3日目

今日は少し長く車を走らせる。

道は平坦だが、単純に距離がある。休憩をはさみながら目的地へ向かった。


魔法と科学が同時に存在する場合、多くは合体して魔法科学と言えるものになる。

しかしこの二つが反発している場合は、理由は主に思想の違いだ。

この星では、科学を推進する民族と、魔法を信仰する民族が、代わる代わる侵略と衰退を繰り返し、年代によって全く異なる文化を築いてきたのだという。

そしてその歴史の中には、お互いが譲歩し共存した時代も存在する。


目的地は思ったよりも大きかった。

維持魔法が施行されているのか、今までの中で一番年代が古いはずのコロッセオは状態が良かった。


アーチが美しい、正面玄関と思しき場所から中へ入る。


外側と違い、中はやや崩れ落ちた場所が見受けられる。

一番損傷が激しいのは、やはり精密機械の部分のようだ。人工物と維持魔法の相性はあまりよくないらしい。


思っていたよりシンプルな造りの内部を抜け、闘技場へ。


この時代の二つの民族は交わることはなかったが、しかし争いを平和的に解決するため、スポーツによって決着をつけていたらしい。

しかしそれも長くは続かず、どの地域からも遠いこの地は早々に捨てられた。


今日はコロッセオの中で良い場所を見つけたので、そこで眠る。

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