第3話 合コン

「蓮霞、友達の紹介で大学生と合コンの話が出てるんだ。行こう!」



と、果緒瑠(かおる)が言ってきた。



「えっ!? ご、合コン!? って……私達まだ高校生……」


「高校生だって合コンするってー。19歳以上だけど、やっぱり彼氏にするなら年上だよ! 車持ちに決まってんじゃん!」


「車持ち……」


「まあ、蓮霞の場合は男の人は苦手かもしれないけど、お願い! 相手見付けろってわけじゃないし、男の人の事を苦手意識とか怖いイメージを少しでも和らいで欲しいから」


「分かった」

「ありがとう! 眼鏡駄目だよ~」

「ええっ!?」

「まあ、無理を承知だから許可はするけど」




そして当日。


盛り上がる合コンの中 ―――




「蓮霞っ! それっ! お酒っ!」

「えっ!?」



果緒瑠が言った時は、すでに遅く飲み干してしまった。



そして再び盛り上がり、私達しばらくして私達はお開きとなった。




その日の夜 ―――


「あー、合コンなんて疲れたぁー」



私はベッドに横になり、そのまま眠りに入った。


そして、ふと目が覚めた私は目を疑った。



「えっ!? 男の子? きゃああっ!」

「うわあぁぁっ!」



床に転ぶ人影。



「ってー何だよっ! つーか誰だよっ! あんたっ!」


「ど、どうして!? あんたこそ人の部屋で何してるわけっ!?」


「人の部屋って……ここ俺の部屋っ!」




「………………」



私は辺りを見渡す。




「ご、ごめんなさいっ!」



慌てて飛び出す。



「あっ! おいっ! 待っ……忘れ……」



パタン



「ビックリしたぁ~……今の……速水じゃん!」



トントン

私の肩を叩く人影。




「どうしよう?……バレたかな? でも……眼鏡掛けてないし……眼鏡……ああっ!」



トントン

再び肩を叩かれる。



「もうっ! 何ですかっ!?」



ドキッ

目の前を何かで視界を塞がれ、すぐに視界から外れたかと思うと……



ドキーッ

キスする寸前の至近距離に速水の顔に驚き胸が大きく跳ねた。


私は数歩後ずさりする。



「あんたの忘れ物だ!」


「あっ! バッグ……そ、それはどうもっ! お騒がせしました! ありがとうございましたっ!」



私は走り去った。



私は近くの公園に来てはベンチに腰をおろし、しばらくして帰るのだった。




数日後。



「はぁぁ~」

「でっけー溜め息」



ビクッ

背後からの突然に声をかけられ驚く私。



「うわっ! ビックリした! 速水 玲っ!」

「フルネームをどうもっ! 津谷 蓮霞!」




≪この前の事バレたかな?≫

≪でも眼鏡掛けてなかったし≫

≪その眼鏡は忘れてるし予備眼鏡あって良かったけど……≫



「なあ! この前すっげーお前にそっくりな女見かけたんだけどさぁ~」




ギクッ



≪一番触れて欲しくない話≫



「へぇー」

「いやマジで。 一瞬お前かと思ったりしたんだけどさぁ~でも眼鏡掛けてなかったんだよなぁ~」

「自分に似てる人は3人いるし!」

「そうだけど」

「第一、この前って言われても私あんたとこの前会ってないし!」


「だよなぁ~でも話し方、お前だったもんなぁ~なあ、お姉さんいたりする」

「お姉さん?いないよ。私ひとりっ子だから」



≪あっ!しまった!お姉さんいるが好都合だったかも……≫




「そっか」

「うん……」


「すっげー……タイプだったのになぁ~……」



私に聞こえるか聞こえないかの声でポツリと言った。




「えっ? 何?」

「いや……同一人物とか?」

「ないっ! だから会ってないっつったじゃん!」


「………………」




≪コイツ……絶っ対! 疑ってる!≫



「速水! 本当に知らないからっ!」

「はいはい。分かりましたよ。津谷 蓮霞さん」



ポンポンと頭をされた。



ドキッ

胸が高鳴る。



「ちょっとっ! 辞めて!」

「何が?」

「そういう頭ポンポンとか」

「えっ?」

「恋人にする様な事は辞めてっつってんの!」



顔をのぞき込む速水。


ドキッ

胸が大きく跳ねる。



「……へぇー……案外可愛い所あるんだな?」

「えっ? か、可愛い?」


「お前の事だから、そんな容姿だし性格上そういう事されると胸が、"きゅんきゅん" しちゃうタイプ?」


「ち、違いますっ!」

「恋愛に程遠そうだもんなぁ~」




私達は騒ぎながら学校に向かうのだった。






















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