はな六はプロ棋士を辞めてただのアンドロイドになります。


襖 様作


───作者目線ではなく、アンドロイド目線の斬新な作品


【言いたい意味は、読めば伝わります】


小説は主に『会話文』『地の文』で形成されている。

会話文に、各登場人物の個性や性格を出すことは、誰しも自然に行っていると思う。

地の文には主に、心理と情景や行動という大きく二種に分けられ、心理についても、会話文のように個性を出すのはやはり、無意識に行うことだと思う。


そう、この作品は地の文に中でも”情景や行動”なのどの描写に『作者のオリジナリティ』がキラリと光る作品なのだ。そこが最も印象的であり、凄いなと思ったところ。


【地の文で使われる表現がとても自然でありながら斬新】


地の文の表現、言葉選びというのは通常、作者の好みに寄り易い。なので、数作品閲読すれば、それは作者の”個性”や”趣向”として読み手にインプットされやすいものだ。

この作品は、それらを覆すものである。


読み進めてとても驚いたのは、”主人公のアンドロイド”が覚えた言葉で物語が紡がれていくところ。これは、ぜひ実際に読んで体感していただきたい。


『あ、そこはそういう表現になるのか』

とても斬新かつ面白い。そして、自然な流れとなる。


全体が一体化され、完全な一人称と感じるところに凄さを覚える。こんな手法もあるのかと。

タイトルからしてインパクトがある作品でもあるが。

細部の表現も丁寧で、読み手が想像しやすいのも特徴。


戸惑いながらも、一所懸命任務(職務)をこなす主人公のアンドロイドも可愛らしいです。

是非お手に取られてみてはいかがでしょうか?おススメです。

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