第一章第七話「亀甲獣骨」

亀のロボット兵士は、歩(アユム)の懐中電灯により憑依していた亀の魔物が目を眩ましてしまい、亀ヶ城の石垣を掴みながら、歩(アユム)を探している。

元々、この亀の魔物は、地球の亀と同じで視野が狭い。

その上で目を眩ませられては、亀のロボット兵士としては、闇の中を手探りで歩いているようなものなのだろう。

だが、歩(アユム)としても決定打が無い。石垣を崩してみても、その頑丈な装甲から傷1つ付ける事もできない。


そんな中、歩(アユム)は、倒れたロボット兵士に躓き倒れてしまう。そこには、オレンジ色の文字で06と書かれていた。

「亀のロボット兵士との内輪揉めで倒された」と推測した歩(アユム)は、迫る亀のロボット兵士から逃れるため、そのナンバー06のロボット兵士の中に魂塊(コンカイ)を入れた。

その魂塊(コンカイ)の中に入っていたのは、フリードリヒ2世の魂。

「ここは……そうか!久しぶりの現世か、お嬢さん、君が新しい主というわけか……実に素晴らしい!!私は、これにより新たな生を満喫できる。」

フリードリヒ2世は、視界を失った亀のロボット兵士に近付くと、ぬるりと手を伸ばし、関節技のような技で締め上げ、その四肢を破壊した。




・フリードリヒ2世(1194年 - 1250年)

ホーエンシュタウフェン朝第3代ローマ皇帝。生物学・薬学・科学・錬金術・芸術・文学・天文学など、その知識欲には底が無く、ローマ皇帝でありながら他宗教に関しても寛容な姿勢を示していたとされている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る