第五章第四話「乱世英雄」
虎とライオンのコアを入れたネロ、
龍とトカゲのコアを入れたドレーク、
鳥とザリガニのコアを入れたチンギスハン、
魔物の力をも使いこなすこの三人を持ってしても、
鼠の魔物を倒すことはできなかった。
いや、一個体を倒すことはできたのだ。
鼠のロボット兵士は、それほど高い戦力を持っていたわけではない。
ただ、見つけ出すのに時間をかけすぎた。
その戦力から考えても、一番最初に倒すべき相手だった。
鼠の魔物は、その特性として、エネルギーを得れば、その分だけで分身を作り出せる。
そもそも、文明が滅んだというのに、電力供給がされている点で気付くべきだった。
鼠のロボット兵士は、自身の分身を各地の発電所に繋げ、その稼働を継続していたのだ。
倒しても倒しても、次々と襲いくる鼠の魔物たち……
鼠のコアを持つオリジナル個体がいると思われる発電所を見つけたはいいが、
ネロたちの披露もはげしく、その近くの電波塔の上で立ち往生するしかなかった。
ゆっくりと、歩たちのもとに上がってくる鼠の魔物たち……
展望台よりさらに上に登ろうとするが、ついに鼠の魔物がそれに追い付く。
鼠の魔物たちの一体が、歩の足を掴んだそのとき、鼠の魔物の別個体がそれを投げ飛ばした。
他の鼠の魔物たちに当たりながら堕ちていく鼠の魔物……
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