第2話
不良のアームヘッドを大量に倒した礼三郎はため息をついた。なんて弱い。それは敵に対してではなく自分自身に対する思いだった。もっと自分に強さがあればまだ今だって秋那の隣にいることができたかもしれない。アイリーンを恨んでなどいない。アイリーンがあの行動に出たのだって自分自身が弱いからだ。もっと世界の理不尽に勝つ強さが欲しい。強さが欲しかった。
「なかなかの強さだな」
突然の声に礼三郎は驚き、その声の方を見た。一人の力士がレイザーブロウのあしもとで腕を組んでいた。レイザーブロウのコクピットを開き、礼三郎が尋ねた。
「あなたは?」
「俺はホワイトドラゴン!アームヘッド相撲の大関の一人よ!」
力士が答えた。アームヘッド相撲はアームヘッドに乗って行う相撲である。アームヘッド相撲は大関に選ばれた16人によるトーナメントで横綱決定戦を行うのだ。このホワイトドラゴンはアームヘッドに乗って闘う力士なのだ。
「君ならば将来
ホワイトドラゴンは将来のライバルになりえるかもしれぬ男を見つけたのだ。
「しかし…」
礼三郎は突然の提案に答えを決めかねた。
「俺たちから学ぶことはないと?そうは思わんな。君は今、行き詰まっているのだろう?」
それは図星だった。
「きっと君の進むべき道が見つかるよ」
礼三郎はホワイトドラゴンの大きな胸に賭けてみることにした。
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