マゴラと双子

第7話 爆風の先

「うっ!」

 壁に思い切り叩きつけられる。鈍い痛みを感じ、同時に体から空気が奪われた。背中を壁につけたままずるずる床に落ちる。柔らかい素材に尻を包まれながら息を整えた。首飾りを握り、顔を上げる。何度かまばたきを繰り返してピントを合わせた。

 ここは紛れもなく宇宙街の地球ゾーンだ。視界の先には地球があるし、アジャスト設定機も見える。場所は変わっていない。ただ飛ばされただけ。なぜ爆発したのかは全く分からない。

手を入れて抜いた。その手の中に、地球人がいただけだ。

 その時やっとあの双子のことを思い出す。許可なく所有物を外へ出すと爆発する。そういう可能性はないだろうか。

 体が震える。体が痛む。今の爆音でサゴンが来るだろう。その前になんとかできないものか。

 マゴラはゆっくり立ち上がった。打ち身に打ち身を重ねて体はかなり疲労しているが、歩けないことはない。辺りを見回して双子の姿を探す。アジャストループを通ったことは確かだから、近くに投げ出されているはずだ。しかし探せど探せど双子は見つからない。マゴラより小さいから遠くに飛ばされたのかもしれないが、そうだとしても限度はある。

 緩慢に歩き出す。アジャスト設定機を指針にする。直方体に近づいて裏を覗く。何もない。顔を上げてその先を見る。

「……あ」

 少し先にピープレットが落ちていた。若干早歩きで近づく。傷がないことを確かめようとする前に、その横にある塊に気が付いた。

「そんな……」

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