とりめ

じっとこちらを見るのは、錆びて壊れた風見鶏

体に通された串は錆び、ピクリとも動かせない

錆はどんどん広がって、体も次第に腐れてく


時が経つほど風化して、体は錆びて穴だらけ

だけど崩れることもなく、じっとこちらを見つめてる

すかすかのお菓子のような、その奇妙なバランス感覚で、かろうじて原形をたもち

穴だらけの目で、穴のあくほど、こっちを見てる


鳴かない鳥をどうする? 鳴けない鳥はどうしよう?

 

鳴かぬわけじゃない、鳴けない鳥

鳴くことを期待され、狭い鳥籠に閉じ込められて


鳴かない鳥をどうしよう? 鳴かない鳥をどうしたら?

待つ? それとも鳴かせる? 鳴けない鳥をどうやって?


鳴けない鳥はどうしたら? 誰かに命運を委ねるしか道はない

末路は三者三様に、だけれどそのどれもが鳥を

さいなみ、くるしめ、はずかしめる

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