第7話 過去の事情

元カノが現れ

私の想いは何処か複雑で


私の想いが変化しはじめた

今日この頃


正直

好きの一歩手前


だけど彼は

もう一人の私の容姿も


受け入れてくれる……?





「じゃあねーー、蓮霞」

「うんまたね」




ある日の学校帰り、以前に果緒瑠とファーストフード店にいる時、中学校の同級生と再会し、会おうという話になり私達は会う約束を決行した今日。


楽しんで別れた所だ。



夢中になりすぎて辺りは薄暗い。


友達は彼氏の迎えだったり、果緒瑠は親の迎えで各々別行動。


私は一番遠いわりには普通に帰るようにしていたのだ。


学校行く時はいつもの容姿で過ごしたものの友達と会う時は、もう一つの容姿で会う事にしていた。



帰る途中、辺りはもう真っ暗に近かった。


こんなに暗くなるとは油断していた。


私は過去の事があってか怖くて仕方がなかった。


とにかく足早に帰る私。


要約マンションに帰りつきドアが閉まるエレベーターに乗り込む。



「うわっ! ビックリしたっ!」

「……玲……」

「蓮霞?……どうし……」

「ごめん……」

「何かあったのか?」

「…ううん……過去にちょっと怖い事あって真っ暗な夜道が苦手で……怖くて仕方がなかっ……」



フワリと抱きしめられた。


ドキン



「…大丈夫か?」

「…玲…うん…」



私は玲を抱きしめ返した。



「もう大丈夫だから」

「…うん…」


「それより……蓮霞、1つ聞いて良い?」

「何?」

「何で俺以外の前にその姿なんだよ!」

「えっ? あっ! こ、これは…」



私は玲を押し退けるように抱きしめあっていた私達は離れた。



「………………」


「朝、お前、お下げしてたじゃん!」

「それは……」

「もしかして男?」

「違うから! 今日、果緒瑠と中学校の友達と会う約束してて……」


「うん」

「友達がこの容姿しか知らなくて」

「だから、その姿なわけ?」

「うん」


「男と会っていたとかじゃないよな?」

「それは違うから!」

「じゃあ許す!」

「えっ?」


「俺以外の前でその姿はしてほしくないし!」

「…玲…」



≪玲…独占欲…強いのかな…?≫

≪ここまで好かれていると安心して……≫



エレベーターが私達の降りる階に到着し私達は自分達の部屋に移動する。



≪玲なら……≫

≪……ううん……玲しか…≫




「じゃあな」

「うん…」



私は玲の制服の腕の裾をギュッと掴む。



「…蓮霞…?」

「…玲…に…私の過去…」

「えっ…?」

「……話そうと……思う……」

「蓮霞? 無理しなくても…」



私は首を左右に振った。



「…私…玲に……知ってほしい……」

「蓮霞?」

「……玲……が……気になるから……」

「えっ?」

「好きとか嫌いとか……まだ心ん中整理ついてないけど…いずれ話す事になるなら……今…今日話しておこうと思う……」




玲は抱きしめた。



「分かった……色々済ませて蓮霞の部屋に来るから…」


「…うん…」





私は自分の過去を話す事にした。


そして

今の自分の想いを伝えようと決心した。


玲は私のこの容姿が

お気に入りだけどもう一人は……


今の玲の想いは分からないけど


全て受け入れてもらうように…………





しばらくして、玲は私の部屋に訪れた。




「私…中2の時……美人だからって……男騙してんだろうってクラスの男の子達に言われて……襲われそうになって……偶々、先生が来て未遂で終わったんだけど……正直…学校に行くのがしばらく嫌になってて…」



「………………」



「……それから…中3の受験シーズンの時、塾に通っていた私は塾の帰りに襲われそうになって……それ以来……男の子に対する恐怖感と苦手意識が強くて……」


「…だから…眼鏡掛けて……」



私はゆっくり頷いた。



「…そうだったのか…? 悪い…嫌な事……」



私は首を左右に振る。




「…それから…」

「何? まだ何かあったのか?」



私は首を再び左右に振る。



「…私…玲の今の気持ち…聞きたい…」

「蓮霞」

「玲は……眼鏡を掛けていない私が良いんだよね…?」


「………………」


「…ごめん…気にしないで…わざわざ来てくれてありがとう……今…私が玲に言えるのは……玲以外は……多分……受け入れられない気がする。それだけは分かって欲しい」


「分かった。話してくれてサンキュー。おやすみ」


「うん…おやすみ……」




玲は私にキスをすると自分の部屋に戻った。






付き合ってもいない私達に


キスをくれる玲の想いには


どんな想いが隠れているのだろう?








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