばだいぶ前、涼子さんファンが作ったサイトとかありましたよね。
ここで再び出てくるとは!
そしてサマンサさん。
口が少し悪い彼女も、優しさが滲み出る彼女も、どちらも素敵ですっかりファンになりました。
そんな彼女に、お前はいつも優しかっただなんて。
嬉しいけど複雑な気持ちになっちゃいますね!
見事な人間模様、すごく楽しませてもらっています。
この後も楽しみにしてます♪
作者からの返信
ごきげんよう、中村さま。
いつも丁寧に、深くまで読み込んでくださり、温かく優しい応援、コメントを本当にありがとうございます。
いつもコメントに並ぶ眩しいお言葉から勇気を頂いています。
涼子ファンサイトの件、ご指摘の通りなんです。最初、ファンサイトに掲載された軍事機密漏洩から始まりましたが、この後「誰がファンサイトへ情報を流したのか?」を足掛かりに捜査が進展していくと思います。
サマンサさんへの温かいお気持ち、嬉しいです。
涼子への思い、彼への断ち切れない想い、医師としての矜持、色々なものに挟まれて身動きし辛い中、彼女は職業人としての責任感を燃料にして苦しみながら、今後戦いに身を投じる覚悟のようです。
小野寺さん、そして今の恋人の危機への焦りもあるでしょうが、もう終わった恋だからと言って不用意な発言はサマンサさんにとって蠱惑的な毒、ですよね(いい歳したオッサンなんだから、もっと考えなさい!)。
楽しんで頂けたご様子、ほっとしています。
もしもよろしければ、引き続きお楽しみくださいますよう、よろしくお願いいたします。
本来的には軍隊のように健康な人間でも PTSD を発症するかもしれない仕事には、精神的に問題を抱えている人を入れるべきではないんでしょうね。
とはいえ 解離性同一性障害は本人さえ気づいていないことも多く、事前にストップするのは難しそうです……
作者からの返信
ごきげんよう、綾森さま。
いつもたくさん、丁寧にお読み下さり、温かくお優しい応援やコメントを、本当にありがとうございます。
そうなんです、ご指摘の通り、精神疾患と診断されたら、軍人と言う職業は実際不適格なんです。
ただ、この12年前の状況ではサマンサも診断書を確定させるには至らず、本人も発症することも自覚することもなく、何より戦争中で人手不足と言うことも手伝って(しかも本人が仕事が出来過ぎる)ここまで放置されてきたんですね。
引き続きお楽しみ頂けますなら、こんなに嬉しいことはありません。