第六幕(会話)
第12話 目隠し問題
【会話モード】
上手からあたいが入って来る。氷川きよしのズンドコ節を歌いながら。、
あたい ズン! ズン、ズン、ズンドコ!
追って、おいらが上手から走って来る。
おいら なんなんだよ!
あたい ズン、ズンズン、ズンドコ! きよし!
おいら 何だよ!何かおかしいかよ。
あたい ドン、ドンドン、ドンゾコ! おいら!
おいら 何か悪いかよ!
あたい 別に。ドンゾコ中学だったら、誰だって入れるし。
おいら あたいは頭がいいから。
あたい 目をつぶって受けたって受かるし。
おいら 目をつぶってたら問題読めないし、字も書けないし!
あたい 簡単かんたん。あたいなら、両手がなくたって大丈夫。
おいら 嘘ばっか言うなよ!
あたい ほんとうだから! この間の漢字のテスト、目をつぶって、
両手を使わなくて満点だったの。
おいら そんなの嘘だ。どうやって書くんだよ。
あたい できるの!
おいら 嘘言うな!
あたい ほんとうだから!
おいら それなら、試しにやってみようぜ。
あたい いいよ。いいよ。
おいら おいら、今から持って来るから!
おいら、下手にはけて、手ぬぐいを2本、鉛筆とノートを持ってくる。
おいら 今から、おいら、あたいの両手を後ろで結んで、これで目隠しをするぞ。
それでも漢字の問題解けるのか!
あたい 全然大丈夫。
おいら 出来るわけないだろ!
あたい やってみてもいいよ、できるもん。
おいら 本当にやるぞ。
あたい あたい、できるもん!
おいら そんなの出来るわけないじゃん!
おいら、まずあたいの両手を後ろで結ぶ。
おいら これで字が書けないぞ。
あたい 足でも後ろの手でも書けるし。
おいら まだ言うか!?
おいら、両目を手ぬぐいで覆う。
おいら これで全く何も出来ないぞ!
このノートに漢字の問題書くから待ってろよ。
ひらがなを書くから漢字を書くんだぜ!
おいらは、手にノートを持ちながら、あたいに出す問題を考える。
あたい いいよ。
おいら でも、問題どうしよう? ちなみにウンコって漢字で書けるか?!
あたい ウンコって漢字、そもそもあるの?
おいら おいらも知らん。じゃあ、シッコって漢字書けるか?!
あたい それも漢字あるの?
おいら おいらも知らん?! じゃあ、ビー玉は書けるか?!
あたい 書けるけど、ビーはカタカナだと思うよ。
おいら ダマは書けるか?!
あたい 書けるけど、それ小1レベルでつまんない。
おいら じゃあ、どうしよう。
あたい 早くしてよ!
このかっこう疲れる。
おいら 分かったよ!
おいら、「あめ」という字を大きく書いて、あたいの目の前にかざす。
あたい、じっと紙を見つめる。
おいら この漢字書けるか? 何にも見えないだろう。
あたい 隙間があってよく見える。
おいら 嘘だろ。
おいら、隙間がないかよく見るが、当然隙間はない。
あたい よく見える。ちゃんと目隠ししたの!?
早く目隠ししてよお。よく見える。
おいら 見える訳ないだろ!
おいら、あたいの顔をよく見て、手ぬぐいから隙間がないかよく見る。
ちょっとした隙間を見つけて、
おいら もう少ししっかり結ぶから。
あたい 念力でも見えるし、念力でも書けるし。
おいら ちょっと待ってろよ。
おいら、「あめ」と書いた問題を四角い椅子の上に置き、
あたいの目かくしの手ぬぐいを少しきつく結ぶ。
あたい、しばらくすると、
あたい 痛い、いたい、痛い、いたい!!
(左の肩をあげながら、ずっと言い続ける)
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