第4話 ツキ

秋晴れの良いお天気が続く。過ごしやすい季節です、と言われる程に気分は上昇気流に乗れない現実。

風が冷たい。空気が乾く。真夏の暑さで汗で水分が足らずに喉が乾くのとは違う感覚なのだ。とにかく喉の奥がカラカラに乾燥してのど飴を舐める。人工的な甘さの飴ははじめは優しく転がしてるが、舌を動かすのさえ退屈に思う。カタチを残したまま乱暴に歯で噛み砕く音が響く。すぐに飽きる秋だから。


日が落ちるのが早くなったね。

昨日も今日も月が綺麗らしいよ。明日が満月なんだって。

お隣の家の外で遊ぶおばあちゃんと孫の会話を窓越しに盗み聞く。


月でも見上げて見ようか。そういや今月ももう終わる。夜空に浮かぶ月、1ヶ月を意味する月って同じ月だなと当たり前のことを思った。

月と月、夢と夢、ドリームとドリームの関係も同じか。いや違うか。

いやいや関係無くもない。

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