Perpetual-Motion

わたし、を白い―白い箱が包む。


一つの白箱は2つになり、4つになり、8つになり、16つになり。

やがてatomとして私の肌―きのうと「なんら」かわらない―を寸分無く頬張り尽くす。atomのはいでるすきまもない、というやつだ。


そして、献饌なるぶざあが鳴り響く。


「彼女―「keiko」72835号―は昨日の12:00時と比較し頬のatomが「およそ8こぶん」欠けています。ただちに修正をおこないます」




がちゃがちゃがちゃがちゃがちゃ。


幾万回とみてきたとてつもなくおおきな機械ががちゃがちゃがちゃがちゃとおとをたててわたしのほっぺたにおそいかかってくる。


ギュイイイイイイイイイイイイイイン!


うるさい!うるさい!うるさい!うるさ…もうだめだ。むだなのだ。すべてはむだなのだ。わたしはおよそ8じかんこのおとをきいた。ぎゅいいん!


えいえんが、おわる。


そして、献饌なるぶざあが鳴り響く。


「彼女―「keiko」72835号―は昨日の20:00時と比較しすべてのatomが保持されています。なにもかもがおなじです。」


静寂。体にぶっさされた100本のくだの液体のながれるおと、じぶんの血液とか心臓のおと、機械がきしきしきしむおとを子守歌にしながら、わたしはねむる。




24じになった。素っ頓狂ならっぱが鳴り響く。


「『うんめいのひ』まであと32658日です!」


「あのひ、全ての世界はおわり、あたらしい世界がはじまったのです!あなたのいちばんの友人、市倉恭子は、あなたいがいのすべてにぜつぼうし!世界をぶっとばしました!『世界にいくらでもあった、はかいへいき』によって、です!』


「そして!市倉恭子は!『あなただけをのこし』!あたらしい世界をつくりました!市倉恭子の!市倉恭子による!市倉恭子のための!すばらしい世界です!」


「そのさいごのひとかけら…それが「keiko」です!「keiko」があたらしい世界におりたったとき…「それ」はえいえんの完成を迎えるでしょう!」


「それまでよくねむるのです!『煌びやかな宝箱の鍵』、「keiko」よ!」




静寂.

体にぶっさされた100本のくだの液体のながれるおと.

じぶんの血液とか心臓のおと.

機械がきしきしきしむおと.




み゛

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