魔王が追放されました。しかし、事態は予想外の方向へ。


「アークデーモン‼ これはなんの真似だ!?」


【常闇の魔王】の支配する城の玉座の間。

 そこでは城主であり、魔王と崇められていた少女が、二体の魔族に拘束されていた。

 必死に逃れようとする彼女に、先刻まで筆頭家臣であったアークデーモンは告げる。


「魔王様、貴女を追放します」

「!? なにを言っている!? 冗談を言っている場合では――!」

「貴女は魔王としては力不足。この玉座に座るに値しない。――連れていけ!」

「「はっ!」」

「待て! 私は――!」


 抵抗空しく、魔王は連行されていく。

 アークデーモンはその様子を見届け、空席となった玉座にドカッと座る。


「ふふふ……これで良い……これで、邪魔者はいなくなった……」


 すると、伝令の兵が慌てながら、バンッと扉を開け、入ってきた。


「アークデーモン様! 勇者が城内に侵入しました!」

「そうか……すべて、予定通りだ……」


 そう言って、アークデーモンはため息を吐いた。




 ――そう、すべては予定通りなのだ。




(魔王様――いや、ソーニャ様……ご無礼をお許しください……あなたはまだ若い。いくらでもやり直せるのだから)



 そう思い、アークデーモンは魔王を襲名した少女――ソーニャに想いを馳せた。


 ソーニャが【常闇の魔王】を襲名したのは、三年も前のこと。

 【黄昏の魔王】の治める魔導国家【トワイライト】が勢力争いの末、魔王の軍勢に敗れ去ったことから始まる。

【トワイライト】の皇女であった当時一二歳だったソーニャは戦利品として、好色な魔王の将来の側室として迎え入れられた。

 父の、祖国の仇に下る屈辱。正妃や他の愛妾たちからのいやがらせ。配下からの心無い言葉。いつ、純潔を散らされるかも分からない恐怖。

 成人を迎えていなかった少女にとって、まさに地獄の日々だったが、国民を思えばこそ耐えることができた。


(だが、あの日、全てが狂った……)


 ソーニャが十五歳になり、成人の儀を迎えたあの日。

 突如【常闇の魔王】が姿を消した。


 理由は不明。

 噂では当時、隣国【ザマーサレル】では【常闇の魔王】を倒す勇者を選抜する神託が降った。

「それに恐れをなして、逃げ出したのではないか?」と言うのが、専らの噂である。

 とにかく、魔王が消えたことで、国は大いに乱れた。


 後継者争いに権力争い。血で血を洗う陰湿な戦い。ソーニャも命を狙われたことは一度や二度ではない。

 権力など望みもしなかったのに……


 そんなソーニャに転機が訪れたのは、つい先日。

 己の命を狙う側室たちが、同士討ちするか、命惜しさに逃げ出し、一人もいなくなった頃。

 他の魔族の有力者たちから魔王を襲名してほしいと願われた。


 曰く、最早この国は風前の灯。

 曰く、勇者は眼前にまで迫っている。

 曰く、勇者は歴代最強と名高い【邪竜殺しのアレックス】の弟、【コロシアムの英雄・アルバレス】であり、並の魔族では敗北は必至。故に力ある者が魔王の座に就き、勇者を迎え撃ってほしい。


 ……要するに勇者に倒される生贄になってほしいと言うものだった。


 皮肉なことに、元々魔法の才がある上に、身を護る手段を身に着ける過程で側近であるアークデーモンに、彼女の実力は魔王に相応しい実力となっていた。

 しかし、それでも勇者には敵わないだろう。


 なにせ、功を焦り、挑んだ四天王は軒並み返り討ちにされたどころか、どさくさに紛れて攻め込んできた他の魔王を何人も討ち取ったのだ。彼女では到底敵うまい。


 それでもソーニャが残ったのは自身の、プライドと祖国の民を護るためだ。

 敗者には通すべき筋がある。

 魔王として勇者に降伏し、自らの命を引き換えに民の安寧を約束させ、それを以て戦いを終わらせるのだ。


 故にその心情を察したアークデーモンは、彼女を玉座から追放した。

 全ては主の為に。


(とは言え、どれだけの時間を稼げるか……?)


 そもそも、自分程度の実力が通じる相手なのか?

 彼の兄たるアレックスは、邪竜を屠り、最強と名高い【漆黒の魔王】と互角とされている。

 それに肩を並べるとなると――


 そんなことを考えていると、王室の扉が開かれた。


「――ッ‼」


 同時に放たれた覇気にアークデーモンの意識は持っていかれそうになる。


(まさか、これほどとは……‼)


 辛うじて意識を保つことができたアークデーモン。

 同時に、彼は己の生存を諦めた。

 それほどまでに彼我の実力差は明確だった。


 加えて、敵は一人ではない。

 アルバレスの親友にして好敵手、武闘家ゴウ=ワン。

 アルバレスの魔法の師である賢者・ガレス。

 アルバレスを勇者に導いた、神託を授かりし聖女・スピカ。


 彼らを倒し、無事生き延びる確率は極めて低かった。

 並の者なら恥も外聞も捨てて、白旗を上げるだろう。だが……


(我には譲れぬ想いがあるッ‼)


 ほんの僅かでいい。ソーニャがこの城から少しでも遠ざかる時間を稼げればいい。

 震える身体を、精神を叱咤し、アークデーモンは名乗りを上げる。



「よく来たな、勇者たちよ! 我こそは【常闇の魔王】なり! ここが貴様らの墓場となるのだ‼」



 アークデーモン――偽りの魔王は、己が愛する者の為に、最後の決戦に挑む。

 だが、現実は非情であった。



「お前に用はない」

「がはっ!」



 鎧袖一触。

 勇者の拳が深々と鳩尾に入り、アークデーモンはその場に倒れ伏した。


(まさか、聖剣すら抜かなかったとは……‼)


 否、自分程度に聖剣を抜く必要すらなかったのだろう。

 それほどまでに、差があったのだ。


「アルバ、こいつは……」

「あぁ、魔王ではない」


 加えて、正体すら誤魔化せなかった。

 どうやら事前に魔王の容姿に関する情報を入手していたようだ。

 アルバレスの手にはソーニャの似顔絵があった。


(最早、これまでか……)


 こうなっては、ソーニャが見つかるのも時間の問題。

 それだけは防がなくてはと、アークデーモンは事前に肉体に刻んでおいた自爆用の魔法陣を起動させる……。



「待て! 勇者たちよ! これ以上、我が城を荒らすことは許さぬ‼」

「!? お嬢様!? なぜここに!?」



 そんなアークデーモンの行動を阻止したのは、側近たちに連れ出されたハズの主であった。

 どうやら、隙を見て逃げ出してきたようだ。


「いけませぬ! お嬢様! こやつらは強すぎる! あなたでは敵いませぬ‼」

「だからと言って、大切な、家族同然の家臣を見捨てられるわけないじゃない‼」


 そう言うや否や、ソーニャはアークデーモンを庇うように、勇者の前に立ちふさがった。


「……貴女が【常闇の魔王】だな?」

「そうだ! 私こそ、この国を治める魔王、ソーニャ=トワイライトだ!」

「そうか……我が名はアルバレス=グランアステリア」


 気丈な態度でアルバレスを睨みつけるソーニャ。

 アルバレスの腕なら、この間に、彼女は最低でも十回は死んでるだろう。

 しかし、次にアルバレスは聖剣を抜くこともなく、彼女にこう言った。



「突然だが、結婚してくれ」



 ……いや、本当に、突然すぎるだろう。


「ナニヲイッテンダ、コイツハ?」とばかりに、その場にいた全員がポカーンとするくらいには予想外であった。

 玉座の間に漂う沈黙に、爆弾発言をした張本人は「あれ? 俺なんかやっちゃいました?」と言わんばかりに首を傾げた。


「お、おい! アルバ! いきなりなに言ってんだよ!?」

「うむ、勇者様はどうやら、緊張のあまり混乱しておるようだ! 聖女様、頼みます!」

「OK」


 そう言って、我に返った勇者パーティーによりタイムを求められた。

 どうやら、勇者も人の子であったようだ。

 緊張のあまり、とち狂った台詞を口走ったようである。


「OK!」


 しばし、待ってから聖女スピカの手により、アルバレスは正気に戻ったようだ。

 彼は真剣な面持ちでこちらを見据えると、ソーニャに向かってこう言い放った。


「魔王ソーニャよ! 結婚を前提におつき合いしていただけないでしょうか!?」

「なに言ってんだお前!?」


 結論から言って、なに一つ変わらなかった。

 正気で魔王に求婚しやがった。

 そんな勇者に彼を信じてついてきた勇者パーティーはと言うと……



「「「OK!」」」



 グッと親指を立てて、勇者の行動を全肯定しやがった。


「いや、おかしいだろ!?」


 最早、向こうにツッコミはいない。

 予想斜め上の事態の連続に、ソーニャはただ翻弄されるばかりであった。




「ゴウ……やはり最初は交換日記辺りから始めた方が良かったのではないか?」

「お前、なに時代の人間だよ? そんなん通用するのは小学生までだぞ」

「左様、最近はマッチングアプリなるもので、出会った数か月で結婚までいく、男女も多いと聞く。愛と言うものは時間の長さよりも密度なのじゃよ。のう? 聖女様」

「OK」

「あなた達、魔王城人の家でなにやってんのよ?」

「まぁまぁ、カッカせずに、お茶でも飲んで今後のことを話しましょうよ。あ、お茶菓子はスコーンでいいですかね?」

「だから私の家なんだけど!?」

「OK」

「あなたも、勝手にOK出さないで!」


 ……一時休戦。

 突然の告白を受け、困惑するソーニャだったが、とりあえず、敵意もないので勇者との対話を試みることにした。


「あなたたち、私を討伐しに来たのよね? それがどうしたら、その……えと……私と結婚したいだなんて話になるのかしら?」

「ふむ……たしかにそうだな。事情も説明せず失礼した」

「まぁ、俺もここに来る前に、こいつに『ガンガン行こうぜ!』ってアドバイスしちまったからな」

「ちゃんとムードを大事にすべきだと言うべきだったのぉ……」

「いや、そういう問題じゃないんだけど……」


 どうやらあの唐突な告白の原因は仲間が煽った結果らしい。

 それを真に受ける勇者もどうだと思うが。


 とにもかくにも勇者はことの経緯を話し始めた。



「そう……あれは、俺がまだ剣闘奴隷として、コロシアムで戦いに明け暮れていた頃のこと……」


 曰く、アルバレスはかつてザマーサレルにより滅ぼされた国の国王の隠し子だったそうだ。

 その発覚を恐れた乳母により、貧民街で育ったのだが、侵略の際、奴隷にされ、コロシアムで延々、血生臭い日々を送っていたらしい。

 そんなある日、アルバレスは運命の出会いをする。


「それは【常闇の魔王】による宣戦布告が行われた日……」


 暗雲が立ち込め、空に魔王の姿が映し出され、人々が慄く中、アルバレスは目を見開いた。

 魔王の遥か後方にいた、一人の美少女。

 彼女の姿を一目見た瞬間、彼の中に電撃が走った。


「……所謂、ひとめぼれだった」

「国が滅ぶかどうかの瀬戸際に、なにしてんの、あなたは!?」


 魔王など見向きもせずに、ただ一人の少女に心奪われた、未来の勇者。

 その惚れっぷりは尋常ではなく、翌日に組まれた対戦において、一回戦で虎に頭を齧られ、二回戦で獅子に頭を齧られ、決勝戦で竜に頭を齧られても、心ここに非ずだった。


「あれは爆笑もんだったよなぁ」

「いや、そこまでされたら、普通に死ぬわよね!?」


 当時のことを思い出すゴウに即座にツッコむ。

 そんなアクシデントに見舞われつつも、見事優勝したアルバレス少年。

 その後も、ソーニャのことを想いながら、日々、戦いに明け暮れていたら、いつの間にか『コロシアムの英雄』なんて呼ばれるようになり、遂には勇者に選ばれた。


「それで……勇者に選ばれた際に思ったんだ。この想いを伝えるチャンスだと……」

「ひゅーひゅー! 青春してるねぇ!」

「ほっほっほっ、若いっていいのぉ」

「OK」

「いや、そう言うのはいいから!」


 照れて顔を真っ赤にする勇者に野次を飛ばすパーティーの面々。

 そんなこんなで旅立った勇者だったが、その過程は険しいものだった。


 まず、剣闘奴隷と言うことで、まともに恋愛なんかしたことない。

 コロシアム時代、観客席から黄色い歓声を浴びたことはあるが、殺し合いの興行などを見に来ている者なのでノーカン。

 つまりは圧倒的な経験不足! 告白は第一印象で決まると言うのに、これはいただけない。


 また、相手は曲がりなりにも貴族。仮に、万が一、天文学的な数値で『OK』を貰ったとしても、学もない、政治も分からない、腕っぷしだけが取り柄の元奴隷と結ばれても、未来は暗い。


 コロシアムの英雄も『恋愛』と言う未知の相手には手も足も出なかったのだ。


 だが、彼には頼もしい仲間がいた。

 ゴウによる『モテる男の秘訣』とスピカによる告白に至るまでの様々なアドバイス。

 ガレスによる様々な学問の英才教育を受け、自信を付けたアルバレスは今日、ソーニャに告白をするため、魔王城に乗り込み今日に至ると言う訳だ。


「あ、あと、四天王とか、他の国の魔王とか、裏ダンジョンのボスとかも倒した」

「いや、本来の敵の扱い‼」


 あまりにも軽い扱いの敵軍のことはさておき……


「まぁ……そいう訳だ……その……えと……返事を聞かせてほしい……」

「いや、そんなことを突然、言われましても……」


 よく言えば情熱的。早い話が重すぎる好意に、たじろぐソーニャ。

 無理もない。彼女も彼女で、恋愛とは無縁な人生を歩んできたのだ。

 どう返答すべきか迷っていると、先ほど聖女により全回復してもらったアークデーモンがスッと前に出る。


「お嬢様。ここは私にお任せを」

「え? 爺や?」


 突如、割り込んできたアークデーモンは、アルバレスの前に跪き一言。


「……ソーニャ様を、何卒、よろしくお願いしますッ……‼」

「爺やぁぁぁぁぁ!?」


 あろうことか、本人の了承を得ずに承諾。

 外堀を埋められ、慌てふためくソーニャはアークデーモンに問いただす。


「じ、爺や! これ、いったい、どういうこと!?」

「お嬢様! この縁談、お受けしましょう! ここで勇者様とご結婚なされば、誰も犠牲にならずに済みます!」

「いや、でも彼を勇者に選んだ国が黙っておかないのでは……」

「あぁ、それなら心配ない」


 ソーニャの不安を払拭するかのように、アルバレスは宣言する。


「御身を護るためなら、喜んで、ザマーサレルと戦おう。なに、滅ぼしてしまっても構わんのだろう?」

「闇落ちした!」


 自身の軽はずみな言動で、世界の救世主が人類の敵に!


「まぁ、元々、滅んでも仕方ない国じゃしのぉ……」

「俺はどこまでもつき合うぜ!」

「OKッ!」

「あなた達、それでいいの!?」


 あろうことか勇者パーティーまで乗り気である。

 とにもかくにも、外堀をとんとん拍子に埋められ、逃げ場はなくなってしまった。



「さて、いかがなさいますか? お嬢様。最早、これ、断るとデメリットしかないですぞ?」

「いや、でも……よく知らない人だし……」

「大丈夫! 旦那様も奥方様もお見合い結婚でした。結婚してから始まる恋と言うのもございますし、なにより、ここまでお嬢様を想ってくださる殿方などおりませんぞ!?」

「いや……でも……私、魔王だし……」

「はーい! そう言う立場を持ち出すのは反則だと思いまーす!」

「いかんのう」

「ちょ、外野は黙っててくださらない!?」

「……OK?」

「あなたもあなたで、『本当にいいの? 後悔しないの?』みたいなイントネーションで聞かないで下さい」


 自分のホームなのに孤立無援となってしまった魔王。

 そんな魔王をじっと見つめながら、そわそわしてる勇者。


 考えてみたらこの婚姻、メリットしかない。

 戦争は終わるし、勇者と言う戦力も手に入る。

 勇者も実直そうだし、顔もイケメンだし、浮気しなさそうだし。

 それに、仮に断ったら怒られた大型犬みたいにシュン……としそうだし。


 そんな諸々の要素を省みながら、しかし、ソーニャの気持ちは定まらない。


「やっぱり、無理よ。先代【常闇の魔王】がもし戻ってきたら、絶対後々、面倒なことになるわ……」

「ん、先代の【常闇の魔王】なら……」


 するとおもむろにアイテムボックスをまさぐりながら、賢者がなにかを取り出した。


「ほれ、この通り、討伐済みじゃ」


 そう言って、取り出したのは先代【常闇の魔王】の生首であった。


「いやあああああ! なにグロテスクなもの取り出してんのよ!?」


 あまりのショッキングな光景に思わず悲鳴を上げるソーニャ。

 それとは対照的にアークデーモンは冷静に首を検める。


「た、たしかに! これは先代!? まさか既に討伐済みだったとは!? いったい、いつの間に!?」

「あぁ、たしか序盤のダンジョンで襲い掛かってきたから、倒したんだった」

「いや、普通にとんでもないこと仕出かしてるわよ!? 分かってるの!?」


 恐らく先代魔王的に負けイベント的なノリで挑んだのだろうが、それが運の尽き。

 最強クラスの勇者にあっさり返り討ちにされてしまったと言う。

 本人曰く「アレ、序盤のボスじゃなかったのか……」とのこと。


「まさか、勇者様が既に討伐していたとは……序盤の装備では【闇の衣】を貫けないはずなのに……」

「あぁ、それはなんか手に聖なる気を込めて『えいっ!』ってやったら……」

「ビリッってやぶけたのぉ」

「魔王の最強装備を紙みたいに‼」


 まさに規格外としか言いようがなかった。

 改めて、戦わなくてよかったと思う。




「……それで、魔王――いや、ソーニャ殿。こ、告白のお返事は……その……どうでしょうか……?」


 ガッチガチに緊張しながらあらためて、返事を待つアルバレス。

 ソーニャはそんなアルバレスを見て「ふぅ……」とため息を吐きながらも苦笑する。


(もう……ここまでされたら断る理由なんてないじゃない……)



 戦利品として嫁がされ、権力闘争に巻き込まれ、果ては魔王と言う名の人身御供とされて、碌な人生を送ってこれなかった。

 されど、こんな自分を一途に想い、ここまで来てくれた者がいる。

 少し、方向性がズレてはいるが、純粋に自分を好いてくれる勇者の想いに、ソーニャは一人の少女として、応えた。



「はい……不束者ですが、何卒よろしくお願いします」




 ――こうして勇者と魔王は結ばれた。


「OッッッッッKッッッッッ‼」と聖女の歓喜の叫びが魔王城に木霊する。


 後日、盛大に行われた結婚式にて、幸せそうに笑うソーニャの姿を見て、アークデーモンは、号泣したと言う。






 CAST

・アルバレス=グランアステリア:作者の脳内に突如生えてきた、『本気を出してきた』の勇者・アレックスの弟。

 コミュ力高めの兄に比べて、内向的だが、情熱的なところはそっくりである。


・ソーニャ=トワイライト:【常闇の魔王】を襲名した少女。作中一の苦労人だったが最後に幸せをゲットした。なんやかんやでアルバレスを尻に敷くことになる。

 スリーサイズは98・62・99。


・アークデーモン:ソーニャの親代わりにして作品の真の主人公。忠義に尽くす漢である。

 あと結構、涙脆い。


・ゴウ=ワン:アルバレスの親友兼ライバル。珍しく、脱がない武闘家である。

 旅の間はこいつが家事全般を取り仕切っていた。特技は漢の手料理である。


・ガレス:アルバレスの魔法・勉学の師。ザマーサレル一の賢者だったが、同僚の嫉妬を買い窓際に左遷されるも、勇者パーティーに選ばれ、実りある人生を取り戻す。

 割とノリのいい爺さんである。


・スピカ:アルバレスを勇者に任命した聖女。「OK」しか言ってない。

 愛を司る神【カプテューン】を祀る教団の聖女。アルバレスとソーニャの結婚後、国内で布教活動を開始。瞬く間に信者を増やし、国教とする。

 その後は、教皇であるイーチャー=ラブや大神官オッシ=カープにより最高責任者の一人に抜擢。日夜ネトリスト(NTRの竿役のような存在。主におじさんやクソガキ、チャラ男)を異端審問にかけている。

 スリーサイズは89・58・88。

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