下−01 3人娘武者修行、旅路の始め


3バカ、、もとい、、3人の女性冒険者達は中央王国東の国境沿いの村に居た。主街道からはずれた、国境超えの裏道沿いの寂れた村だった。

足下にはひれ伏した老人、その背後に同様にひれ伏した貧しそうなというか貧しいという形容以外無い村人たち。


困った顔の3人娘。


「とりあえず話だけでも聞こうよ。でなければ何もわからないし、、」C子


で、C子主導でその老人(村長)とその息子(青年。村長の孫。次期村長)から話を聞いた。

あっちゃに飛んではこっちゃに戻って、なのでなかなか要領つかみにくかったが、要は

山賊がこのむらに寄生して、殆ど無い食い物や女をさらっていくのを繰り返されている。もう逃げるための食い物すら無く、、、どうかお助けください。

という定番だった。


どこにでもあるような事に行き当たっただけ。のこと。


「んじゃ、そいつらをぬっころして奴等のものを全てマキあげりゃいいわけね?」C子

なんか納得行かないA。先日悪党の親玉しかできることナシ!とか言われたのが微妙に引っかかった。


「なんか、ムカつく、全員生かしておかねーぞ?一人残らずきっちり殺るからな?討ちもらすなよ?」A子


B子はタカシからいろいろ使える魔法を習っていた。A子C子も一緒だったが、魔法に関して一番真剣なのがB子だった。

なので、教わった事、ほとんどきちんと仕上がっていた。


「サーチ、、、この付近にはいないわね。この村全周囲警戒、、日没から発効。侵入者には即時雷撃で気絶以上。私が命じるまで継続。」

警戒の継続はそれほど魔力食わない。本を読む時にライトを使う方がよほど食う、みたいな。


村人達には日没以降は村に出入りしたら死ぬからね。と念を押した。外部から誰かが来る、帰って来る予定は無いという。


「襲撃はここ2日来なかったので、今晩あたり来るでしょう」と次期村長の青年

ちなみにこの青年はぼっこぼっこだ。顔も原型がないくらいになったままだ。よく生きているよな、くらい。

村の若者、中年の男達で、無事や軽傷は居ない。


日没程なく・・


ぐあわっ!!!


「おい!どうしぐあわっ!!!

ぐあわっ!!ぐあわっ!!!ぐあわっ!!!ぐあわっ!!!ぐあわっ!!!ぐあわっ!!!ぐあわっ!!!ぐあわっ!!!ぐあわっ!!!ぐあわっ!!!ぐあわっ!!!ぐあわっ!!!ぐあわっ!!!ぐあわっ!!!ぐあわっ!!!ぐあわっ!!!ぐあわっ!!!ぐあわっ!!!


・・・・・

「ライト。村とその周囲を広く。」C子


「あれま、、、」

つまさきで蹴ってみる、、目も開けたまま全く動かず、、

呼吸もしていないようだ、胸も全く動いていない


「おーし、全員逝ってるか確認!!少しでも生きてたらその場でトドメさせ。」A子

「え?巣の場所を吐かせなくていいの?」C子

「あ、だいじょうぶ、もう発見してるから。」B子

流石タカシ仕込み。


ざくつ!!、、、ざくっ!!

2匹のみだった。


魔法で全部一箇所に集め、火炎魔法で瞬時に炭すら残さず灰にした。でないと臭いからね。ひとの死骸の燃える臭いって、、、よほど高温でも、、ねぇ?

さすが魔力タンクA子がいるパーティw



転移で巣に行き、拉致被害者の生き残りが居たら保護するつもりだったが、存在しなかった。

なので、その洞穴を埋め、その前に大きな石を置き、**村被害者の墓、と魔法でその石に刻み、

知識の多いC子が祈りを捧げた。


戦利品はしょぼいものしか無かったが、街に持っていって売れば、冬越しの費用くらいはでるだろう、程度。


夜が明けた。3人は村を出る。

出る時、C子は2人に手を出した。

A子、B子、金貨を数枚づつ載せる。C子も、同額足し、次期村長の青年に渡す。

「ヒール、範囲はこの村全体。完全ヒール発動」B子。

今日はもうなにもないだろう、(と思いたい)。だから自分の魔力の半分程度使ってもよかろう?と。


何が起きたか全く理解でいていない村人を放置し、3人は裏街道を東に向かう。

小走りの3人の速度は、早馬並だ。

あの、魔人達の訓練を見て落ち込んだ後、タカシに最も魔力消費の少ない移動法を教えてもらったのだった。


この辺は王都県内ではない。赤豚領でもない。なので警備はされていないのかも知れない。

魔物の森に帰ったら、イサムさんに言わなきゃな、とB子は思った。

「どーせなら、空白になっている地帯やまだ存在している幾つかのクズ領主のとこもどーにかしてよ!!」って。


でも、

メフィストは、これらのことをちゃんと見ていた。

幾つも同時に見続けられるのだ。

怖いよね?ナニしてっときも見られたんだ!とか思うと。

でもイサムは天界から地上は全て見えちゃう、ってのが常識になっているんで、おかしいとも思っていない。

当然だが、メフィストのような能力を持った者達が居る魔人達も、それらを「普通にありえること」と捉えている。


逆に言うと、人だけか?「誰にも見られていいないな?ケケケケ!!」とか思っているのは。



「主様、なんか、あの3人娘が貧乏村を襲っていた盗賊団を全滅させました。」メフィ

「え?そんなの出没しているの?」

「ええ、なんか多そうですよ?良い領主以外の領では。特にまだ生き残っている悪徳領主のとこは」メフィ

・・・・

「わかった、手を打つ」


「あ、メフィ、、どうだろう?あの防衛隊の、王都防衛隊の部分で、この国全土、良い領主の所以外全部カバーできるかなぁ?」

「やり方によって、ですよね」メフィ

「まぁ、、そうか、、、わかった!」

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