第10話 In a world without sadness.
悲しみのない世界に行きたいとふと思った。
誰も悲しむことのない、平和な世界。
誰も苦しむことのない、平穏な世界。
誰も激怒しないような、平安な世界。
そんな世界に、行きたいと思った。
だけど、
それじゃあ私は、
私じゃなくなる気がする。
それじゃあ私は、
あなたに出会えなかった気がする。
ねぇ、悲しみってなんですか?
悲しみがなければ、
幸せが分からないんですか?
私はもう、見たくないんだ。
これ以上誰かが傷付いて、
悲しむ世界を。
これ以上誰かが嘆き続け、
苦しむ世界を。
これ以上誰かが大声で叫び、
激怒する世界を。
だけどそれがなければ、
幸せにはなれないんですか?
ならば
できるだけ大きな、平和な希望を。
できるだけ多くの、平穏な時間を。
できるだけ沢山の、平安な日々を。
私たちは、願い続けよう。
明日よりもっと、幸せな今日を見つめよう。
きっといつか、
そんな日々が続いていく。
そう信じて歩いていこう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます