第11話出会い
第一印象はめちゃくちゃ可愛い人、だった。
その人は年下で来年同じ高校に来ると言っていた。
つまり後輩になる訳だ。また騒がしくなるのかなって楽しみもあり怖さもありって感じだった――
俺の家系は少し特殊で、一般家系とは言えない家系だ。
と言うのも母親が元アイドルなのだ。
そのアイドルグループは"アフタヌーンガールズ"と言って今も尚人気で、俺の母親はそのグループの初代リーダーを務めていた。
「普通の女の子に戻ります」
この台詞は母親が引退する時に言った言葉で今も尚名言として語り継がれてる(当時の映像も残ってる)
なんで引退したのかは分からないが、それが衝撃過ぎて伝説のリーダーなんて異名が付いてるぐらいだ。
しかし俺個人としては母親の過去なぞ全く知らなかったのが、ある日周りの俺を見る目が違う事に気付いた。
男である俺は外でヤンチャしたりする普通の子供だった。
だが、小学校の先生は
「大事な体なんだから」
と言って俺が外で遊ぶのを嫌がった。
そんな時俺は言うんだ
「なんで外で遊んじゃいけないの?」
そしたら大人達は決まってこう言うんだ
「麟太郎君は普通じゃないんだから怪我なんかしたら責任取れないから」
当然俺は意味が分からなかった。
普通じゃないってどう言う事?毎日それが頭の中でクルクルクルクル巡っていた。
そんなある日…小6ぐらいの時、俺は自分の母親の事を知る。
それから今までの先生や大人達の自分に対する態度を理解した。
そう自分は普通じゃない!と理解してしまったんだ。
誰もが憧れたアイドル…その子供に周りは期待している。同級生すら未来のアイドルと信じて接してくる。
この人達は普通の自分を見てるんじゃなく普通じゃない(アイドルの)自分を見てるんだ!
…と、毎日が辛かった。
だから中学校は遠くの学校に通いたいと思った。
その事を母親に言って俺達家族は引っ越す事が決まった。
そして心機一転の中学生生活で俺の考えは180°変わる事になる。
そう
美影とは母親同士仲良いから昔から知ってたのだが、住んでる場所が違うので一緒の小学校に通う事はなかった。
だが、俺の事を利用して…って言い方は酷いかもしれないが、引っ越しを機に隣同士に住む事にした。
自動的に同じ中学校に通う事に。
美影に聞くとやっぱり美影も同じ様な思いをしていた。
だが、こいつは
「そんなの関係ないよ!私達は私達!母親は母親!!周りの期待なんか知ったこっちゃないよ!」
そう言い放ったんだ。
俺は衝撃を受けた。それと同時に{うじうじ}悩んで周りの目に振り回されてた自分が馬鹿らしくなった。
そんな始まりだったから中学校生活は楽しかった。
俺は普通だ!普通で良いんだ!と普通である事に喜びを感じた。
でも確かに普通じゃない事はある。
それは美影の事もそうだけど、もう一つある。
美影の母親は超有名な女優の
それともう一つ
アフタヌーンガールズの二代目リーダーと言う顔もある。
俺の母親が初代リーダーで美影の母親が二代目リーダー…母親同士が仲良いのも納得してくれただろうか?
俺の母親は電撃引退したから後輩達との接点はない(伝説として語り継がれてるけど)
その点、
なので、その後輩達の相談とか聞いたりしてる。
その日は俺と美影は普通に高校に行き普通に帰路に着いた。
家に着くと美影が
「今日お母さん居るから会いに来ない?」
って言うもんだから
「久々だな〜行くよ!」
って感じで隣の美影の家に入った。
そしたら見慣れない靴が2着あって、お客さんが来てるんだと俺も美影も理解した。
すると
「あ、美影〜ちょっと来て」
と美向さんの声がする。
「ルーくんも行こっ!」
と手を引かれ俺は広くて綺麗なリビングに通される。
リビングのソファには美向さんと2人の女性が座ってて
「あ、りんちゃんも居たの!丁度良かったわ」
と手を{パン}と叩き鳴らす。
ソファに座ってた女性2人が立ち上がりこちらを見る。
2人ともめちゃくちゃ可愛い女性だ。
「こちらねアフタヌーンガールズ6代目リーダーの
と美向さんが紹介する。
先程も語ったかもしれないが、アフタヌーンガールズは今も尚人気のアイドルグループだ。
だから知らない訳がない!!
「えっ!!!?しっちー!?」
こう声を荒げるのも無理はない。因みに声を荒げたのは俺だ。
「私の事知ってくれてるんですね」
そう言ってニコッと笑うしっちーはとても尊い!!!
「そんでこの子が私の娘の美影で、隣の子は
「えっ!!!?夏子って伝説のリーダーの??」
しっちーが驚きながら言った。
「そーそー!その子供が麟太郎君よ」
こうしてお互いの自己紹介が終わった時、美影が手で扇ぎながら呟く様に言った
「今日暑かったから汗でびしょびしょだよ〜…美女がびしょびしょってね…」
「美女の
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