第6話 初めての外国人雇用で失敗しないために
ここまでお話ししてきたとおり、外国人雇用にはたくさんのメリットがあることはお判りいただけたと思いますが、初めて外国人を雇用する場合は不安に思われることも多いでしょう。
受け入れ側がしっかりとしたとした知識を持っておかないと、コストをかけたにもかかわらず失敗に終わってしまう可能性もあります。
こんなはずではなかったと後悔しないためにも、あらかじめ起こり得ることは想定しておき、それに対処できるように工夫することも大切です。
たとえば、無事に採用できたとしても、日本人社員とうまくやっていけるのか、すぐに辞めてしまうのではないかといった懸念があると思います。
これについては、面接で判断するしかないのですが、もし安全策をとりたい場合、初めての外国人雇用では、海外からの採用ではなく、日本の学校を卒業した留学生を採用したほうが無難です。
留学生の場合、日本語学校で1~2年、その後に専門学校で2年としても、最低でも3年以上は日本で暮らしています。
最低限の日本語と日本の習慣を理解していますので、日本人社員とのコミュニケーションの問題や、すぐに辞めるリスクは少ないでしょう。ちなみに、国際結婚においても、日本 の学校を卒業した留学生と結婚したほうが、離婚率が圧倒的に低いというデータも出ています。
本書では、優秀な人材を見極めるための選考時のコツや方法を丁寧に紹介 していきますので、初めての外国人雇用を成功させるために、ぜひ本書の内 容を実践していただければと思います。
次に、雇用に関する手続きが大変なのではないか、という懸念があると思います。
確かに、一人目の手続きはそれなりに大変です。慣れてしまえば自生でもできなくはないのですが、外国人の就労ビザ申請は、頁維な手続きが多いだけでなく、法的な内容もかかわってきますから、可能な限り、就労ビ ザ専門の事務所に依頼することをおすすめします。
日本全国には、著者の事 務所を含め、外国人のビザを扱う事務所が100以上ありますし、本書で は、優良なビザ専門事務所の見分け方も紹介していますので、参考にしてください。
目次
外国人雇用を始める前に
外国人採用の流れ
外国人雇用を始める前に
不法就労の不安を払拭!
これまで外国人雇用のメリットについてお話ししてきましたが、実際には不法就労のニュースを聞くことも多いと思います。そのため外国人を雇うことは法的にもいろいろと 難しいのではないか、と思われている方もいらっしゃるでしょう。
簡単に説明しておくと、不法就労とは、外国人が日本の法律に違反して仕事をしていることです。一番わかりやすいのが、就労ビザを持っていないの に外国人が日本で仕事をすることでしょう。
これは、外国人本人はもちろんのこと、雇用者も罪に問われることになり、雇用者側も「ビザを持っていないなんて知らなかった」では済まされない事柄なのです。
また、就労ビザは1年、3年、5年という期限もありますから、雇った時に本人がビザを持っていても、その期限が切れたまま働き続けていた場合、これも不法就労になります。
とはいうものの、こうした知識をしっかり押さえて順を追って段取りすれば、どうということもないので「知っておくこと」が重要です。
外国人採用の流れ
では、実際に自社で外国人を雇用する場合、一体どんな手順を踏んで、採用を行えばよいのか、まずは次のフローをみてもらって、外国人の求人から採用までの流れを確認しておきましょう。
求人を出す(人材紹介会社など)
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書類選考
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面接(一次面接~最終面談)
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内定
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就労ビザの申請
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就労ビザの伸さ(入国管理局)
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就労ビザの許可
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正式採用
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入社
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ハローワークに届け出
つまり、就労ビザの申請、審査、許可、入社後のハローワークだけが追加の作業といったところでしょうか。
大前提の話になりますが、外国人が日本で働く場合において、原則として就労ビザを申請する必要があります。
現在、約6種類の就労ビザがあって、本人の学歴や仕事内容によって、どのビザを取得できるのかが決まります。
就職(内定)すると自動的に就労ビザがもらえるわけではなく、会社や本人が申請して、審査をパスして初めて取得できる仕組みになっています。
そして、外国人を採用した場合、入社後にハローワークへの届出を行うことも必要ですから、ハローワークへの届け出を通して「外国人雇用状況の報告」を厚生労働大臣に届け出なければなりません。
この届出はすべての会社に義務付けられており、届出事項は、外国人労働者の氏名、在留資格、在留期間などです。
いずれも在留カードを見れば書ける情報ですので、必ず出しておきましょう。
これで外国人の求人から採用までのざっくりしたフローはご理解いただけたかと思います。
日本人の採用と大きく異なるのは、就労ビザに関する部分だけなので、拍子抜けだったのではありませんか?これは日本人の採用には必要のないステップですが、慣れればそんなに手間でもありません。
初めて外国人を雇用するときに最初にする事は、この就労ビザに関する作業です。
しかし、就労ビザ申請については、さまざまな書籍が既に存在しているので情報収集は難しくありませんし、前述のように就労ビザ申請を専門にしている事務所に依頼すれば、煩雑な手続きは必要ありません。
成功報酬でやってくれる行政書士事務所もあるので、探してみてください。お問い合わせいただいたら紹介くらいはできます。
ただ、優秀な外国人から応募がくるかどうか、書類選考や面接でほしい人材を見抜けるかどうかは、日本人を採用するときと同じで採用する側の知識や経験によります。
そして、採用後に本人がうまく職場に溶け込んで組織の一員となり、存分に能力を発揮できるかどうかは、採用後の育成力にかかっています。
本書の大きなゴールは、就労ビザ申請の手続きに関してだけでなく、次のステップとして外国人の募集から採用、その後の育成についてまで、外国人雇用を成功させるための戦略をお伝えしていきますのでご期待ください!
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