第2話 恐怖

「津谷、お前、どれだけの男とヤったの?」

「えっ?」

「そんだけ美人なんだし沢山の男を騙してんだろう?」

「ち、違っ!」



私は走り去った。


彼等二人は私の後を追い私は押し倒された。



「い、嫌ぁっ! 離してっ! 辞めてーっ!」



バッと目を覚まし起き上がる。



「……夢……」



これは、私が中学の2年の時に起こった事件。

この後、先生が来て免れ事件は未遂に終わった。



もし、この時、先生が来なかったら私は大きい傷を負っていたと思う。



私は憂鬱な中、学校へ向かった記憶がある。



だけど、事件は他にもあった。


中学3年の受験シーズン。

私は塾帰りに襲われそうになり何とか逃れ未遂に終わった。



あの時の恐怖は脳裏に度々過る。



それからというもの、男の子への恐怖が相変わらずで、私は恋をしようという気にならない。



「こんな夢……見た後の学校って憂鬱だな……」




私は、ぼんやりとエレベーターに乗る。


閉まり始めるエレベーターの扉。




ガンッ


エレベーターの扉を止める人影。



ビクッ

驚く私。




「あっ……すみません」

「いいえ……げっ!!」

「なっ!」



見覚えある顔。

紛れもなく、この顔はアイツだ。



「な、何故っ!?」

「てめぇこそ何故いるっ!?」

「私はここの階の住人なんですっ!」



背を向ける私。



「俺も同じだ!」


「………………」


「なあ」

「何ですか?」



私は振り向きもせずに返事をする。



グイッと肩を掴まれる。



ビクッ

私は肩が強張る。



「きゃあぁぁっ!」

「な、何だよ!」

「ひ、人の肩を馴れ馴れしく触らないでっ!セクハラよセクハラっ!」


「はあぁぁぁっ!?」

「ふんっ!」

「可愛くねぇー」

「どうせ可愛くないですっ!」


「認めたっ!なあ、そんな事より、お前の名前何?」


「名前? 名前聞いてどうするの?」

「自己紹介位、お互いしあっても良いだろ?」


私達はエレベーターをおりる。



「津谷 蓮霞」

「俺、速水 玲(はやみ れい)ちなみに、15なんだけど」


「同級だね」

「そうか」

「それより私みたいな容姿と一緒にいない方が良いよ」

「えっ?」


「あんたカッコイイんだから不つりあいだし人間疑われるよ」

「別に気にしないけど」

「いや、あんたは良くても私が良くないから」

「えっ?」

「見た目で決められて嫌な目に遭うのは私だから」



「津谷?」

「ごめん……朝から嫌な思いさせて」

「いや……」





好きとか嫌いとか関係なく


ただ仲良くしていただけでとか


見た目で判断されたりとか


それで人生が左右されてしまう





そんな今の私は自分で言うのもおかしいけど美人系で男子から男を騙してると言われた


つまり私のイメージはそういう事なのだろう


高校に入り自分の容姿を隠す為、目は悪くないけど、眼鏡を掛けて、お下げ髪にして真面目そうな雰囲気で存在している。


この容姿も余り良いイメージないかもしれないけど過ごしてみないと分からないから








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