禁断の果実

阿佐ヶ谷ピエロ

      禁断の果実

その夜、わたしは接待帰りで、少し酔っ払っていた。普段のストレスもあったのだろう、つい魔が差して禁断の扉を開けてしまった。

そして、そこにはまさに、禁断の果実としか表現のしようもないほどの美女が横たわっていた。

わたしは、酔った勢いも手伝って、とうとうその果実に手を出してしまったのである。

それは、まさしく甘美にして豊潤な瞬間であった。そしてそのあと、わたしはなんとか

冷静さを取り戻し、深い眠りについた。

翌朝。わたしが目を覚ますと、妻が枕元に立っていた。わたしは思わず氷ついた。

妻はそんなわたしにこう言った。


「なんで食べちゃったのよ。私のアイスクリーム!!」

              


                 終わり

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禁断の果実 阿佐ヶ谷ピエロ @20060204

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