みんな異能を使ってスカっと仕事をこなしてドヤアってしたいのだ。
- ★★★ Excellent!!!
本作は、いわゆる「現代異能もの」にカテゴライズされる作品だ。
人狼、吸血鬼、魔術師、サイボーグ、超能力者、武術の達人、天才的運転技術、超人的ハッカー等々の一芸をもった異能力――それらを、現代社会での「お仕事」に活かすことができたら? というifが物語の根幹になっている。
……何かしら仕事に従事したことのある人なら誰でも、「こんなクソ面倒くさいことやってられっか!」と憤慨したり、「××できたらこんなの楽勝なのに……!」と嘆息したりしたことがあるはずだ。
本作においては、そんな願望が実現している。
困難な仕事やしち面倒くさい仕事を、異能力を使ってスカっと解決! これが気持ちよくないはずがない。
また、キャラクターの配置も絶妙。
主人公の亘理陽司は年中金欠の大学生で、生活のためにやむなく異能力者の跋扈する業界で仕事をしているわけだが、彼は基本的には「人よりちょっぴり小賢しくて小器用な奴」に過ぎず、知識と機転を武器に、超人揃いの異能力者達と渡りあう。これが実に小気味が良いのだ(無論、それだけでは終わらないのも魅力の一つ)。
陽司とは真逆の能力はズバ抜けているが知識と経験の足りない相棒の真凛との掛け合いや、毎話登場するゲストの同僚たち、そしてもちろん敵対する異能力者達との関係性も魅力だが、ここで語り尽くすことは難しいな。
ぜひ、本作の魅力は本編を読んで確かめてくれ!