006 縋るもの
会議室の外では、暴動が起きようとしていた。
この世界は
その均衡が今、崩れようとしている。
もし、AIがプレイヤーを害なす者、と認識してしまえば、この世界は成り立たなくなってしまう。そもそも望んで
「このままでは、この世界は持たない。」
通信の相手はココロだ。隣でハルカも聞いている。ここはゲームの世界である。どこまでいってもそれは変わらない。強者は正義、そんな古めかしい
すなわち、この世界の統治は強制力を持たない。
それは現実世界の行政が無力であることを物語っていた。現実を突きつけられたかたちとなったココロは、ハルカとともに会議室へ向かう決意をした。おそらく何もできないだろう。しかし、自分たちの愛したこの世界が灰色に染まる、そんな未来など見たくなかった。
会議室では情報の公開を進めるべきだ、という当たり前の結論を得ていた。放り出された閣僚はというと、モンスターの餌食となり、
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