第32話おかいものだよ!いくらちゃん

「ほんとにいいの?いくらちゃん?」


「はーい。今日は自分が奢りますんで。ばーぶー」


「けっこう遠出してきたけど楽しみだねー。街には素敵なお店が多いからねー。実は行きたいお店もピックアップしてるんだよ」


「はーい。たまにはです。ばーぶー」


「あ!まずはあそこ!あそこの古着屋さん!わくわく」


(たのしく店内でお買い物)


「どう?似合うかな?いくらちゃん」


「はーい。すごくいいと思います。ばーぶー」


「でも…、結構高いけど大丈夫?」


「はーい。自分はこれを買おうかと思っています。ばーぶー」


「お!いいじゃんいいじゃん!似合うよー!」


(お会計)


店員さん「ありがとうございます。お会計が48560円になります」


「なんか悪いねえ―。いくらちゃーん」


「はーい。大丈夫です。今日はお財布に十万ぐらい入れてきてますので。ん?ばーぶー」


「いくらちゃん?」


「・・・、すいません。このお店はPayPay使えますでしょうか?ばーぶー」


店員さん「すいません。あつかってません。カードなら大丈夫ですが」


「・・・、すいません。本当に申し訳ありません。財布を忘れたみたいです。ばーぶー」


「えーーーー。そうなの?いくらちゃーん。まあいいよ。ここは俺が払うから」


「本当に申し訳ありません。後でしっかりと清算しますので。ばーぶー」


「ホントにも―、財布を忘れたなんていくらちゃんは『ゆかい』だね」


夕焼けもゲラゲラで子犬もくすくすで明日の天気予報は快晴だけど心はどんよりのいくらちゃんであった。

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