33 ムツゴロウ型メカローバー バルバロッサ

<登場メカ>


ムツゴロウ型メカローバー バルバロッサ


<登場回>


第33話 海賊に明日はない


<舞台>


ポルトガル・リスボン ベレンの塔


<お宝>


海賊船の財宝


<解説>


 舞台はポルトガルのリスボン、大航海時代の海賊の財宝探しです。


 リスボンは当時、世界への航海のスタート地点だったんだとか。


 教科書で習ったような気がしますね。


 ぼう麦わらの船長もここから巣立ったのでしょうか(え?)


   *


 メカローバーはなんとムツゴロウ型です。


 スズキもく・ハゼ科に分類される魚の一種で、しおの引いた干潟ひがた生息せいそくすることで知られています。


 日本では有明海や八代海で見ることができます。


 調べた限りでは、ヨーロッパにも生息しているかまではわかりませんでしたが、舞台であるテージョ川の流域は砂浜になっているので、引っかけ的に採用したのかもしれません。


 名前の「バルバロッサ」はイタリア語で「赤ひげ」を意味し、神聖ローマ帝国皇帝フリードリヒ1世の蔑称べっしょうとして用いられた言葉として、一般的には知られています。


 しかし調べてみると、バルバロッサと呼ばれた歴史上の人物は複数存在し、今回のストーリーと照らしてみるに、ポルトガルの海賊として悪行あくぎょうの限りを尽くしたオルチ(ウルージ)とハイレッディンのバルバロス兄弟、通称「バルバロッサ兄弟」に由来するのではないかと推測できます。


 こんな某海賊マンガのファンでも知らないようなことを(オイ)勉強することができるのが、このアニメのいいところのひとつですね。


   *


 見た目はけっこうえげつないですが、ムツゴロウの再現度としてはかなりいいように思えます。


 ボディ下部かぶにはつめのついたドラムがしこまれており、これを回転させることで水底みなそこ掘削くっさくすることができます。


 しずんだ海賊船のお宝ということで、ゼロきょうは川の底にそれがあると思い、このしかけで探していた感じです。


 背びれと水かきにハサミのようなカッターがついていて、漁師のしかけたあみに引っかかったりしても、これを使ってスパスパと切りいてしまえます。


 飛び出した目はかなり伸ばすことができ、マイクがついているので音声を拾うことも可能です。


 口は伸縮性があるようで、砂だろうが金銀財宝だろうが、バキュームのように吸い上げてしまえるようです。


 飲み込む映像はキモかわいい(?)感じですね。


 口の中には細長い歯がたくさん生えていて、これをやりのように突き立て、攻撃することもできます。


 見た目はグロテスクですが、機能性という面ではかなり高いと思います。


   *


 今回の冒険は、大航海時代の船乗りの末裔まつえいだという少年ミゲル(CV:藤井あさこさん)のサポートによって進みます。


 バルバロッサに大事な網を破られ、いか心頭しんとうのご様子です。


 「こいつが父ちゃんたちの網を!」「父ちゃん、こいつが網を破ったんだよ!」「こいつだよおっ!」と、確認できただけで三回もバルバロッサを「こいつ」呼ばわりしています。


 漁師のほこりを傷つけられた気持ちはわからなくもないですが、いくらなんでも感情の起伏が激しすぎるキャラです。


 しかしながら、機転は効くタイプのようですね。


 財宝をバルバロッサにネコババされたときも、ゼロ卿に食ってかかったあげく、テージョ川に突き落とされたりしていますし。


 かなりの激情型タイプです。


   *


 ゼロ卿一味はお宝の強奪ごうだつに成功し、バルバロッサで海に逃げようとしたものの、ミゲルとモンタナのバッテリーで大量の「浮き」を口の中に放り込まれ、潜水せんすいが不可能になってしまいます。


 「給水口に何かつまっとる」と騒ぐニトロ博士に対し、「つまらん言い訳を!」とか叫んでしまうゼロ卿。


 何気なにげに今回は、ギャグやコメディの要素が強いですね。


 モンタナがオペラ調で歌う「すぱすぱすぱスパゲ~ッティ~!」や、スリムが水中でハッチを開けてしまうシーン、スラムの適当な(?)ジェスチャーをたやすく解読してしまうゼロ卿など。


 結局最後は、モンタナから頭をモリで突かれ、爆発してリタイアとなりました。


 毎度のパターンですが、もろいメカですね(汗)


 デザインはユニークですが機能性はあり、メカローバーの中では傑作けっさくなほうかもしれません。


 このあたりはしばらく脚本も安定していて、物語として単純に楽しめます。


 今回も読んでくださり、ありがとうございます。


 次回はドラキュラ伝説にまつわる冒険になります。


 わたしに流れるヴラドの血が騒ぎます(はい?)


 ぜひお楽しみに。


 それでは失礼いたします。

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