第7話 死闘!黄金巨壁ミダース!!
それからオレは順調に勝って、勝って、勝ち続けて。ついに予選最終戦、6回戦まで勝ち上がった。予選最後の対戦相手は
でも、まあ。大会中の
会場に入って一息つけば、あと5分で試合開始だ。心臓が高鳴る。これが、晴れ舞台かぁ。この大会中に、オレが兄貴の弟だってことは所謂公然の秘密になっていたので、
魂が
「
「
「
悪意をぶつけられて崩れ始めていたミダースの
「
雷鳴のような低い声がフィールドをビリビリと揺らす。足元の影からじわじわと魔力が吸われていく感覚。攻防一体、吸収型の
「
ちょっと遠い分いつもより長く、臓腑を貫いて刃が伸びる。いくらオレが
「
「
声はほぼ同時。この分だと発動順は
「『吹き荒れろ血嵐、爆ぜよ我が刃』」
「『戦場に響く凱歌、不朽の黄金巨壁』」
黄金巨壁はミダースの称号、ということは称号に紐づいた
「やるな……だが」
血嵐が止む。ズタズタに裂けた
「これは、まさか……」
「そうとも。傷は返させてもらったよ」
ミダースの笑い声が響く。ダメージ総量的には自傷ダメージを受けてる分こちらが不利か。判定勝ちに持ち込むのも厳しいだろう。それなら。こちらも
「
自分の発動した
「ほう、うつくしいな」
「だろ。でも、まだこれからだ。とびっきりの一撃をくれてやるよ」
オレは不敵に笑って、一歩下がる。さあこれから
「
オレを中心に、水面に落ちた桜の花びらが舞い上がる。くるりと反転する花びらは緑の葉になり。風が吹く。揺れる水たまりに映る背後の大樹に生い茂るのは青々とした葉。舞い上がった葉が再び水たまりに落ちる頃には、オレの
無論、
「ふ、君の方が一枚上手だったということか……降参するよ。見事だった」
ミダースが自嘲気味に笑い、両手を上げる。魔力切れを待たず、投了を申し出たということだ。「YOU WIN!!」の表示を無視して、オレはミダースの方に寄っていく。
「そっちこそ。奥義の切り方とか、すっごくカッコ良かった。正直、次は勝てそうにないや」
「それは光栄だ。本戦も頑張れよ、少年」
オレとミダースは握手を交わし、接続を解除する。魂が体に引き寄せられる嫌な浮遊感、もうすっかりなれたそれに身を任せて、オレは現実の
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