第10話
タイムスリップ刃とテトラダイの炎が交錯した。2機のアームヘッドは同時に膝をついた。
「どうやらあなたのようDeathね」
フラガラッハが立ち上がった!
「エリザと再会するのは!」
その時だった。青い光とともに黒いアームヘッドが姿を現した。デスヒコは目を見開いた!
「サダヒコ様!」
「…サダヒコ?」
「俺がサダヒコだ。礼三郎。部下たちが世話になったな。おまえが死ぬ前に一度顔を見ておこうと思ってな」
「おまえか!おまえがいろんな時代で悪さをしてるのか!」
「ふん、…さあデスヒコ。もう十分だ。とどめをさせ」
「サダヒコ様」
「どうして?なぜ自分を倒そうとされるのです?」
朦朧とした礼三郎にはなぜ自分で倒そうとしないのかと聞こえた。
「…しかたない。俺がやろう。どきなさい。デスヒコ」
アダマンティンがゆっくりと歩み寄る。フラガラッハはエーデルワイスの前から動こうとしない。
「どけ、というのが聞こえなかったのか?」
「あなたは自分自身ですら救えないんですね」
デスヒコの言葉は誰に向けての言葉だったのだろうか?フラガラッハは刃をアダマンティンに向けた。
「さよなら、礼三郎」
「デスヒコ!」
二人の言葉が重なった!フラガラッハとアダマンティンが同時に青く光る!巻き込み型タイムスリップ現象だ!
「今度は私があなたを救います!」
2機のアームヘッドは衝撃波とともに消え、崩れた廃工場とエーデルワイス、救われた少女のみが残された。
◉
礼三郎が屋上で佇んでも声をかけるものはもういない。結局誰も助けることはできなかった。彼に残されるのは思い出だけなのだろうか。その後ろで彼と同じ顔をした男が同じ空を見ていた。
「はやく俺のところまでこい」
タイムスリップ・サダヒコはそう言うと彼の後ろから消えた。
終わり
その花の名は みぐだしょ @yosidagumi2000
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