プロローグ:「記念日」

 その世界が醜く見えてしまうのは、そこに自分が存在するから。


 その世界が美しく見えてしまうのは、そこに自分が存在しないから。


 あの世界も、この世界も、その世界も、悉く美しく、汚い。


「失くす」「手に入れる」

 

「立ち止まる」「進む」


「旅立つ」「帰る」


 すべて紙一重。見方を変えると同じ事。


 どんなに辛く険しい道のりだとしても、その道のりは結末へと向かう。


 目指す場所はここだ。


 どんなに辛く険しい道のりだとしても、必ず帰ろう。


 目指す場所は、ここだ。

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