誰がためにベルは鳴る。
白玉ぜんざい
銀髪の魔法使い
「わたしが魔法使いだっていったら、幸介くんは信じてくれる?」
銀髪の魔法使いは、俺に向かってそう告げた。
それは寒空の下、誰もいない裏路地。銀髪の少女の顔はどこか儚げで、だけど優しさのようなものがしっかりと浮かび上がっていた。
俺は、その言葉の意味を理解してはいない。
魔法使いがなんだって?
それは例えば、杖の先から光線のようなものを出すローブを着た人のことか?
それは例えば、大きな帽子を被った火や水を自由自在に操り起こす人のことか?
それは例えば、空を飛んだり瞬間移動をしたり、まるで超能力者とも言える人のことか?
どれも違った。
銀髪の少女は言う。
「魔法使いっていうのはね――」
俺はその日、魔法使いと出会った。
見た目はただの可愛らしい少女。
日本人離れした容姿は確かに海外の人だと思わせる。
だけど流暢な日本語がそれを否定するようで。
そして、そんなメルヘンチックな話をしてくる危ない奴を、それでも俺が魔法使いだと信じるのは、彼女のその力を目の当たりにしたからに他ならない。
みんなの幸せを祈り、笑顔溢れる街を目指し、誰もがハッピーになれる、そんな世界を願う魔法使いのサンタクロース。ならば、サンタクロース自身は幸せといえるのだろうか。
皆の願いを叶えるサンタクロースの願いとは――。
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