第4話 葵さんの初恋

高校1年の冬。


雨が強いある日。


私はいつも通り高凪高校に登校していた。


「おはよぉ〜」


「おはよぉ〜♪」


中学生が傘をさして前を通っていった。


同じような制服。


高凪学校は中学と高校が一緒なのだ。


前の中学生は男女で、多分カップルだ。


私は友達はまあまあ多い。


勉強も運動も悪くはない。


いわゆる陽キャというやつだ。


ただ、私は...


私は...


恋をしたことがないのだ。


(私の運命の人はどこにいるんだろ〜?)


そんな事を考えていたその時。


ビシャーン!!


少し離れた所で大きな音が鳴った。


(大丈夫かな...)


10秒ぐらい見つめていた。


でも、その子はいつまで経っても立ち上がらない。


(もしかして頭をうって意識を失ってる!?)


そう思う頃にもう体は動いていた。


「大丈夫!?」


そこには超タイプな中学生の男の子が雨に打たれて倒れていた。


これが、葵さんの初恋だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る