第31話 この先にいる先輩



 自宅に戻って作戦会議中。なんの作戦会議だって? そりゃ志保先輩を救おう大作戦に決まってるじゃないか。

 ちなみにメンバーは俺一人だけ。相手は三島財閥全員です。これ無理なんじゃね? 愛があるならとか気持ちがあるならとか言うけどリアルで無理じゃないですかね?

 そう頭を悩ませても何も問題解決しねーし、ただ時間だけ過ぎて行くし。でも付き人? 的な人が可哀そうだと言っていたならその同情を上手く使って志保先輩を救い出す事は可能じゃないのだろうか?

 金ない学もない高校生の正義感と雇い主である財閥の頭の命令……そりゃ圧倒的後者だよなぁ……俺に加担するメリットって何も無いもんな~。


「けど……なにかしら行動は起こさないとな……」

「優一、あなたにお客さんよ。なんか私知らない人だけどあなたに通せば分かって貰えるって」


 そんな矢先、俺の家を訪ねてくる人が居た。母さんにそう言われて玄関まで出ていくと、そこにはアノ人がいた……


「え……」

「古賀さんにお話がありまして」


 その人は俺の前で志保先輩を連れ去った男の人、張本人だった。


「あの、なんの用でしょうか……?」

「三島様。旦那様が古賀さんにお会いしたいと言っています。志保さんが家出をしている間はお世話になったと、お礼がしたいとのことです。一緒に来てもらえますか?」


 どうやって志保先輩の家に忍び込むかとか考えていた矢先に、まさかの家に上がれちゃう案件が降ってきた。メチャクチャ頭悩ませていたのにそこんとこどうなんですか……? っとは思うけど今はいちいち手段を選んでいられないので行きますとだけ言って、すぐにお付きの人の車に乗り込んで三島家へ、志保先輩の元へ向かって行った。






 ▼






「うわぁ……」


 見るからにお金持ち。ザ・お金持ちだった。敷地内に入る為の門をくぐってからまたさらに車で移動とかマンガとかドラマでしか見たことないし……着きましたと言われて外を見るとメイドさん? みたいな人が4人も出むかえてくれましたし……


「初めまして古賀さん。姉さんが大変お世話になりました」

「こ、こちらこそ初めまして……えっと……」


 姉がって今この人言ったよね? 志保先輩に妹って居たんだっけ? あんまり家庭の話は踏み込んで聞かないから知らなかった。


「君は志保先輩の妹さん?」

「はい、三島みしま真帆まほです! 姉の1つ下で高校1年の年ですね。古賀さんに出会えてとても光栄です!」

「そ、そうなんだ。から知らなかったよ」

「そうですか。別にいいんです仲悪いですから。では早速案内しますね!」


 茶髪の髪を肩ぐらいまで伸ばしたセミロングのヘアースタイル、志保先輩とは違い人付き合いとかは得意そう? 志保先輩が物静かでクールなら彼女は明るく活発なイメージだった。

 自然に手を引かれて家の中へと入っていく。家の中に入るとまたさらにメイドさんや執事が合わせて6人も居た。


「うわぁ……」

「どうかしました?」

「いや、マンガみたいだなって……」

「あー、確かにそうかもしれませんねっ! 姉さんとお父様は二階の奥の部屋で待っていますので、そこまでご案内しますね」

「は、はい……」


 この階段を上った先に、奥の部屋の扉を開いた先に志保先輩がいる。早く一目会いたいって気持ちと、志保先輩のお父さんに何を言われるかって不安が押し寄せてきた。




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《令和コソコソ噂話》


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