中−42  イサムの回想6 三回目勇者


「ごはんですよ?」

とメフィが2人分の昼定食を持ってきてくれた。

なので食う。


「なんか時間経つの早くね?」俺

「そーですね、、なんででしょうかね?」



物語が佳境に入るところだったんで、俺は飯を食いながら続ける。




「ただ、それらの国は結構強さの差はなかったんだよ。最初はそれがそこそこ有利に働いた。わかるか?」

「敵側がまとまれていない?」翔太

「うん当たりだ。ソコから分裂行動させりゃ、各個分断できるんじゃないか?ってな、俺らも思った。で、やった。」

・・・


「そうだな、、最初はうまくいっていたんだ。


ーー


「俺は大将になっているやつをやりに行ってくる。」俺

リーダーのジョンが心配顔で、、

「お前一人で、か?、、」

でも、他のメンバーも一緒に行けば、必ず足手まといに成るとわかってるので、それ以上言えない。


魔法使いのアッコも、ジョンに寄り添って、、悔しくて唇を噛み締めていた。なにも言えない・できない自分にくやしいのだ。

タンクのユーソも目を伏せていた。手をぐっと握りしめて。

魔法剣士のユーリ、、何かを言おう、と口を開くが、言うべき言葉がなく、そのまま、、、


「だいじょうぶ、俺はやられない。

お前たち、知っているだろ?俺の転移と、瞬間移動。そして、剣と魔法の強さを。」


「ああ、、でも、、お前は、、情けに弱い、、それを断てる者が一緒に居ないと、、、けど、、誰かが行くと、、逆に人質に取られるだろう、、足手まといでしか無い、、」ジョン


敵はかなり迫っている。冒険者たちに防御の魔法を付与しているが、多勢に無勢、、押されっぱなし。

無理せず、ある程度で必ず退却しろ、後は俺達の出番だから!」と冒険者軍団には言ってある。なので戦没者を出す無理はしないだろうとは思うのだが、、


「で、だ。

お前ら、

冒険者たちが最終防御線を放棄したら、全員で逃げろ。これは俺からお前たちへのお願いであり、

俺からの、初めての命令だ。リーダーはジョンだが、、わかるよな?」


コクリと頷くジョン。


ーー


俺は、総指揮官、その参謀陣全員、そして各軍の指揮官とその側近達を皆屠った。さほど難しくはなかったが、10万の軍勢、なかなか把握するのに時間がかかった。

その間に、敵軍の尖兵達は俺らの国の王都の城壁を破壊し始め、一部が内部に入り込み始めていた。


ほぼ全ての指揮官達を倒したので、とりあえず防壁を守ろうと戻ると、、、


「おい勇者!こいつを助けたかったら・・

所在がわからなかった残り1人の指揮官。最前線にいたとは、サーチ範囲にさえしていなかった、、俺の失敗だった。


人質にされ、首に刃を突きつけらているのはアッコ。ジョンは足下に転がっている。身動きしていない。


「・・・わかった、、だからもう、てだしするな、、殺傷するな、、いいな?」

俺は城門の下に瞬間移動し、兵に捕縛された。


「わっはっはっは!!見たかっ!!勇者がなんだ!!俺のほうが、、こうよ!!

アッコの首が飛んだ

ズバッツ!!!


俺の中で爆発した。



それで、俺は死んだ。

剣の音は確かに後から聞こえた。そのときにはもう爆発していた。

多分、、俺達の国も、その周辺諸国も、もしかしたら、あの世界全てが爆発に巻き込まれたろう。


天界に戻された俺は、もうその世界を見る気がせず、時間が過ぎ去った。

やっと幾分復活し、その世界を、俺達の他の仲間がどうなったか見ようとしたら

その世界は消去され無くなっていた。


ーー


「多分、前から敵の密偵が入り込んでいたんじゃないかなぁ、、、迂闊だったよ。

国なんてさっさと明け渡し、あとあと襲っていただけばよかったんだよ、、

皆で逃げればよかったんだ。それだけだったんだ、、

俺らは何を守ろうとしていただろう?

仲間の命だけを守るべきだったんだ、、、」


・・・・・・・・・・・・(翔太)


「さあ、お茶を飲んで気分転換。

今、主様が転生しているように、もとのお仲間も、どっかでもう結婚して孫でもいるかもしれませんよ?」メフィ


「ああ、そうだな、、そうかもな。  だといいなぁ、、」

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