悪の組織から追放された女戦闘員を家で匿ったら……

 悪の組織と正義の味方が日夜戦う、とある世界。


 滝薫(たきかおる)が、その少女と出会ったのは、薄暗い路地裏だった。

 数日前に飼っていた柴犬が行方不明になってしまい、その日もSNSを頼りに探していた。

 しかし、いくら探せど見つからず、代わりに黒いタイツのようなスーツを着た、一人の少女が見つかった。


(こいつ、最近噂のジョーカーの戦闘員じゃないのか!?)


 その特徴的なスーツに見覚えがあった。

 近年、世界各国で驚異的な科学技術を駆使し、地球侵略を企む悪の組織『ジョーカー』

 彼女が着ているのは、そこに所属している戦闘員が着ている制服であった。

 ネットやニュースの映像で観たし、たわわな胸元には、組織のシンボルである『J』の文字が書かれてるし、間違いない。


「な、なんで、ジョーカーの戦闘員がこんなところに!?」


 警察に連絡をすべきだろうか?

 それとも、見なかったフリをする?

 近くに怪人がいるんじゃないか?


 予想外の状況に、様々な考えが浮かび上がり、混乱する薫。

 そんな時、戦闘員が「う……うぅ……」と苦し気に呻き出した。

 よく見たら、身体の至るところに傷跡があった。


(ど、どうしよう……)


 本来なら、然るべき組織に突き出すのが一番良いだろう。

 しかし、薫は例え怪人であっても、怪我人を見捨てる程、薄情者ではなかった。

 悩んだ末、薫は着ていたパーカーを怪人に被せ、カモフラージュしながら、自宅へと背負って帰ることにした。


 帰宅後、妹から「お兄ちゃんがエロい格好させた女の子連れてきた!」と、誤解を招きかねない発言をし、祖父・父・母からしばかれそうになったが、それは置いといて。

 事情を説明し、母に傷ついた少女戦闘員の手当てをお願いする。


「う……ここは……?」

「あ、目を覚ました」


 しばらくして、意識が回復。家族総出で事情を聞くことに。


「実は私、量産型戦闘員の中でも珍しく自我に目覚めて……」


 曰くジョーカーの戦闘員は命令に忠実であることが第一であるため、自我に目覚めた個体は廃棄されるという。彼女も例外ではなく、処分の対象だったが、幸か不幸か、ヒーローが殴り込みをかけ、基地は壊滅。

 運よく五体満足で脱走できたものの、行く宛てもなく途方に暮れていたと言う。


「でも、どうして基地の場所ばれたんだろう? あれかな? SNSにアップしたからかな?」

「絶対それだよ」


 どうやら自我は芽生えても、職業倫理は芽生えなかったようである。

 兎にも角にも、連れてきた手前、放り出す訳にもいかない。

 幸いにも薫含め我が家は全員、お人よし。

 彼女を匿うことに反対する人間はいなかった。


「そう言えば、キミ、名前とかあるの?」

「ない。強いて言えば番号。I―50って呼ばれてた」

「んじゃ『アイコ』で」

「安直」

「やかましい」


 そんなこんなで、戦闘員改めアイコは我が家の一員になった。

 当初、悪の組織の戦闘員ということで、馴染めるかは不安だったが、意外とすんなり馴染んでいった。

 どのくらい馴染んだと言うと――


「薫君、大好き♪」

「そんなこと言って、俺のアイス食べた件と、セーブデータ上書きした件と、映画のネタバレした件を誤魔化そうとしても無駄ですよ?」

「ごめんちゃい」

「まったくもぉ~」


 ……とこれ位である。


 学校にも通うようになり、クラスにも溶け込んでいった。

 親友の赤井列斗(あかいれつと)曰く。


「クールに見えて、意外とお茶目なところがいいんだよなぁ」

「お茶目すぎると思うけど?」

「いやいや、人間茶目っ気は大事だよ? 俺の彼女も普段はクールなんだけど『浮気したら刺しますよ?』って冷凍イカみたいな目で、ナイフ片手に冗談言うくらいにはお茶目だし」

「それをお茶目ですますな!」


 アイコよりも親友が心配になった。

 ともかく、こうして戦闘員と一つ屋根の下で暮らすと言う、とんちんかんにも程がある生活は、特に何の問題もなく過ぎていった。


 だが、平和と言うものは容易く崩れ去るもので……


「薫君、だぁいすき!」

「そんなこと言っても、掃除の時、俺のベッドの下に隠してたエッチな本を机の上に積んだことは許しませんよ? しかもご丁寧にジャンルごとに分けやがって」

「ごめんちゃい」

「まったくもぉ~……ッ!?」


 その日も自宅でいつもの茶番劇を繰り広げていると、突如、商店街の方で爆発音が鳴り響いた。

 慌てて外を見てみると、空中にホログラムが出現。

 黒い軍服を纏ったいかにも悪人のような男が映し出された瞬間、アイコは驚愕した。


「あれはジョーカー大首領!」

「あれが!?」


 敵の大首領の登場に驚きを隠せない中、大首領の演説が始まった。


『愚かな人類よ! 今日、我々が来たのは他でもない! 我らが裏切り者の戦闘員I―50を粛正するために来たのだ!』

「!? 嘘だろ、おい!?」


 たかが一戦闘員に大首領自らが出陣とは、尋常ではない。

 アイコも怯えているのか、肩を震わせる。

 そんな中、大首領の口から驚きの真実が語られる。


『このI-50は戦闘員と言う立場でありながら、我らが基地の情報をSNSに投稿。情報を漏洩させた罪人である‼』

「あー……うん、そう言えばそうだったね……」


 って言うか、そんな話を今さら持ち出されても……

 そんなことを考えていると、さらに驚愕の事実が判明。


『さらには! 大首領の我に対する狼藉の数々! 許されるものではない!』

「狼藉!? なにしたの、この娘!?」

『我が仮眠中に油性マジックで額に『肉』と書いた上、眉毛をごんぶとにし、命令には舌打ち! あまつさえ、我が肖像画をダーツの的にしてやがった!』

「まぁまぁやらかしてた!? なにちょっと、被害者面してんの!?」

「ごめんちゃい」

「まったく、もぉ‼」


 って言うか、そこまでやられたなら、もう少し早く自我の有無に気づけよ。


『おまけに最近では、こやつの影響からチラホラと自我が芽生える戦闘員が増加! 目の前で転職サイトや求人誌を読み漁る者まで現れる始末だ!』

「それは関係なくね?」


「なんかちょいちょい小物臭いな。大首領なのに」と内心ツッコむ。


『故に見せしめに処刑する! SNSでここにいることは判明しているのだ! 隠れてないで出てこい! さもなくな、この街を壊滅させる!』


 流石は悪の大首領と言うべきか、やることが容赦ない。

 このままでは、大量の犠牲者が出かねない。

 しかし……




(そこまで言われて、はいそうですかと渡せる訳ないだろ……!)


 短い間だが、家族として共に過ごしてきたのだ。

 そんな彼女を引き渡して、自分が助かるなどと言う、恥知らずな行動は最初から除外していた。


 なんとか、両方助ける方法はないか。無い知恵を絞る薫。

 しかし、アイコは驚きの行動に出た。


「薫くん、ここでお別れだね……」

「!? なに言ってんだよ!?」

「ごめんね、でもこのままじゃ、みんなに迷惑かけちゃうから……」


 そう言って、彼女はベランダに出て、飛び降りた。


「今まで、楽しかった。思い出をくれてありがとう」

「アイコ!」

「アイス勝手に食べたり、セーブデータ上書きしたり、映画のネタバレしたりしてごめん」

「いや、そんなのどうでもいいから‼」


 それだけ言うと、彼女は大首領の下へと向かってしまった。


「くそ! これでサヨナラなんて言わせないぞ!」


 自己犠牲なんて認めないとばかりに、薫はアイコを止めるべく家を飛び出した。




「はっはっは! 観念して出てきたか! I―50よ!」

「チッ……うるさいなぁ……マジウザいんだけど、死ねよ。このハゲ」

「大首領に向かってなんだその口の利き方は!? って言うか、口悪すぎだろ!」

「はいはい。さーせん」

「どっちかって言うと、お前の方がウザいわ!」


 あっさり、捕まり他の戦闘員に拘束されたアイコ。

 だが、心は屈しておらず、大首領に舐めた態度を取っている。


「もういい! ここで、処刑だ! 言っておくが、逃げられると思ってるんじゃないぞ⁉ 今日は貴様を捕縛するために我がジョーカーの誇る大幹部たちを三人も連れてきてるからな!」

「連れてきたって言うか、この間の一斉検挙で自分たちの基地無くなっちゃったから、幹部全員本部にいるだけなんですけどね……」

「って言うか今日、休みだったのに……」

「プロフェッサー・ハートだけズルいよな? 貴重な科学者だからって一人だけ留守番だなんて」

「お前ら、少しはやる気を見せろ!」


 まったくやる気を見せない三大幹部。

 まぁ、大首領がこれなので仕方ないが。


「もういい! おい! ドン・ダイアモンド‼ こいつを処刑しろ‼」

「ハイハイ……分かりましたよ……悪く思うなよ? これも仕事なんだ」

「くっ……‼」


 大幹部の一人、ドン・ダイアモンドがアイコに迫ろうとした、その時だった。


「死ねぇェェェェ‼」

「痛て!?」

「ドン・ダイアモンドぉぉぉぉぉ‼」


 薫が猛スピードで自転車に乗って突っ込んできた。

 予想外の奇襲にドン・ダイアモンドは体勢を崩してしまう。


「大丈夫か!? アイコ!?」

「薫君!? なんで来たの!?」

「なんでって、決まってるだろ‼ お前を助けにだよ‼」


 突然の乱入者に現場が騒然とする中、戦闘員を殴り倒し、アイコの手を離脱する薫。

 しかし、たかが自転車で轢かれた程度で大幹部は倒れない。


「あ~、痛て……このガキ、やってくれるじゃねぇか……」

「げっ! 復活するの早い‼」

「ドン・ダイアモンドは組織最強の防御力を誇る大幹部。さっきのは油断しただけ」

「そう言うことだ! 惚れた女を助けに来る漢気は認めるが、その程度で俺は倒せねぇ‼」

「あと、面倒見がいい親分肌。正直、この人が大首領だったら、みんな文句なくついていく」

「おいおい誉めてもなんにもでないぜ?」

「よ! 未来の大首領!」

「え~? そんなこと言われるとおじさん、考えちゃうなぁ~」

「おい! なに口車に乗せられてんだ!? 考えるって何!? 下剋上!?」


「いいから、さっさとそのガキ殺せ!」と大首領に急かされ、ドン・ダイアモンドは二人に襲い掛かる。


「悪く思うなよ兄ちゃん‼ 安心しろ! 死んでも、改造してウチの組で面倒見てやる‼」

「いや、自分、真っ当な仕事に就きたいんで!」

「じゃあ、真っ当なまま死んでいけ‼」


 そう言って、ドン・ダイアモンドの魔の手が迫った、その時であった!


「そこまでだ! ジョーカー‼」

「!? なに者だ!?」


 突如、何者かが、ドン・ダイアモンドの前に立ち塞がった。

 その人物は、薫がよく知る人物……


「祖父ちゃん!?」


 そう。薫の祖父であった。


「いや、なにし来たんだよ!?」

「商店街が騒がしくて様子を見に来たんだ。そしたら、アイコちゃんが捕まってるじゃないか。家族として放っておけるか!」

「いや、そりゃそうだけど……」


 正直場違い極まりない。

 しかし、祖父は空気を読まず、ドン・ダイアモンドの前に立ち塞がった。


「――と、言う訳だ! 未来の孫夫婦に手を出されて黙っている訳にはいかない‼ 彼女に手を掛けると言うなら私を倒してからにしろ!」

「気が早い」


 F1レベルの早さである。

 そんな孫のツッコミを無視し、祖父は臨戦態勢に入る。

 しかし、無謀! あまりにも無謀である。

 いくら家族を守るためとは言え、小市民が歯向かって勝てる相手ではない。



 ……そう思っていた時期がもありました。




「ふん、たかが老いぼれ一人に何ができる‼ ドン・ダイアモンド‼ このじじいを見せしめにしろぉ‼」

「しゃーねーなー……おい、爺さん。悪いが死んでもらうぜ‼」


 大首領の命令に従い、ドン・ダイアモンドが巨大な腕を、薫の祖父目掛けて振り下ろす。

 だが‼


 ボキッ‼


「え?」

「へ?」

「は?」


 骨の折れる音がしたかと思うと、まぁ、なんと言うことでしょう。

 組織最強の防御力を誇るドン・ダイアモンドの腕があらぬ方向を向いているではないか。」


「折れたぁぁぁぁぁ!?」

「ウソぉぉぉぉぉ‼」


 対する祖父は怪我一つない。

 周囲が驚愕する中、祖父は不敵に笑う。


「ふっ……最近の悪の組織はこんなものか……これなら、変身せずとも倒せるな」

「じ、祖父ちゃん? なに言って……!?」

「今日だけは、正義のためではなく、自分の都合で戦わせてもらう‼ 変ッ身ッ‼」


 その瞬間、祖父の肉体は輝き始め、肉体が変わり始める。

 冴えない老人から覆面を被った鋼の戦士へと‼


「覆面キッカー1号‼」

「えええええええ!?」


 突如、変身した祖父に敵も味方も驚愕する。

 なにこれ!? どうなってんの!?


「な、なんだ!? 貴様は!?」

「俺は覆面キッカー。人類の愛と自由を守る守護者だ‼」

「じゃねぇよ!? 祖父ちゃん、これどういう事!?」

「今まで黙っていて悪かったな。俺は実は若い頃、悪の秘密組織に改造された、改造人間なんだ‼」

「マジか」


 シレっととんでもねぇ過去を明かす、実の祖父。

 するとアイコがスマホ片手に前に出て一言。


「ツーショいいですか?」

「いいよ」

「状況考えろ‼」


 この状況下でミーハー心を出さないで欲しい。


「なにやってんの!? この状況下で‼」

「だって覆面キッカー1号は、現代まで続く覆面キッカー最初の一人。レジェンドオブレジェンド。ここで撮らなかった次はないかもしれない」

「うわぁ! まるで少年のようなピュアな瞳! って言うか、あとでいくらでも撮れるでしょうが‼」


 そもそも誰の所為でこうなったのか? そこら辺、一回問いただしたくなる。


「おのれ! 覆面キッカーめ! だが、所詮は旧時代の遺物! 最新の改造人間に適う訳がない! いけ! ドン・ダイアモンド!」

「いや、腕折れてるんだって‼」

「ちっ! ならば、ジェネラル・スペード! 貴様が行け‼」

「えー……仕方ないなぁ……」


 そう言って、負傷したドン・ダイアモンドに代わり、今度は軍服の幹部、ジェネラル・スペードが襲い掛かってきた。




 しかし、驚くのはまだまだこれからだった。




「祖父ちゃんだけじゃないぞ!」

「父さん!?」


 絶賛仕事中のはずの父も現れた。


「私もいるわよ!」

「母さん!?」


 パート中の筈の母も!

 仕事はどうした!?


「ふ、未来の義娘がピンチと聞いてな……」

「ちょうどギリギリ管轄だから、飛んできたのよ‼」

「だから、気が早いって! っていうか、管轄?」


 母の言葉に、なんか嫌な予感を感じる薫。

 事実、その予感は的中してしまうことになった。


「ここは私たちに任せろ‼」

「まさか!?」


 そのまさかとばかりに、父は懐からペンライトを取り出し天高く掲げる。


「変身!」


 その掛け声と共に、父は全長500メートルはあるだろう、巨大な光の巨人となる


「ギャラクシーガイ参上‼」

「うっそだろオイ!?」


 祖父が改造人間だと言うだけでも驚きなのに、父が光の巨人になった事も驚きである。


「父さん!? これどうなってるの!?」

「すまん、今まで隠していたが、実は父さんは宇宙から来た宇宙警備隊の隊員なんだ」

「おいいいいい‼ とんでもねぇ事実ぶっこんできたんだけど!? 俺、宇宙人の子だったの!?」

「厳密にはハーフだ。宇宙人と地球人の間の子」


 自らの出生の驚愕の事実に、アイデンティティが崩壊寸前である。


「母さんとは職場恋愛って聞いたぞ!? それ、嘘だったのかよ!?」

「ん? それは本当だぞ? なぁ、母さん」

「そうね」


 そう言いながら、母は懐から手帳のようなものを取り出し……


「装着!」

「マジで!?」


 瞬間、母の身体は光に包まれ、白銀のパワードスーツを纏った戦士へと変身した。


「宇宙婦警・オカン‼」

「それっぽい名前を名乗るな‼」


 色んなところから、怒られそうな名前である。


「うっそだろ⁉ オイ!? 宇宙婦警ってなに!? なんで地球人が宇宙の婦警になってんの!?」

「昔、お父さんのツテでスカウトされたのよ」

「あの頃の母さんはおてんばでな、心配で目が離せなかったよ」

「そう言う、お父さんは地球の文化に馴染めなくて、お昼はいつも一人だったわね」

「でも、そんな僕を見かねて母さんは優しくしてくれたんだ」

「だって、お父さんは男勝りな私を、女の子として見てくれたのよ……気になって仕方ないじゃない」

「母さん……」

「あなた……」

「唐突に惚気るな」


 親の濃すぎる恋愛話に胸やけしてきた薫である。


「すごい! 日本を誇る三大レジェンドヒーローが揃い踏みしてる」

「そして、お前はこんな時にも呑気だなぁ‼」


 目を輝かせて、いつのまにか近場の文具屋で色紙を買ってきたアイコ。

 その頭をスパンと叩き、ツッコミを入れる。

 空気を読みなさい。


「さぁ! どこからでも、かかってこい!」

「お、おのれ、小癪な! いけ! ジェネラル・スペード!」

「了解! って無理に決まってんだろ‼ 体格差どんだけあると思ってんだ!」


 非情な上司の命令に、敵もツッコむ。

 そりゃそうだ。こんなん、ゾウとミジンコレベルの体格差だもん。

 ちょっと小突いただけで重傷確定。最悪、踏みつぶされて終了だろう。

 無理ゲーである。


「確かに……このままでは一方的な戦いになってしまうな。ついでに商店街も壊しかねないし」

「当然だろ」


 むしろここで暴れたら、それこそ倫理観を疑う。


「仕方ない。ハンデとして肉弾戦はなしと言うことで」

「む……それなら、なんとか……」


 父の提案に、妥協するジェネラル・スペード。

 たしかに、肉弾戦なしなら、勝ち目はある。

 そう考えたジェネラル・スペードは重火器を備えた怪人態へと変身する。

 しかし、その判断は彼を地獄に突き落とす羽目になった。


「じゃあ、改めていくぞ! ギャラクシー・ガイ‼」

「こい! ジェネラル・スペード‼」


 戦いの火ぶたが切って落とされた。次の瞬間――!


「喰らえ! スペードランチャー‼」

「なんの! サテライト光線‼」

「ふん、そんなもの利くわけ熱ぁぁぁぁぁぁぁ‼」


 スペードランチャーを敢えて受け、よろめくギャラクシーガイが、反撃として放った光線がジェネラル・スペードを焼き尽くす。


「熱い! 熱い! 熱いぃぃぃぃぃ‼ ちょ、おま! これ、反則だろぉぉぉぉぉ‼」

「む? 強すぎたか? 商店街に被害を与えないためかつ、キミの重火器が誘爆しない程度のギリギリの威力で放ってるんだが?」

「いや、それでも丸焼けになってんだけど!?」


 たしかに格闘戦はなしと言った。だが、光線浴びせるのはダメだろう。

 まるで、虫眼鏡で蟻を焼く小学生を見てる気分である。


「仕方ない。母さん、ちょっとぬるくしてやってくれ」

「いや、風呂じゃないんだから!?」

「OK! 喰らいなさい、コールド二ウムビーム」


 そう言って、母の掌から放たれた冷凍光線が父のサテライト光線と一つになる。


「なんか、いやな予感がするんだけど?」


 どこかの漫画で読んだことがある。

 たしか真逆のベクトルの魔法を同じ威力で組み合わせることで、対消滅が起こると言う原理があったような。

 その予感は見事命中した。


「あ」


 二人の合体光線はバチバチとスパークしながらジェネラル・スペードに直撃し、ジュっと音を立てて消滅した。


『……』


 周囲に沈黙が立ち込める。

 ジェネラル・スペード、殉職の瞬間であった。


「やっちゃった」

「じゃないだろ!?」

「ジェネラル・スペードぉぉぉぉぉ!?」


 まぁ、仮にも悪の組織の一員だから、覚悟はしていただろうが、だとしてもひどい。


「おのれぇェェェェ‼ よくもジェネラル・スペードをぉぉぉぉぉ‼ 許さんぞ、貴様ら!」

「自分でけしかけておいて、なに逆ギレしてんの!?」

「典型的な無能上司」


 虎の子の大幹部二名を戦闘不能にされても、まだなお諦めない大首領。

 しかし、そこへ更なるヒーローが現れる。


「そこまでよ‼」

「この流れはまさか!?」


 すごい聞き覚えのある声がした方向に振り向くと、商店街の看板の上には、まるで魔法少女のような姿をした妹・逸子(いつこ)の姿があった。


「お待たせ、お兄ちゃん! 黒雷の使者! マギノワール参上‼」

「うん、予想はしてた」


 そう言って、戦闘ポーズを取る逸子こと黒き戦士! マギノワール!

 だが薫の反応は最早、想定の範囲内と冷めたものであった。


「むぅ、妹が変身ヒロインなのには驚かないの?」

「驚いてるけど……」


 祖父が改造人間。

 父が宇宙人で母が宇宙婦警の時点で慣れちゃったと言うべきか。


「なんだよ~! せっかく驚かそうとタイミング伺ってたのに~」

「タイミング伺ってたなら、さっさと助けてくれよマジで。って言うか、なんで魔法少女なんかになってんだよ?」

「いや~、ちょっと前にスカウトされちゃって」

「お前……それ一番たち悪いパターンじゃん」


 昨今、魔法少女の業界はヤバい所ばかりだ。

 善意に付け込んでで労基法違反の条件で働かせたり、契約を盾に脅したり、最悪最後の一人になるまで殺し合わせる場合だってあるらしい。

 しかし、妹は「大丈夫だよ」とあっけらかんと答えた。


「ちゃんとしっかりした条件で契約したもん。ね? マスコットン?」

「えぇ。妹さん方には法的に問題のなく、日常生活に支障がでない範囲で活動してもらっております」

「しっかりしてそうなマスコット出てきた!」


 妹の肩からひょっこり現れたのは、黒縁メガネに七三のいかにも真面目そうな妖精・マスッコトンであった。


「特に未成年であるため、強敵との戦いは我が妖精界の特殊チームが行い、逸子さんは最後に闇のエナジーを浄化する作業だけ行ってもらっております。無論、学業面のフォローも担当の者が行っておりますし、場合に応じて危険手当も支給されます」

「滅茶苦茶しっかりしてるぅぅぅぅぅ! しっかりしすぎて夢も希望も感じない!」


 なんでも一時期、カルトや詐欺紛いの勧誘方法で業界があれたのを切欠に、法規制が強化されたらしい。


「ちなみに我がチームは現在追加戦士として『光堕ち』枠を募集中でして、そちらのお嬢さん、魔法少女に興味ありませんか?」

「ここぞとばかりにスカウトすんな」

「……時給は?」

「お前も乗るな」


 これ以上、事態をややこしくしないでくれ。頼むから。


「って言うか、チームってことは、最低でもあと一人いるってことだよな?」

「そうだよ。お~い、ブラン! 出てきて~」


 そう言って妹改めノワールの呼びかけに、一人の少女が舞い降りた。


「白雪の使者! マギブラン‼」


 ビシッっとポーズを決めるのは、純白の衣装を血で染めた白き戦士! マギブラン!


「ちょっと待っておかしい!?」

「二人は、リリズマギカ‼」

「待ってって言ってるでしょ‼」


 決めポーズを取る二人を、中断させ、薫はツッコミを入れる。


「なんなの!? なんで、お前の相方血まみれなの!? 既に一仕事終えた感じだよ!?」


 最早ツッコミどころ満載の相方にツッコミを入れる。


「白雪の使者って自分で名乗ってるでしょうが!? なんで血まみれ!?」

「あぁ、それには事情があって……」

「事情ってなに!? なにがあったら、既に相方敵を殺ってますみたいになるの!?」

「その娘、ちょっとヤンデレの気があって、今日もデートすっぽかした相手の浮気を疑って……ね?」

「『ね?』じゃねーよ!? なにその意味深な一言!? 殺したのか!? 仮にも正義のヒロインがヤンデレ拗らせて殺っちゃったのか!? そこら辺、マスコット的にどうなの!?」

「妖精国の方針上、プライベート、特に恋愛面は個人の意思を尊重しておりますので」

「尊重しなかった結果、大惨事になってるんだけど!?」

「悪いのは列斗さんなんですよ? 最近、私に隠れて女に会ってるみたいで……だから、永遠に私のものにしたくって……」

「赤井ぃぃぃぃぃ!? なに!? 赤井と付き合ってたのキミだったの!?」


 突然、知らされた衝撃の事実と友人の訃報!

 二重の衝撃が薫を襲う、その時だった。


「呼んだか、薫!?」

「赤井!? 無事だったのか!?」

「あぁ、なんとかな‼」


 そう言って現れたのは、電柱の天辺に、包帯まみれの姿で佇んでいた赤井の姿であった。


「いや、全然大丈夫じゃないだろ!? って言うか、お前まで、なにしてんの!?」

「ふっ、怪我を堪えて病院を抜け出すのも、またヒーローの王道って奴だ」

「怪我の理由がアレすぎるんだが……って言うか、まさかお前も!?」

「お察しの通り! 変身!」


 そう言って、電柱から飛び降りた赤井は強化服を纏った、紅蓮の戦士へと姿を変えた。


「き、貴様は自由戦隊フリーダムレンジャーのレッド!?」

「久しぶりだな、ジョーカー大首領! 今日こそ、決着をつけてやる‼」

「あ、敵対してたのお前んところだったんだ」


 最早、驚きすらないほど慣れてしまった薫。

 そう言えば、最近つき合い悪くなったけどヒーローやってたんだ。


「今まで隠してて悪かったな! 俺たちが来たからにはもう安心だ!」

「いや、俺たちってお前、仮にも戦隊なのに一人じゃん」


 普通、戦隊と言えば5人が相場と決まっているのだが?

 すると赤井は「心配ご無用! 残りの三人は今から来る!」と高らかに叫んだ。

 同時に空から一人のヒーローが現れた。


「待たせたな! レッド!」

「ブルー! 来てくれたか!」


 現れたのは恐らくブルーだろう。

『だろう』と言うのは彼の見た目に理由があった。

 何故なら彼は赤井のスーツとは全くデザインの異なる――いや、完全に別物と言ったほうが正しい鋼鉄のパワースーツを着ていたからだ。


「フリーダムブルー改め、アメリカの守護者! ハイパーグッドマン! 参上!」


 上半身に蜘蛛の巣を鋼鉄のスーツを装着し、右手にハンマー、左手にアメリカ国旗を模した盾を装備した、半ズボンの男。

 それがハイパーグッドマンである。


「いや! おかしいだろ!」


 そのツッコミどころ満載のデザインに、薫は遠慮なくツッコミを入れる。


「戦隊なんだろ!? 統一感ゼロじゃん! なんで、スーツのデザインどころか、ヒーロー名まで全然違うんだよ!?」

「俺は祖国でIT企業の社長兼別のヒーローとして活動してるんだ。で、スカウトされた時、この姿で戦っても良いって言われたから」

「やっぱり、慣れないスーツよりも使い慣れた武装の方が戦いやすいからな」

「正論だけども‼ せめて色で統一感を示せよ! あと、なんで半ズボンなんだよ!?」

「経費削減して、残ったお金は社員のボーナスに回した。大丈夫、多少のことでは破けないから」

「そう言うこと気にしてんじゃないんだよ!」


 その時、大地を揺るがす黒鉄の巨人が姿を現した。


『フリーダムイエローとその愛機・機動魔神ゲッタリオン! ここに参上!』

「イエロー! お前も来てくれたのか!」

「いや、ちょっと待てぇぇぇぇぇ‼ なんで、イエローが一人でロボ操縦してんの!? ああいうのって、五人で協力して動かすんじゃないの!?」


 戦隊のお約束を悉く外してくる自由戦隊。

 だが、そんな疑問にも、レッドはちゃんと答える。


「あぁ、イエローは本業パイロットなんだよ。で、あれはイエローの私物なんだ」

「私物!? 私物なのあれ!?」

『こ~んにちわ、ボク、ゲッタリオンです』

「しゃべった!」


 突如響いた聞き覚えのあるダミ声(特に金曜19:00頃によく聞いた)であいさつするゲッタリオン。

 え? こいつ、喋るの!?


「ゲッタリオンは未来の国からはるばる、イエローの家庭問題を解決するために来たんだ」

『そうだよ。イエローをお父さんと仲直りさせないと、地球が壊滅して、僕のおこづかいが50円になってしまうんだ~』

「それ、主に自分のためじゃない? なにお前、地球の平和より自分のこづかい優先!?」


 って言うか、イエロー、戦隊なんかやってる場合じゃないだろう。

 ちゃんとお父さんと腹を割って話せ。そんで仲直りしなさい。

 そんなこと考えたら、件のお父さんから通信が。


『おい、シンヤ! じゃなかった! フリーダムイエロー! なに勝手にゲッタリオンを動かしてる? それは地球防衛軍のものだ! 操縦するならフリーダムロボにしろ!』

「うるさいな! フリーダムロボは5人じゃないと動かせないんだ。それなら俺がゲッタリオンで出撃したほうが効率がいいだろう!」

『貴様! 親に向かってなんて口の利き方だ!』

「仕事に家庭事情を持ち込むな。それでも司令官か」

『まぁまぁ、シンヤ――イエロー君、落ち着いて。パパさんもいい加減、昨日、プリン食べたことを謝ろう。それが原因で地球が壊滅するかもしれないんだから~』

「そんな理由で地球壊滅すんの!?」


 と言うか、親子喧嘩は他所でやれ。

 やいやい、言い争いをする二人から視線を外すと……


「御仏の名の下に悪を滅する」

「また、なんか出てきた」


 いつの間にか現れた、エメラルド色の猿のような姿のヒーローが物騒なことを言っていた。


「フリーダムグリーン、またの名を、爪猿(そうえん)! 悪しき妖魔は我が退治する!」

「フリーダムグリーンは退魔一族の家系で、古くから悪霊を退治して回ってるんだ」

「御仏を信じぬものは死、あるのみ」

「やばいこと言ってるんだけど?」


 発言がちょいちょいヤバすぎて、まったくヒーロー味が感じられない。


「まぁ、俺たちは自由戦隊。宗教の自由を守るのは基本中の基本だからな」

「自由過ぎません? 自由過ぎて全くの別ものになってない?」


 否、完全に別物である。


「さて、5人揃ったところで、みんないくぞ‼」

『応ッ‼』

「え!? 5人!? 4人じゃなくて?」

「そうだ。俺とブルーことハイパーグッドマン・イエロー・グリーンこと爪猿、そして……」

「私、マギブランことピンクです」

「お前かい!」


 もう、次はどんなイロモノが出てくるかと身構えてたら、既に出ていたあとだった。


「って言うか、ホワイトって自分で言ってんじゃん! せめて、色は揃えろ!」

「大丈夫だよ、薫君。赤と白が『交わる』とピンク色になるから」

「なに言ってんのお前!? いや、その通りだけど『交わる』を強調するなよ! なんか意味深に聞こえるだろう!」

「そうだよ。この時間帯に【ピンクな裏事情】は勘弁してくれ」

「お前も言うな‼ 言わなきゃバレないだろうが‼」

「大丈夫ですよ、赤井さん……私は既にあなた色に染まってますから……」

「染まるって言うか返り血浴びてんじゃん‼ ピンクじゃなくて血で真っ赤になってるよ‼」

「でも、貴方は私色に染まってくれない……私はこんなにあなたを思ってるのに……」


 そう言って懐から包丁を取り出すマギブラン。

 その目は変身ヒロインにあるまじき、ハイライトのないものである。


「やめなさいって言ってるでしょうが‼ 日曜の朝から見せられなくなるからね‼」

「とにかく、これで5人揃ったんだ! 覚悟しろ! ジョーカー‼」

「お、おのれ! 一戦闘員にここまで、ヒーローが集うとは! だが、こちらにも切り札がいる! 行け! 最強の怪人! キャプテン・クローバー‼」


 そう言って、高らかに叫ぶジョーカー大首領。しかし……


「……あれ? キャプテン・クローバー?」


 呼んだにも関わらず、返事すらない。

 不審に思い、振り向くと、そこにキャプテン・クローバーの姿はなかった。


『退職します。探さないで下さい』


 代わりにあったのは、書置きだけであった。


「あの野郎ぉぉぉぉぉ! 逃げやがったぁぁぁぁぁ‼」


 しかも、よく見れば他の戦闘員や怪人もいない!

 完全に敵前逃亡である。無理もないが。


「ふざけるなよ!? え!? このタイミングで普通逃げるか!? えぇ!?」

「いや、普通は逃げるだろ」


 なんせ戦隊やら宇宙の警備隊やら婦警やら変身ヒロインやらが勢ぞろいなのだ。

 普通なら逃げる。超逃げる。勝てっこないもん!

 一人残され慌てふためく大首領。対してアイコは腕を組んで、勝ち誇った笑みを浮かべる。


「さぁ、年貢の納め時だ! 正義の名の下に、滅ぶがいい」

「お前はなにキャラだよ!?」

「ごめんちゃい」

「まったくもぉ~」

「調子にのるな‼ おのれ、こうなれば……‼」


 調子に乗りまくる一介の戦闘員にツッコミを入れる薫。

 そんな態度が癪に障ったのか、大首領は遂に最終手段をとった。


「貴様らを全員、この場で滅ぼしてくれる! 現れよ! 我がジョーカー最終兵器‼」


 そう叫ぶと大首領は魔法陣を展開。

 そこから巨大な生物が召喚された。


「な、なんだ!? あれは……!?」

「くっくっく! あれぞ、我がジョーカー最終生物兵器、その名も『大怪獣シバラ』だ‼」


 その姿は、さながら神々の黄昏に出てくるフェンリル。

 ギャラクシーガイを上回るほどの、巨大な体躯は、見る者を絶望に誘う。


「こんなの、どうやって倒せばいいんだよ……!?」


 ここにいるヒーローが全員でかかっても勝てるかどうか分からないほどの威圧感を浴び、薫は唖然とするしかなかった。

 その時だった。


「ッ!」

「あ、アイコ!?」


 あろうことかアイコがシバラに向かって駆け出した。


(まさか、自分を犠牲にする気か!?)


 最悪の想像が脳裏をよぎる中、アイコはシバラに向き合い……


「伏せ!」

「ワン!」


 ……あろうことか、いとも容易く手なずけた。


『ええええええ!?』


 まさかの展開に一同、唖然とする。

 当然ジョーカー大首領が一番、驚いている。


「な、なぜだぁぁぁぁぁ!? なぜ、我が最終兵器が一介の戦闘員如きの命令に従うのだ!?」


 混乱する大首領に、アイコは事も無げに言った。


「だってボクが世話係したんだもん」

「ふぁっ!? どういうこと!?」


 曰く、元々、シバラはアイコが拾ってきた柴犬だったらしい。

 拾った直後衰弱しきっていた柴犬をプロフェッサー・ハートに頼み治療してもらい、以降、組織を追放されるまで、愛情を持って世話していたそうだ。


「って言うか、こいつ、うちの犬じゃないか……?」


 今さら気づいたかのように呟く薫。

 見れば、首元につけられた見覚えのある首輪には『タロウ』と飼い犬の名前が、見覚えのある字で書かれていた。


「なるほど、つまりタロウはアイコ君が保護してくれていたんだな」

「これで滝家全員揃ったわけだ」

「いや、納得すんの?」


 大らかすぎる家族に薫がツッコミを入れる。



 ……とにかく、こうして最終兵器も無力化された訳だが。



「ジョーカー大首領」

「あっ、はい」

「なにか言い残すことはあるか?」



 周囲から漂う圧。それに屈した大首領は、だらだらと冷や汗を流しながら、熟考した末、一言。


「ご、ごめんちゃい」

「許す訳ないだろうが」




 ――こうして、悪は滅んだ。

 肉片一つ、髪の毛一本、影すら残らず、滅び去った。



 だが、正義あるところに悪があり。

 彼らの戦いはこれからも続く‼


「薫君、だぁいすき」

「そんなこと言って、タロウの散歩サボったことは許しませんよ」

「ごめんちゃい」

「まったくもぉ~」



 ついでに薫君の受難の日々も続くのであった。






◆登場人物◆

【滝 薫】

本編の主人公。面倒見がいい好青年で作中屈指の聖人。

どれくらい聖人かと言えば、勝手にアイス食べられたり、勝手にセーブデータ上書きされたり、勝手にネタバレされたりしても「まったく、もぉ~」で済ませる程度には聖人。

なんなら「雪〇大〇一個ちょうだい」って言われても「まったくもぉ~」と言いながらくれる程度には聖人。


【戦闘員NOI-50(アイコ)】(99/61/88)

本編のヒロインで悪の組織の戦闘員。かわいい。

本来量産品の消耗品だったが、自我に目覚め、その後、なんやかんやあって追放される。

中々図太く、甘えん坊だが、戦闘員らしく、その辺のチンピラなら1分でミンチにできる。

将来的に薫くんと結婚し、一男一女に恵まれ、かすかべ在住のN一家ばりの騒動に巻き込まれる生活を送る。


【滝 猛三(たき たけぞう)/覆面キッカー1号】

薫の祖父で、かつて悪の組織と戦った改造人間。

IQ999で柔道剣道空手・カポエラ・ボクシングまで極めた冗談みたいなスペックを誇る。

現在は世界を旅しながら、30人以上いる後輩たちの手助けをしている。


【滝 隼人(たき はやと)/ギャラクシーガイ】

滝家の婿養子。元科学防衛隊の隊員で、なんやかんやあって、宇宙警備隊と融合した。

現在は宇宙警備隊地球支部で働きながら、悪の組織を文字通り『潰し』ている。


【滝 烈子(たき れつこ)/宇宙婦警オカン】(87/60/82)

猛三の娘で宇宙婦警。昔、なんやかんやあって宇宙警察に務めていた。

ちなみに隼人とはデキ婚で、隼人のコーヒーに【ここから先の記述は消失しております】


【滝 逸子(たき いつこ)/マギノワール】(90/53/84)

薫の妹で変身ヒロインの黒い方。謎の妖精マスコットンにスカウトされ、書類審査とオーディションを突破し、数々の実績をあげた上で、マギノワールに抜擢された。

ちなみに変身前でもジョーカー怪人一人分くらいの戦闘力はあるらしい。


【赤井 列斗(あかい れつと)/フリーダムレッド】

主人公の親友で熱血漢。

地球防衛軍にスカウトされ、フリーダムレッドになった。

ちなみに浮気の真相は、マギブランの母親と会っていただけであり、母子家庭で一人娘の彼女との交際を真剣に考えた末「娘さんを、僕に下さい! 絶対に幸せにします!」と、交際の許可を貰いにいったことが真相。


【ハイパーグッドマン/フリーダムブルー】

アメリカでIT社長を務めている。過去遺伝子操作を受けた蜘蛛に噛まれ、変な光を浴び、超人になる血清を投与され、元は神様だった前世を思い出し、現在に至る。なにベンジャーズだよお前。


【シンヤ/フリーダムイエロー】

機動魔神ゲッタリオンのパイロット。思春期真っただ中で、今度は隠していたエロ本を勝手に漁られたことで、世界を壊滅させる未来を作り出してしまう。


【爪猿/フリーダムグリーン】

日本最古の退魔師。元ネタに関して知識がないだけで、決してタイのアレではない。


【マギブラン/フリーダムピンク】(94/53/85)

フリーダムレンジャー紅一点で変身ヒロインの白い方。

ちょっとヤンデレ気味だが、レッドへの愛は誰にも負けない。


【タロウ/大怪獣シバラ】

滝家で飼っていた柴犬。迷子になり憔悴しきっていたところをアイコに保護され、プロフェッサー・ハートに治療してもらう。アイコの追放後は、最終兵器に改造されたとされるが、実際はプロフェッサー・ハートが「どうせ、こんな組織、そろそろ潰れるだろうから、適当にやっておこ」と一時的に巨大化しただけで、中身はあんまり変わってなかった。

だが、闇の力による副作用で、予防接種の時、ひたすら嫌がるようになってしまった。


【秘密結社・ジョーカー】

大首領が亡きあと、プロフェッサー・ハートにより(株)ジョーカーに生まれ変わる。

負の感情を電気エネルギーへ変換する事業を立ち上げ、電力会社と協力して、日本の経済を立て直す。

プロフェッサー・ハートはトップとかめんどくさがっていたので、そのまま研究主任として一線で活躍。社長にはドン・ダイアモンド、副社長にはキャプテン・クローバーと実はコアが無事だったジェネラル・スペードが就任した。

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