とけない酒
城下町の情景、測量士の手元狂わせる
歪んだ河川に呑み込まれるは
誰も訪れない寂れた公園
壊れたままの遊具は記憶まさぐるその先端で
連れ回された果て、車から見上げた空は
まだらに燃えて濡れていた
乾いた涙はそれでも涙?
そう問いかけたのは赤の他人
それに答えたのも見知らぬ誰か
失敗ばかりの人生にうすい幸せ感じて
ひとり、安酒の夢をみる
若くして死んだ父の、叶わなかった願い
いつかお前が大人になったら、一緒に酒が飲みたい
たった何百円の酒に手がとどかない
夢のとけない酒におぼれ、ただ自身の太ももを殴る
知らなかったなら、それは後悔じゃないのだろうか
幸せそのものだった父の背中に、何を思えばいいのか
その夜、夢をみた
なぜか断酒した父と一緒に、地図の修正をしていた
どうしてだろう、父はこのうえなく幸せそうだった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます