第11話 ツバキ油あんこ

天文十四年 正月 棚倉


 「「新年明けまして、おめでとうございまする」」


 南奥州最南端、俺の記憶で言うところの中通り岩城棚倉は旧暦正月。


 うん、めっちゃ寒い。


 年が明けて、天文十四年。僕、今年で八歳となりました。数えでね……。


 「いやいや、去年は色々あったが、今年の正月はこうして心安らかに棚倉の澄酒が飲めるとは有り難いことだ。はっはっは!」


 今年の宴でも晴宗殿は絶好調である。


 時候の挨拶毎、結構な頻度で父上から澄酒は送られている筈なんだけれども、もしかして晴宗殿の手元まで届かないとか?……まさかね。


 ……って、まさかって言うほどでもないか?

 一応は、去年、一昨年と二回も当家の規模からみれば「大戦」と呼べる合戦をした間柄だからなぁ。

 そりゃ、何かしらの贈り物を送ったとしても、途中で誰かが自分の懐に収めちゃうかもね。


 「今年は儂の知らない新顔もおるの。挨拶してくれぬか?」


 伊達の新当主様は相変わらずの傍若無人っぷりを発揮中だ。

 上座を作らない、円座方式での宴だからと言って、一応の接待役は父上だぞ?酒乱当主はるむね殿。


 「ははは。それでは、伊達様にご紹介していただけますでしょうか?信濃守様」

 「うむ。伊達殿、こちらは黒羽の小栗重義おぐりしげよし殿で那須における那珂川の水運を束ねておられる方です」

 「そうかそうか、はじめてお目にかかる小栗殿。して小栗というと常陸の出かな?」


 さすがは名家の当主。

 周辺豪族の有名どころは抑えているようだね。


 「左様にございます。お恥ずかしながら、先だっての白河攻めを企図しました那須家臣、大田原資清おおたわらすけきよに討たれました大関増次おおぜきますつぐの弟でございます。私は元服前に常陸の小栗家へ養子に出されておりましたが、此度の仕置きに伴いまして信濃守様から黒羽で水運を束ねるよう申し付かっております」

 「そうか、信濃守殿のお力で兄の旧領に復したわけじゃな」

 「いやいや、土地を頂いたのではなく、水運の管理を任された者でございます」

 「……ほう?」


 晴宗殿にはわかりにくいのかな?


 これは僕の発案なのだけど、土地に縁のあるものを戻すときは所領を与えるのではなく、役職を与え伊藤家から禄を払う方が良いというね。

 中世封建社会から近代国民国家社会への変遷に必要な物と言えば、法律と禁軍と官僚組織、いわゆるフランス近代中央集権化の三大原則ってやつだ。

 この制度のお陰でブルボン朝は周辺諸国に比して十倍近いとも評価される軍の編成を可能とした。

 この考えに近いものをどうやって、今の日本、好機室町時代の日ノ本に適応させるかと考えた時、僕なりの答えとして出てきたのが地方領主や在郷武士の廃止……とまでは行かなくても、主家と直接に俸禄のやり取りをするこの形なんだ。


 既にある程度の規模で領地を持っている大身では難しいかも知れないけれど、当家のように館一つに小さな領地しか持っていないのなら意外と適応できるかな、と爺様に提案してみた。


 昔に、伊織叔父上から、当家には戸籍にあたる人別帖が存在していることを教えて貰ったから、これを拡大活用する形でこの領地運営方法を考えたんだよね。

 重要なことは、徴税を村長や有力在郷武士に肩代わりさせるのではなく、実際に収量管理から納税管理までを当家で行うこと……と言えば大仰に聞こえちゃって、トンデモない作業量が発生するかと思えるだろうけど、本当のところはそうでもない。

 結局、だれが取りまとめ役になろうとも、収量計算はどこかで行われているわけだし、納税計算も誰かが行っているのだ。

 要は、その計算結果と計算者を明記した形で把握しているかどうかが肝なんです!


 つまり、面倒臭いのはこの書類なり、報告書なりを読み、把握し、保管する人間だけなんだよ……えっと……ごめんなさい!伊織叔父上!

 お手数をおかけしております!


 「伊達殿のとなりにおられるのは岩城殿とお見受けするが?」


 父上による小栗殿の紹介が一段落すると、今度は義里殿が話を振ってきた。


 数年前に佐竹と岩城では長期和睦が成立したようだけれど、義里殿にとっては義篤殿の下で長年に渡って常陸から磐城の海沿いの土地を巡って争った敵だ、気にならぬ方がおかしいよね。


 「左様。儂の舅殿。岩城重隆いわきしげたか殿じゃ」

 「岩城左京太夫重隆でござる。此度は婿殿から話に聞く信濃守様と親しくさせていただければと思い、こちらに連れてきていただいた次第。今後よしなにお願いしたい」

 「重隆殿。こちらこそよろしくお願いいたす」


 左京太夫ねぇ……この時代の朝廷官位は朝廷への付け届けの額と相手によって決まるとは知っていたけれど……一体、岩城殿はいくらで左京太夫の名前を買ったのやら。

 前世世界でも、ヨーロッパ貴族の爵位を金出して買う成金とかの話も聞いたもんなぁ。

 どっかの自動車会社の雇われ社長もヴェルサイユ宮殿で再婚披露宴をやってたっけ?

 出席者全員が時代錯誤なかつらを被った集合写真とか笑えたよね。


 ただ、当家でも信濃守は父上の呼称で使ってはいるんだったっけ。

 僕も、何度かは父上を隠し気張って「信濃守様」とか呼んだこともあったような気がする。

 爺様にそのあたりのことを聞いた時には、「伊藤家にとって「信濃守」という呼称は、伊藤信濃守景清の系譜だと自他ともに認められるもの、ただの当主の名前みたいなものなのだが、村衆から武家になった方にはちとわかりにくいものであるのも確かかのぉ」って言ってたっけ……。

 この辺りの武家の感覚というか、矜持っていうのはちょっとわかり難かったりする。

 どちらも官位名なんだけど、結局は他者から与えられた権威に縋るタイプと、出自の証明に使うタイプの二種類があるってことなのかな?


 「これで、佐竹、伊藤、伊達に加え今年は岩城、二階堂、田村と揃った。これで南奥羽は安泰じゃな!あ~はっはっは!」


 ……晴宗殿のなんとも能天気で楽し気なお言葉で座が進んで行くね。

 って、そろそろ僕は中座してもいいかな?

 お酒が進んで来れば、子供の顔出しも終わりでいいだろうからね。


 ……

 …………


 「母上、本日のお身体の具合はいかがでしょうか?」


 僕は酒が進んで大宴会の様相を呈してきた宴を失礼して、大好きな母上の下にやってきていた。


 「ふふ。太郎丸。其方は昨日も同じことを母に聞いてきましたぞ?私はいつも元気ですよ……ほれ、隣で元も呆れていよう……それよりも其方の妹を見てやっておくれ」


 清が産まれて丸一年以上が経ち、明けて二歳となった。

 まだまだ赤ん坊の姿だが、お目々パッチリで姉上に似た美人さんに育つだろう。

 兄としては誇らしい限り。


 「ええ。清も目がくっきりと大きく、きっと母上や姉上のように美しい女性に育つことでしょうね!」


 お世辞ではなく、心からの賛辞を送る。


 流石に戦国期には、平安美人と言われる細目下膨れが美しさの指標とはされていないが、昭和以降の目鼻立ちがくっきりとした顔が美人顔……という概念には未だ至ってはいない。

 至っていないので、この時代ではそこまでの美女との評判はない母上と姉上だけど、この二人を前世の日本へ連れて行ったら大変な騒ぎになるだろうなと思う。

 ここまでのナチュラルボーン美女にお目に掛かったことはそうそうないですよ?


 ぱしっ。


 「変なこと言ってるんじゃないわよ!」


 顔を赤らめてそう言う姉上。

 照れながらも喜んでるな。

 いつもより頭を叩く威力が低い。


 「これ、元。あなたもいい大人なんですから、弟の頭をいちいち叩いてたら駄目でしょう?!」

 「ええぇ~」

 「ええぇ~、じゃありません!」


 ありがとう母上、母上だけなんです。

 姉上の横暴に耐える僕を守ってくれるのは……。


 きゅい、きゅい、きゅ~い、きゅい、きゅい、きゅ~っ。


 遠くに聞こえるのは山鳥の泣き声かな。

 僕たち親子の団らんに混じって、館の裏山より聞こえて来る。


 そう、母上は清を産んでから床に伏せがちになってしまった。

 暖かい日は布団から出られる日もあるが、寒さが感じられる日の秋、冬、春は一日の大半を床で過ごすようになってしまっている。


 「……大丈夫ですよ、太郎丸。今年の冬はあなたが作ってくれた綿入り敷布団と羽毛布団で、寒さを全く感じずに休めるのですから……だから、そんなに心配そうな顔をしないの!いつの世も、母というものは命がけで子を産み、子を育むものなのですからね」

 「……はい」


 いかんな、どうにも心を読まれちゃったのかな?

 母上を心配してたつもりが、逆に心配をかけちゃったよ。


 う~ん、母上の為に何か、もっと、もっとできないだろうか……。


 病気から回復するためには……まずは体力だな。

 栄養満点な食事をとって睡眠をたっぷりとる。

 これが一番有効で、前世のような医学が発展していない今生では、唯一と言っても良いもののはず。


 そう考えると、伊藤家の食事はこの時代の一般武家より遥かに栄養バランスに優れている。


 一般武家の食卓では、たんぱく質が足りない傾向にあるだろうが、当家では獣肉が頻繁に出てくる。

 肉そのものがあまり得意でない母上であっても、鴨の肉でだしを取った雑炊などは大好物だ。

 前世の知恵だが、幼児や体力のない人には鍋のスープを飲ませるのが効果的だと聞いたことがあった。

 そこで、嫡男パワーを使って、勝手所の皆様には、毎回何かしらの鍋の汁で作った羹を母上に出すようにお願いしてある。


 寝具の改善と食事の栄養面……食事睡眠ときた後は何がある?何が出来る?

 健康、保険を題材とした標語とかだと……う~ん?うん?「うがい、手洗い」とかか……?


 お?!

 衛生管理!!

 これは忘れていた!


 清は逆子だったと聞いた。

 逆子の出産は前世の日本でも母体に与えるダメージが大きく、出血量如何では非常に危険なことになると聞いた……。


 そうだよ、出血。傷口。


 この時代は消毒の概念がとても弱い。

 湯を沸かす、清潔な布で傷口をぬぐう。

 その程度で終わりだ。


 そりゃ顕微鏡もないんだ。

 細菌の概念なんてあるわけがない。

……十九世紀のアメリカでも、リンカーンの診察時に銃創を素手で穿り触って診察、なんて話しもあるぐらいだから、この時代の日本では推して知るべし……か。


 ぬかったね!

 食事と睡眠も大事だけど衛生、消毒か……。


 衛生と聞いて思いつくのは……第一に石鹸か。

 日本ではシャボン云々で文献に出て来てたはずだから、南蛮商人が行きかうまで……偉人の噂を聞いたことが無い現状では普及していない。

 たぶん一般に普及するのは江戸……下手したら明治まで待たなきゃ駄目かもしれない。


 次いで消毒。

 こっちで思いつくのは高濃度アルコールだな。

 酒自体はあるから、それに複数蒸留を施すことで、高濃度アルコールを作る形が一番簡単か?

 後は炭でのろ過とか……。


 しかし、一口に蒸留と言っても……うちの領内だけでは原料となる米が足りない。

 言うても、伊藤家は奥州の田舎領主。

 領内ではそれほど潤沢に米なんぞは作れない……こうなりゃ、関東平野をぶんどるか?

 ……っと、流石にそれは実現不可能か。


 さて、何か別のでんぷん成分を取れるものがあれば……前世で高濃度アルコールの原料と言えば、米、麦、トウモロコシ、サトウキビ、サボテン、芋ってところか……。


 よし!ジャガイモならこの時代の東北でも行けるんじゃないか?特に水はけが良い火山灰地の那須高原ならうってつけだ!

 うん。決めた!大田原の特産品はウオッカにしよう!


 原料獲得の為には、南蛮船が来てくれるような港が必要になるのか?

 いや、食料として積んでいるものがあれば、それを奪い取ってでも……。

 いやいや、宣教師が園芸用に持ってきてくれるのを待つ……のは困難か。


 英語とスペイン語なら前世の記憶で残ってる。

 どれだけ覚えているかは微妙なところだが、東北で西欧の言葉に通じたカトリックの布教に寛容な大名家……よし、この路線ならヨーロッパの勢力と誼を通じることも可能なんじゃないか?!


 「太郎丸、あんたなんか怖い顔してるわよ?」


 ……姉上、未来に想いを馳せる少年に向かってそういうことを言ってはいけません。


天文十四年 晩冬 棚倉 伊藤鶴岡斎


 「というわけで、大叔父上!僕には蒸留酒と石鹸が必要なのです!」

 「必要なのです!といわれてものぉ」


 太郎丸は全くもって突飛な童じゃ。

 一体全体どこからその知識が湧いてくるのやら。

 兄上からは気にするだけ阿呆を見るといわれていたが……。


 鉱山の開発をしろ!と言っていたと思ったら、今度は新しい酒と石鹸だと?どちらも確かに昔の大陸の文献に載ってはおったが……。


 傷口を糸で縫ったりする古代の医療法にも、確か消毒とかいう概念は記されておった気がする。

 魏の華佗が使ったといわれておるが、残念ながらその正確な技術はこの日ノ本までには伝わっておらん。


 「とりあえず、文殿の病を治すためにそれらが必要なのはわかった。新たに加わった領地の山々の調査の目処もついたからの、これからはお主の言う、蒸留酒と石鹸づくりに精を出そう!」

 「ありがとうございます!大叔父上!」


 まったく……。


 こやつめ涙を浮かべながら、儂に抱き着いて来おるわ。

 孫が無性にかわいいというのは、こういう気持ちなのかのぉ、兄上。


 「蒸留酒、まずはその器具作りからじゃな。酒には酒精と水が混ざっており、それぞれが湯気になる温度が違うので、酒精だけを酒から取り出すことが可能であると……沸かして、冷やしての金属の管じゃな。よし、金属と言えば景能殿じゃ。近いうちに向か……」

 「明日です!」

 「……明日に向かうぞ」


 太郎丸め、「伊藤家は自分以外のみんながせっかちで困る」などと言っておったが、十分お前もせっかちだぞ?


 「して、石鹸の方じゃが……油と灰汁に少量の塩か。灰汁は山菜を食す時にも使うし、手に入れるのは難しくなかろう。塩も、買い占めをするのでなければ、銭でどうとでもなるし、量も集まろう。なれど、油はそこまで手に入らんぞ?」


どんな油でも貴重だし高価だからの。


 「……買えないのなら作るしかありません!」

 「作るとは……また……ふむ。油の原料は荏胡麻、油菜、椿、魚脂、獣脂あたりかの」

 「魚脂、獣脂は除外しましょう。量が取れません」

 「うむ。わしも同意見じゃ。すると荏胡麻、油菜、椿か……阿武隈の気候じゃと椿じゃが……椿は生育が遅いぞ?」

 「ぐぬぬ。初期は山で採取してくるしかありませぬ。時をかけて椿畑を作りましょう!」


 どこまでも諦めぬ男よ……。


 「では、まず初めに景能殿にお願いして蒸留器具を作ってもらうこと。次に、椿を探して実を収穫してもらうことじゃな?椿の花は今時分に咲いておるから、実の収穫は初夏かの」


 ふぅ。まこと爺扱いの激しいことよ。


 さて、儂一人では人手が全然足りぬな。鎌倉より鶴と亀を呼び寄せるか。

 やつらも混乱しとる鎌倉におるより、こっちの方が住みやすかろうて。


天文十四年 夏 棚倉


 天文十四年は、一年を通して伊藤家は平和だった、と言いたい。


 新しく治めることとなった白河、大田原という白河の関の南北の仕置きと、街道の整備、打ち捨てられた村々の処理など、伊藤家のすべての者が駆けずり回った一年だった、と言いたい。


 僕もあっちこっちに呼ばれて意見を聞かれたり、新たに領地に組み込まれた山地の調査に同行したり……だいぶ忙しなかった記憶、と言いたい。


 ……うん、今年は新たな目標も立てたことだしな、がんばって行くぞ!おう!


 「う~む、酒を熱する火加減が思った以上に難しいわい」

 「冷却管は長い方が良さそうだね~……あと管をもっと細くできる?」

 「おいおい。太郎丸の坊主。勘弁してくれよ。この太さでも儂が自分の手で、時間をかけて作ったやつだぞ?こんなもん量産できるか!」

 「あ~。先は長そうだな~」


 現実は厳しい。


 単式蒸留器の道のりは遠い。

 原理は非常に単純なものなので、一応、アルコール成分の強まった液体は抽出できる。

 だけど、その効率がどうにも悪すぎる。

 今はその効率部分をいかに上げるかを景能の工房で試行錯誤中だ。


 「どうやったらって部分はわかるんだけどよ、その先の部分がどうにも難しいな。坊主の目標は領内に普及できる程度の数量を確保して~、ってんだろ?解決しなきゃならん問題が山積みだぞ……」


 元気が取り柄の景能爺も頭を抱えてる。


 ぱちぱち、じゅっ、じゅわーっ!


 「あ、茄子があがったわよ。竜丸!次は獣肉だして、獣肉」


 ……

 …………


 ここ最近の姉上のブームは揚げ物である。

 ツバキ油の方は結構簡単に搾油できたので、この油を使った揚げ物料理を教えたところ大ハマリしてしまった……カロリー大丈夫なんかい?お嬢様。


 ぱちぱち、じゅっ、じゅわーっ!


 食べるのも好きらしいけれど、揚げているこの瞬間がたまらないらしい……下拵えの助手、というか使いっぱしりは竜丸だ……すまん!我が従弟殿!


 しかし、揚げ物をしていると気分が安らぐか……。

 うん。なるほど。わからん。


 「坊主。こっちも一旦休憩して向こうに合流するか。あんないい匂いさせていたら、俺も腹が減ってたまらねえや、な?」

 「そうだね。僕もお腹が減っちゃったよ~」


 蒸留器の課題は先送りにして、今はとりあえず昼ごはんにしよう。


 今日の工房飯は、握り飯に味噌汁、漬物に揚げ物と素晴らしい献立である。

 前世で揚げ物用の油と言えばキャノーラ、つまりナタネ油だったが、こっちのツバキ油での揚げ物も大変に美味なんだよね!


 とりあえず、ツバキ油の方は安中の集落の中から、搾油してみたい、と手を上げた里で作ってもらっている。

 ツバキの栽培にはまだ取り掛かれていないので、この数年?十年以上?は山から実を取ってきてもらう形となるだろう。

 忠統、忠孝に相談したら、集落の子供たちに小遣い銭を渡して採って来てもらえば、十分な数が採れるだろうと言っていた。


 ……この姉上の揚げ物大好きっ子ぶりを見ても同じことが言えるかな?

 少なくとも、僕は心配なので、来る日に備えて鉢を作ってもらい、挿し木で育ててみるところから始めた。

 館と製紙小屋で三十ずつぐらい!


 ……日々の世話は皆がやってくれている……ごめんね。

 ありがとう。

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