第6話:決別

 塵と雌豚を半殺し、いや、七分殺しと九分殺しにした。

 塵は何度も何度も苦痛を味合わせてやるために、ぜったに死なないように、頭部と胴体の中は損傷させなかった。

 顔は二目と見られないようにしてやったが、脳には損傷させていない。

 胴体は、胸や内臓には損傷を与えていないが、皮膚を剥ぎ肉をむしり取った。

 雌豚は死んでもいいので、内臓を引きずりだして口に咥えさせてやった。


「さあ、家に帰ろうねターニャ」


 俺はターニャをお姫様抱っこして家に、領地に帰ろうとした。

 だが、それを邪魔する者が現れたのだ。


「ボドワン卿、王家の命もなく役目を放棄した事、国家反逆罪に相当する。

 国王陛下から逮捕の命令が下された、大人しく従え。

 申し開きがあるのなら、陛下に直に弁明するがいい」


 そういうことですか、なるほど、よくわかりました。

 王家の秘宝を、塵が勝手に持ち出したのかと思っていたが、国王、いや、ルマンドもグルだったのだな。

 ふっふっふっふっ、これで報復する相手が増えた。

 

「お前ら、事情を知ったうえで言っているのだろうな?

 だったら簡単な話だ、命懸けでかかってこい。

 この悪行のグルなら、そこに転がっている塵や雌豚と同じようにしてやる」


 俺の言葉と視線を受けて、逮捕に現れた騎士達が視線を動かす。

 そのスキを見逃す俺ではない、一気に間合いを詰めて、連続蹴りを繰り返す。

 だが、それでも、お姫様抱っこしているターニャには全く影響を与えない。

 こいつらは同罪だから、本当は苦しめてから殺したいが、今回はできるだけ早くターニャを安全な場所に連れて行きたいので、一撃で殺す。

 頭部を粉砕して殺し、胸に大穴をあけて殺す。

 二十人ほどいた騎士を直ぐに皆殺しにしてやった。


「そこを開けろ、邪魔すれば殺す」


 俺は王宮部分から王城部分に移動できる城門に辿り着いたが、やはりそこを護る騎士や兵士がいて、俺の邪魔をする。

 

「ボドワン卿、国王陛下の命に従え、陛下の慈悲に縋れ」


「くっくっくっく、陛下の慈悲、あの腐れ外道の慈悲に縋れだと?

 今回の事情を知っていて、よくそのような事を口にする。

 それで騎士だと、笑わせるな、腐れ外道の飼い狗が、狗は狗らしく遠吠えだけしていればいいんだよ、腰抜け」


「おのれ、不忠者が、言わしておけば、死ね!」


 馬鹿が、俺の両手が塞がっているから、勝てると思ってかかってきやがった。

 その程度の腕で、俺に勝てると思っているなど、笑止。

 俺はターニャの眠りを邪魔しないように、上半身は微動だにさせず、下半身だけを踊るように使って、狗の剣を避けて蹴りをくれてやった。

 犬の頭部が兜後と胴から吹き飛んだ。

 さあ、地獄の饗宴を見せてやろうではないか。

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