第二時限目

空を飛んで約2時間半。




あたし達は無事沖縄に降り立つ事が出来た。




今回の2泊3日の旅行は、1組~4組グループが先に出発し、1日遅れて残りの5組~8組のグループが到着する予定になっている。



1組である桂太君と2組の菜緒とは、宿泊するホテルや建物見学等全てが一緒。




拓と同じ4組のあたしには、それがせめてもの救いだった。






1日目は1ヶ所のみの見学で終了。




あたし達はバスでホテルへと向かい、決められた部屋で一休みする声にした。




「スチュワーデス、綺麗な人ばっかりだったね!!」




興奮気味なタカが、相変わらずの可愛い笑顔であたしに話し掛けて来た。




「だね(笑)男子なんか一緒に写真撮って貰ってたじゃん」




「本当!?まぁ、でもこんな時じゃないと話し掛けれないからね(笑)」




部屋の中にはあたしを含め4人。




皆2年になってから仲良くなった子達ばかりだったが、それなりに楽しく居座る事が出来た。



そして夕方。




あたし達は大広間で夕食を取る事になった。



「結芽っ、バイキングだよ!」




「タカちゃん…絶対多く取り過ぎて残すタイプでしょ…」




「だってケーキだけでも4種類もあるんだよ!?食べなきゃ損だよ!」




(痩せの大食いってタカみたいな人の事を言うんだな…)




メニューは何処の家庭にでもありそうな一般のおかず。




でも、雰囲気が変わると何故かそんなメニューも珍しく見えてしまうもの…




(よし、太って宮城に帰るか…)




タカの影響を受け欲を丸出しにしたあたしは、とりあえず一品ずつお皿に盛りテーブルへと座った。





いただきますの音頭は、何故かうちのクラスの担任田村。




「よぉーしっ!じゃぁ右手と左手を合わせて…いただきますっ!!」




(なんじゃその音頭は…普通にいただきますでいいってのに)




田村の音頭に生徒全員が引きながらも、楽しい晩餐が始まった。



「結芽美味しいねっ」



タカが口一杯に食べ物を頬張りながらあたしに言う。




「そうだね…ソーセージだけど…美味しいね…」




(このぉ…ソーセージで喜んじゃって…可愛いなぁ)




些細な仕草ですら可愛いタカに、目を奪われていたあたし。




その時、少し離れたテーブルに座っていた霧島君がお皿を持ちながらあたし達の所へやって来た。




「竹内欲張りすぎっ(笑)」




「…あたしじゃなくてタカでしょ」




「タカちゃんは何しても許されるからいいんだよねっ!タカちゃん!」




霧島君とタカが笑顔で頷き合う。




「はいはい…タカといるあたしは備え付けのレタスみたいなもんだからねぇ」




「何で!?結芽は可愛いよ?ね、霧島君っ」



「だね。少なくとも俺の目には可愛く映るけど~!?」




(こいつら…)




お世辞でも可愛いなんて言われてしまうとやっぱり恥ずかしい。




「だ、第二弾行ってこよっ…」




恥ずかしさを紛らわす為、あたしはバイキングコーナーへと再び向かった。


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