第33話天ぷらだよ!いくらちゃん

(いくらちゃんいきつけのスナック『しーらっきー』のママさん、いくらちゃんのお部屋へ)


「相変わらず物が少ない部屋ねえ」


「はーい。まあ、寝るだけなので。自分は気に入ってますね。ばーぶー」


「そうそう、じゃーん!今日は天ぷらを作ろうといろいろ買ってきたの―!エビでしょ。イカでしょ。キスでしょ。あら、うふ。それに牡蠣も買ってきたのー」


「はーい。これはいいものを買いましたね。天ぷら鍋用意しますね。ばーぶー」


「あれ?二つも使うの?」


「はーい。180度の油と170度の油です。180度の方で形を作り、170度の方で3分揚げますね。ばーぶー」


「そうなんだー。いろいろ詳しいのね!うふ♡」


「いえ、昔、天ぷら専門店でバイトしてましたので。そこで教わりました。ばーぶー」


「じゃあ、てんぷら粉を用意するわね」


「はーい。ばーぶー」


「お野菜もいろいろ買ってきたの♡」


「はーい。そうみたいですね。春菊がありますね。これは最高です。ばーぶー」


「じゃあ、私が揚げるわね。あれ?エビが曲がっちゃう。牡蠣がすごく小さくなっちゃう。いくらさん?」


「はーい。まず、天ぷらでエビを挙げるには伸ばさないとだめです。こうやって腹に包丁で切れ目を入れると伸ばしやすいですね。あと、牡蠣やイカなんかは打ち粉をつけないと小さくなります。こうやって、てんぷら粉をつけてやってですね。もう一回やってみてください。ばーぶー」


「あ!ほんとだ!エビもまっすぐできれいだし、牡蠣も大きいままだわ!」


「見ててください。ばーぶー」


(いくらちゃん。春菊に水で溶いたてんぷら粉をつけ、油に入れてから左右に動かす)


「すごーい!きれいに広がってるー!!すごいわ!いくらさん♡」


(天ぷら完成。冷やしておいた缶ビールで乾杯の準備)


「あらやだ!天つゆ買うの忘れてたわ!!」


「はーい。塩でいただくのもいいです。いろいろありますので。今日は『藻塩』でいただきましょう。ばーぶー」


「あらやだあー!すごくおいしいー!いくらさん♡」


「今はスーパーのお惣菜も充実してますからね。こうやって家で揚げたてを食べるのもたまにはいいですよ。ばーぶー」


「うふ。私も『あげよう』かなあ♡」


「ごほごほ。ばーぶー」


この後、また使えるように油を専用の入れ物にいれ、洗い物もすべて自分でやったいくらちゃんであった。

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