トリロン
場の空気が張りつめる。オーラス、2位と40000点差でトップの私に親が回ってきた。
サイコロを振り、出た目のところから牌をとる。ドラは6索。8筒と6索の刻子に2萬対子が1つ、どうやら流れが来ているらしい。
今後絡んでこないだろう西を落とす。他家がそれぞれ7筒、5索、6萬を捨てる。2巡目のツモで5萬を引く。これで対子が2つ目だ。白を河に流す。南家が2萬を落としたので鳴く。タンヤオ対対ドラ3でそのまま勝ち逃げしよう。そう決めた瞬間だった。9筒を落とす。北家が6索を捨てたので鳴く。ドラ4。嶺上から拾った5索を切る。増えたドラ表示牌は7筒。ドラ7になった。今日はやはりついているらしい。
続けて、西家が5萬を切った。勿論鳴く。副露が3つになってしまったが構わない。この三倍満を早く和了できればいいのだ。2萬を引いてくる。槓。嶺上から8筒を拾う、槓。この時点で数え役満になった。気分が高まる。今日はとてもいい日だ。私の勝利は揺るがないらしい。
嶺上から5萬、槓。なんと言うことだ。これで四槓子聴牌である。数え役満と重ねることはできないものの、とても珍しい役満だ。気分がとてもいい。さあ残るは単騎、8萬だ。私は意気揚々と嶺上から牌を持ってくる。西。一巡目に落としてしまっている。ここで組み入れても振り聴になるだけだ。そう容易くはないか、聴牌だけでも僥倖と思いながら河に流す。
「「「ロン」」」
他家が一斉に牌を倒す。小四喜単騎待、四暗刻単騎待、国士無双、、、、、
「はぁ?!?!?!?!」
なんだこの馬鹿げた卓は?!
私の点数は一気にマイナスになってしまった。
第五回作者人狼作品集 ふたつかみふみ @squartatrice
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます