第11話
いったい美沙は急にどうしたのだろうか?
アルバムの写真を見ていたと思ったら急に写真を撮った北陸に行ってみようかと呟くなんて、最近の美沙では考えられない行動力だ。
彼女の中で何があったのだろうか。
そんなことを考えていると、隣にいたはずの美沙は自分の部屋に戻っていた。バタンバタンと音が聞こえてくることから、どうやら行く準備をしているらしい。
「準備するのはいいけど、先にホテルとかから予約しなきゃなんじゃ?」
バタンバタン聞こえてくる部屋に目を向けながら心配してると、どうやら美沙もそのことに気づいらしい。
「⋯⋯あ、先にホテルとか予約しなきゃ」
よかった。あのままだと荷物が準備出来次第家を出て、現地についてからそのことに気づきそうな勢いだった。これで彼女が北陸の夜途方に暮れることもなくなっただろう。
「⋯⋯このホテルでいいや。」
どうやらホテルも決まったらしい。いったいいつ行くつもりなのだろう。準備をしていたから、すぐ行くことになるだろうが、僕もついていくことはできるだろうか。一定の距離より先にはいけないなんてことがなければいいけど。
美沙はそのまま準備に戻るかと思いきや、そのまま携帯から電話をかけ始めた。
「もしもし、雪美さん。美沙です。明日から北陸に行くことにしたのでしばらく家にいません」
どうやら雪美さんに電話をかけているようだ。行っている間にこの部屋に誰もいないことを知らない雪美さんが来てしまうということを避けるために電話したらしい。
また慌ただしく準備を始めた美沙を横目に僕は明日からのことに意識を向けるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます