プロローグ2:「旅立つと決めた記念日」
この世界が好き。この国が好き。この街が好き。
この言葉たちにはどんな意味があるのだろう。
この言葉を言う人たちはどのようなことを思い言っているのだろう。
ふと黄昏れ、そう思った。
本心で言っている人はいるのだろうか。
何か別の思惑があるんじゃないだろうか…
んー例えば、
そんなこと言ってる俺かっけえ。
とか、
そんなこと言ってる私まじセンシティブ。
とか。
心の底から思っている人はいるのだろうか。
ちなみに俺は思っている。
この世界の綺麗さや、汚さ、全て引っくるめて。
この綺麗な空も、この海も、この島も、今寝転がっているこの大地でさえも。
一歩足を踏み入れれば決して帰ってくることは出来ないと言われる禁断の森も今なら入って出てこれるんじゃないか。
なんだろうこの感じ。全て上手くいく気がする。
この世界は謎が多い。俺の知らないことも多い。
今この手にある世界の理を覆す四角い箱も
宝石がじゃんじゃん湧いて出てくる木槌も
夢をなんでも三つ叶えてくれる七つの玉も
だけどこんな小さな世界では謎はいつまでたっても謎のまま。
手に入れることさえできない。
だから今日は旅立つと決めた日だ。
旅立つと決めた記念日なんだ。
彼にとって唯一の宝物、その音楽が流れてくる"四角い箱"を耳元に起き、心地の良い音楽に身を委ねる。
そして日は傾き始めた
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