異世界チート無双~現実ではモブだった俺が、トラックに轢かれて異世界転生!?しかもレベル99全スキル解禁!でも毎日が暇すぎて辛い…そうだ!村娘全員集めてアイドルグループ結成したろ!
「…暇だ」
俺の名前は伊勢 甲斐太郎。つい先日異世界に転生してレベル99+最強スキルで村を襲っていた魔族をボコして悠々自適な生活を送っている所だ。定期的に来る魔族を倒せば金も貰える。村に行けば皆にモテモテ。食べ物も非常に美味しい。特に乳製品。スーパーの奴とはレベルが違う。
しかし。週1・10分で魔族をボコすだけで遊んで暮らせるとなると…
「…暇すぎる」
こうなる。なんと異世界にはネットがない。ゲームも無い。車もそれ程走ってない。オラこんな村いやだ~~~と叫んでも他の地に行って危険を冒す程のバイタリティも無い。衣食住が保証されているだけで十分ではないか。
『あら、こんにちは!勇者さん!』
ここら辺で一番カワイコちゃんであるところのムラ・ムスメちゃんが声を掛けてくれた。勿論俺にベタ惚れである。本人は隠しているつもりだが全然隠し切れていない。だが見て見ぬ振りをする。これが
「こんにちは!今何してるの?」
『水を運んでいる所です!』
「…そっか!それが終わったら?」
『作物の様子を見ます!』
「そっか…次は?」
『ジャガイモのスープを食べます!』
「…その後は」
『織物をして寝ます!』
「…それを毎日?」
『毎日です!」
ッハァァァァァァァ~~~~。娯楽が無ぇ。いや貴方達はそれでも良いかもしれないが。俺は娯楽が飽和してる21世紀東京生まれなの。てか正直東京に戻りたいまである。Youtubeあるし。アマプラあるし。漫画もある。ゲームも出来る。
『勇者さんも頑張って下さいね!ニッコリ』
…訂正。異世界神。異世界最高。かわいいは正義。うむ。
等と考えていても仕方が無い。暇潰し暇潰し…と。村の木の本数を数えるのは先週やったし…今週は何を…
『♪~』
ムラ・ムスメちゃんが鼻歌を歌いながら去って行く。顔だけじゃなくて声まで可愛いとか…マジ天使…マイエンジェル…俺のアイドル…しゅき…
…ん?アイドル?
その時、伊勢 甲斐太郎に電流走る―
「俺に惚れてる村の子集めて俺好みのアイドルグループ作れば毎回無料で最前列チケット確保出来るじゃん!!!!!!握手も!!!!!!!チェキも!!!!!!取り放題!!!!!!!すごい!!!!!!!!」
「これは…やるしかねえ!!!!!!」
「…という訳で」
「ボクが経営するアイドルグループに入ってくれませんか!」
『あの』
「なんでしょう」
『アイドルって…何ですか?』
そうだった。何せここは異世界。アイドル等という近時代的概念が存在する筈が無いのである。迂闊であった。ウカツ!
「え…と。アイドルってのは…神様みたいな物で…」
『???』
「…いや。歌ってるだけでお金が貰えるお仕事だよ」
『なんですかそれ!すごいです!やります!』
…誘い文句がいかがわしい。まあ事実しか言ってないのでヨシ!
「よし…でもアイドルは一人じゃダメだな。やっぱり人数が欲しい」
「ムラ・ムスメちゃん。知り合いで可愛い子いない?」
『いますよ!待ってて下さい!』タタタタッ
「元気だなぁ…若さがまぶしい」
『呼んできました!隣の家のツン・デレちゃんです!』
【べ、別にアイドルやるなんて言ってないんだからねっ!】
この子がツン・デレちゃんか。そういえば数回すれ違った気がする。そしてこの子も恐らく俺に惚れている。だが見て見ぬ振りをする。これが
「そこを何とか!お願いします!」
【キ…キ…】
「ん?何?」
【キスシテクレタラ…イイヨ】
か、かわいい~~~~。だけど心を鬼にして…
「…あのね。アイドルはそんなに簡単にキスするとか言っちゃダメだよ」
「ライブでお客さん100万人呼べたらキスしてあげる」
【シュン…】
【…分かった!私お客さん100まん人呼ぶ!】
『100まん人!がんばるぞ!えいえいおー!』
…これでいい。軽率にキスなんかしたら恋愛フラグが立っちゃうからね。アイドルグループを作る以上皆を平等に愛さなきゃ。そういった事がグループ崩壊の要因に繋がりかねないのだ。
『ところで』
「何?」
『100まんって…どのくらい?』
【村の人みんな集めれば足りる?】
こいつら…ッ!そもそも100万の意味を分かってねえ!いやそりゃそうだよな!日常でそんなに大きい数使う機会無いもんな!うん!ごめん!
「100万ってのはね…」
「この村の人口を一万倍した数だよ」
【『????????』】
「えと…つまり」
「この国の人間を全部集めなきゃダメ…ってコト」
【『…………………』】
【『無理でしょ』】
「確かに」
「まあまずはライブを開こっか。おうたとダンスのれんしゅうしようね」
【『ライブってなに?』】
「…………………」
おわり
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