第五章第五話「窮鼠噛猫」

「お怪我は、ありませんか、お嬢さん?」

それは、フリードリヒ2世の魂塊が入った鼠の魔物だった。

壊れたはずの魂塊が、歩のピンチに応え、再び動きはじめたのだ。

鼠の魔物が、無数に増え各都市へ侵攻が開始されたことで、フリードリヒ2世の墓の近くを通りがかった鼠の魔物を器として復活していたのだ。

それに呼応するように、ネロたちも立ち上がる。

「ここは任せましたよ。」

ネロたちに歩を任せると、フリードリヒ2世は、電波塔を駆けおりた。

目指すは、鼠のロボット兵士がいる発電所。


発電所内の警備をする鼠の魔物たちを軽く倒していき、フリードリヒ2世は鼠のロボット兵士と対峙する。

会話から、オリジナルの鼠の魔物を倒したところで、全ての鼠の魔物が倒されるわけではないことを知ったフリードリヒ2世は、その中に、自身の魂塊を入れ込む。

既に、先の戦いでボロボロになっている魂塊……さらに、歩の加護無しでの器の変更……

フリードリヒ2世も、それが上手くいくかどうかは賭けだったが、その勝負に勝ち、鼠のコアはフリードリヒ2世の管理下に落ちた。

残った鼠の魔物たちは、フリードリヒ2世の命令に従い、近くの発電所に戻っていった。


残るロボット兵士の数は、二十八体。

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